人生は、「紙飛行機」よ【しまさんの読むRadio】
#stayhome の中で、折り紙が娯楽のひとつとして、特にお子様をお持ちのご家庭で流行ってきている(らしい)。
僕自身が最後に折り紙を折ったのは、今年の1月に飛騨高山に旅行に行ったときに、観光案内所にくっついているカフェで、ハーブティーで暖を取りながら、横にいる友だちと偶然見つけた折り紙を折ったときだろう。
#stayhome といわれて久しいんだけど、不思議とこういう趣味に手を伸ばせていない。そんなものか。
さて、何書こうと思ったんだっけ。あぁ、「紙飛行機」の話、もっといえば「紙飛行機」の歌の話をしようとしたんだった。
僕は、人生を、やりたいこといろいろやって、楽しみたい。
だから、しばしばふらふらした人生に見える人もいるらしい。
まるで、人の手から離れた紙飛行機のように。だから、紙飛行機の歌もなんとなく共感を持てるのかもしれない。
ここで紹介したいのは、AKB48の「365日の紙飛行機」とザ・クロマニヨンズの「紙飛行機」の2曲だ。
前者は、人生論っぽいことを歌っているけど、後者は「この紙飛行機よ届け!」みたいな純粋な気持ちが歌われている。
距離を競うより、どう飛んだのか、どこを飛んだのか
最近、NHK朝の連続テレビ小説のテーマ曲を暇なときに聴いている。
スピッツの「優しいあの子」(なつぞら)
星野源の「アイデア」(半分、青い。)
Mr.childrenの「ヒカリノアトリエ」(べっぴんさん)
ゆずの「雨のちハレルヤ」(ごちそうさん)
いきものがかりの「ありがとう」(ゲゲゲの女房)
などなど・・・
そんななかで、ひときわ気になって、つい「紙飛行機」のテーマで僕にnoteを書こうとさせてきた曲が、AKB48の「365日の紙飛行機」(あさが来た)である。
フレーズにはたびたび、「日常」と感じられるようなものがある。
朝の空を見上げて
今日という一日が
笑顔でいられるように
そっとお願いした
時には雨も降って
涙もあふれるけれど
星はいくつ見えるか
何も見えない夜か
と。
でも、これらの日常に関するフレーズは、紙飛行機とはなんら関係ない、足がついている僕らの話だ。
じゃあ、どこに「紙飛行機」要素があるのか。
それは、実は僕らの話をしていないフレーズ、つまり歌詞のほとんどが、すべて「人生は紙飛行機」という言葉に集約されているのである。
むしろ、なんら関係ないフレーズは、人生の一部を書いているものと考えたら違和感なんかないだろう。
人生は紙飛行機。
ではそれはどういうものなのかというと、歌詞からこう導ける。
(サビ1)
人生は紙飛行機
願い乗せて飛んで行くよ
風の中を力の限り
ただ進むだけ
その距離を競うより
どう飛んだか どこを飛んだのか
それが一番 大切なんだ
そう、「その距離を競うよりどう飛んだか、どこを飛んだのかそれが一番大切なんだ」と。
最近のテレビ番組に「アイツ、今頃何してる?」とか「消えた天才」のような、「あの人今頃なにしてんだろ?」というのがいくつかある。
「アイツ、今頃何してる?」では、ある芸能人やスポーツ選手などの身近の、印象に残っている同級生や先生に会いに行く番組だが、この人たちは別に「天才」「著名人」とは限らない。
そして、番組側の編集も(「天才」「著名人」がいたら別として)等しくその人の人生ややってきたことをストーリー仕立てにしている。そう、「等しく」だ。
なんだろう、近年になって、より「比べなくていいんだよ」というメッセージを聞くようになった。僕がそういう人生を望んでいるというのはあるかもしれないけども。
だから、心地よいのかもしれない。
もう少し歌詞を見ていくと…
サビ2は、より「今の人生の楽しみ方」を、明確にまとめている。個人的にこっちのサビの方が好きだ。
(サビ2)
人生は紙飛行機
愛を乗せて飛んでいるよ
自信もって広げる羽根を
みんなが見上げる
折り方を知らなくても
いつのまにか飛ばせるようになる
それが希望 推進力だ
ああ 楽しくやろう
「自信もって広げる羽根をみんなが見上げる」というフレーズ。
「あなたの生き方を見てくれている人はいるよ」、と。
もっというと、紙飛行機の折り方を知らなくても、いつのまにか「人生という紙飛行機」を飛ばせるようになるよ、と。
そのいつのまにか「人生という紙飛行機」を飛ばせるようになる、と信じて、希望を持つこと、それが「人生という紙飛行機」の推進力だよ、と。
なにより最後の「ああ 楽しくやろう」という言葉がフレーズで一番言いたいこと、だろう。
いろいろ楽しんで
いろいろ苦労もして
自信もって広げる羽根を伸ばして
そもそも紙飛行機の折り方なんて知らないよ
僕の人生はルートなんて、ないんだろうけど
いつのまにか飛ばせるようになっていく
それを希望に生きていくよ
そんな感じだろうか。
既視感があったんだけど、これってSMAPのメガヒット曲「世界に一つだけの花」の「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」をオマージュにしているのだろうか。
2000年代の「ナンバーワンにならなくてもいい もともと特別なオンリーワン」と、いろんな花が咲きほこっていることを比喩して送られたメッセージは、2010年になって「その距離を競うよりどう飛んだか、どこを飛んだのかそれが一番大切なんだ」と紙飛行機を比喩にして送られなおしているのだろうか。
違う点があるとすれば、「世界に一つだけの花」はあなたというオンリーワンの存在の肯定、「365日の紙飛行機」はあなたの人生・生き方という活動・行動・あり方の肯定、というところだろうか。
明日とかわからないし、別にいい。
あなたの生き方・あり方、ちょっとカッコよく言えば「Be」の肯定をする365日の紙飛行機」とセットにするにはちょっと違う気がするけど、
かたやさや姉(山本彩)というお姉さん、かたや甲本ヒロトと真島昌利というおじさんの歌をセットにするのは違うだろと思うんだけど、
「紙飛行機」とついていて、個人的に気に入っている曲なので抱き合わせで紹介しちゃう。
ザ・クロマニヨンズの「紙飛行機」も、やはり彼らの哲学いっぱいである。
基本的には、「今がサイコー」「生きてるのサイコー」「一生青春」の3つかな。シンプルすぎる。
1番では、
団地の窓から 飛べ紙飛行機
メロン色 若い空を 突き抜けていけ
夢の中でした 待ち合わせが今日
(中略)
ぐるぐる回って 少しガマンして
忘れた振りをして 君の窓辺へ
こんな感じで、飛行機を飛ばして、(君に届け・・・!)と思っている。青春。いまこの紙飛行機を飛ばして、眺めている瞬間がサイコー。
一方、2番では
今日走ってゆく 今走ってゆく
明日とかわからないし、別にいい
よじれてねじれて 急旋回して
お次は急降下 君の窓辺へ
と、「明日とかわからないし、別にいい」とまるで人生論を語るかのような歌詞だ。
ただね、この曲聞いて思ったことがあるんだ。
あくまで解釈でしかないんだけども、1番の歌詞と2番の歌詞は「実は全く同じことを言っている」と思う。
1番は「飛ばした主人公」、2番は「飛んでいる紙飛行機」と、視点が変わっているんじゃないかな、と。
視点の入れ替わりのしかけもある。
あえて、「全く意味がないフレーズを入れておく」、という方法(あった気がする)だ。
サビは
揺れて 乱れて 紙飛行機
スーイスーイ スラララ スーイ スーララ
に統一されている。実はここで視点がすり替わっているのだろう。
この「全く意味のないフレーズ」が効果的なのは、「君の窓辺へ」で切っている、つまりそのあとどうなったかは全くわからない点がポイントだろう。
1番では、とりあえず飛ばした!届いた!やった!という、「紙飛行機を飛ばした主人公」の視点で、超絶ピュアな心情を描いている。
一方で、サビを挟んで2番では、飛ばされたから走ってる、明日とかわからないし別にいい、と「紙飛行機」の視点で言っている。
では最後の「全く意味のないフレーズ」は誰に視点が変わってるのか?
おそらくなんだけど、「届いた先のアナタ」なんじゃないかな、と。
届いた先の話がもしかしたら、あるのかもしれないな~
と勝手に妄想してしまう。
改めて、「今がサイコー」「生きてるのサイコー」「一生青春」の3つの哲学がどこに埋まってるか。
紙飛行機を飛ばした本人の「楽しい様子、浮かれている様子」はもちろんなんだけど、個人的には紙飛行機自身の
今日走ってゆく 今走ってゆく
明日とかわからないし、別にいい
と
揺れて 乱れて 紙飛行機
スーイスーイ スラララ スーイ スーララ
の部分に組み込まれてるんじゃないかな、と。
紙飛行機自体の動きには、「諸行無常」、すなわち今より先、どうなってるかわからない、という前提がある。
風が吹けば向きが変わるし、もしかしたら墜落してしまうかもしれない。
けども、それでも「今日走ってゆく」し、「明日とかわからない」けど「べつにいい」。
どんなときでも「スーイスーイ スラララ スーイ スーララ」といけばいいんだ、と伝えたいのかもしれない。
※彼らの哲学についてはこの記事も合わせて読んでくださいね。
人生は紙飛行機よ。
改めて、人生は紙飛行機だよ、という話を2つの曲の話を入れつつ書いてみました。
「人生は紙飛行機」とダイレクトに言いつつ、
「その距離を競うよりどう飛んだか、どこを飛んだのかそれが一番大切なんだ」
「自信もって広げる羽根をみんなが見上げる折り方を知らなくてもいつのまにか飛ばせるようになるそれが希望 推進力だ」
と、紙飛行機のような人生の歩き方を教えてくれる。
または、紙飛行機の視点に立ち返って、
今日走ってゆく 今走ってゆく
明日とかわからないし、別にいい
揺れて 乱れて 紙飛行機
スーイスーイ スラララ スーイ スーララ
と、そんな人生、楽しんで、スーイスイっと生きなさい、と後押ししてくれる。
だから最後にもう一度。
人生は紙飛行機よ。
と。
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