開発参考文献の紹介
こんにちわリーマンサット・プロジェクトSpaceSuitsサークルです。
今回はどんな文献を参考にしているかご案内します。
最近の衛星開発は書籍や文献がたくさん出るようになり情報がかなり出回るようになりました。一方、宇宙服開発は日本語の文献はほとんど有りません。主に海外のサイトから情報を取得しています。以下に主な取得先を記載します。基本的にNASAにある文献を参考にしています。
設計標準
NASAの宇宙飛行士システム設計標準書がこちらに記載されています。
https://www.nasa.gov/hhp/standards
人間が関係するものの設計はほとんどかこのドキュメントを参照していますので必読です。文書番号は「NASA-STD-3001」となり
Volume1:宇宙飛行士の健康に関する要件
Volume2:宇宙飛行士の居住性・環境等のシステム要件
で構成されています。また、Volume2は次の設計ハンドブックが補足として用意されています。いかのURLです。
https://www.nasa.gov/feature/human-integration-design
Human Integration Design Handbook(HIDH):歴史や教訓をもとに理論的にシステム設計の背景が記載されています。
Human Integration Design Processes(HIDP):設計のプロセスが記載されています。
HIDHは1300ページに及ぶ長い文書が掲載されていてかなり参考になります。
最新の研究(日本)
毎年、宇宙科学技術連合講演会というものが開かれます。こちらの一部に有人宇宙関連のセッションがあります。有人以外にも衛星やロケット等いろいろな技術発表が行われます。
2021年の開催URLはこちらです。 https://branch.jsass.or.jp/ukaren65/
最新の研究(海外)
International Conference on Environmental Systems(ICES)というものがあり航空宇宙の環境システム国際学会です。世界中の研究の発表が行われます。
https://www.ices.space/
過去の論文は以下のページから閲覧することができます。
https://ttu-ir.tdl.org/handle/2346/58495
その他
少し見方を変えて、運用されているマニュアルを探すという手法もあります。船外活動:Extravehicular Activity(EVA)に関して少し探したところ、チェックリストが文献でありました。
https://www.nasa.gov/centers/johnson/pdf/492875main_EVA_133_F.pdf
こういった探し方も設計方法を勉強するのによいかもしれません。
まとめ
独自の基準で開発するのも有りですが、宇宙空間で使用するときにはJAXA・NASA等の宇宙機関の審査が入ると考えられます。レビューの際、開発の基本としてNASAの設計標準に従っていれば説明しやすく、審査されやすいかと思います。
また、古くから開発されてきた知見を元に文書ができているので、自分たちで試験する内容を省くことができるかもしれません。
文書の量が膨大なのでメンバーに翻訳してもらっています。NASAの資料を読むだけでも設計の勘所が分かるのでとても役立っています。
引き続き、リーマンサット・プロジェクトSpaceSuitsサークルは一緒に活動していただけるメンバー募集中です。こちらからリーマンサットへの参加登録をお待ちしております。 https://www.rymansat.com/join