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20220506-0508 正気(3) 北斎展、スパオタ、basspot、平ハウス物語

なんと………まだゴールデンウィークの日記を書いている

0506 北斎展

役所の手続きなど。天神〜薬院〜博多界隈はぎり歩ける距離なのがいい。自転車で駆け回りたかったけど、しばらく帰省しない間に何者かにリヤタイヤを解体されていた。乗ってる様子がないから狙われたのか。
天神薬院警固のあたりでコーヒーをのみまくる。

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その足で西鉄特急に乗り太宰府へ、北斎展を観覧。

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全国で年間どのくらい北斎に着目した展示が開かれているのだろう。とにかく人気で、そのぶん、各展示の個性が試されるトピックだと思う。

この展示は、北斎が魔除け兼練習兼日記として毎日描いていた、数百枚の獅子図《日新除魔図(宮本家本)》を核に据えている。これを中心に、北斎に先立つ錦絵の系譜や、彼のビジネスや、名画神奈川沖浪裏の表現をたどる。さらに彼の影響としてガレの工芸品なども添えてある。こう書くと若干節操ないようにみえてしまうかもしれないけれど、圧巻の獅子図コレクションを軸にして、彼の飽くなき「画狂」ぶりを示すことについては一貫しているし、彼の狂いにどれだけのひとが感化されてきたのかという筋も通る。


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コマ撮りのように獅子たちが並んでいるのが愛らしい。獅子画はわずかずつ変化していく。同じポーズを数日描き、ふとポーズを変えてまた数日描き続け、と、いろいろなポーズを納得が行くまで描きついでいたりする。もともと描くごとにそのへんの床に打ち捨てていたというのもわかる。とても私的な練習だ、しかしこのエネルギーですよ。

連想したのは写真家の展覧会。

2018年のこの展覧会では、デヴィッド・ボウイのあの有名な写真(Heroesのジャケット)を撮影するまでの、連写のフィルムが一覧できるようになっていた。僅かな偏差が連なるなかに、数カ所丸が付いていて、それが写真家の会心のショットになっている。確かに、先入観かもしれんけど、左右のコマより、わずかにたしかに、優れている。

この北斎の獅子図集もそんな雰囲気があった。作家の推敲をたどって、「推」と「敲」の差分に少し目を開けるようになるというか。

最後に《富士越龍図》。不敵に天に登る龍を描いて、あと5年生きられれば本物の絵師になれたのにと悔しがって死ぬ、90歳の北斎、いや凄まじい。

二日市で飲んで帰宅。親の話を、いくつか聞く。

0507

博多駅で舞鶴よかとさんたちのポップアップ展示を眺めた。地元でしっかり認知を上げているのがいい。一般層へのリーチを着実に勧めているところだけど、なにより、福岡のエンタメの中である程度の地位を確保しつつあるのが本当に偉い。


コーヒーをはしごする。

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店頭にならべてあった自費出版マガジンを買ってしまった。九州の(喫茶店でも、カフェでもなく)珈琲屋にフォーカスしている。情報誌として有用だ。

スパオタ

親不孝通り・福岡セレクタ。住んでいたころはほぼ踏み入らない界隈だった。車の窓からコワ〜って眺めて通り過ぎていた。あとたまにDrum Be1やLOGOSでライブをみたり。

さて今歩いてみると、当時は目に入らなかったフライヤー、耳に入らなかった漏れる低音、もろもろが感じ取れるようになっている。フロアがあまたある。

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セレクタ音がでかくていい。アニソンが、好き・・・・。

ハチャメチャに盛り上がる前にくやしいけど退散、そのまま地下鉄に駆け込んで…

Basspot

新幹線で大阪に飛ぶ。もうすでにけっこうアルコールが回ってる。博多から大阪だと豪華なみずほ・さくらに乗れるのがアド。

大阪を南に移動して、今度閉店の大阪王将でひとびとと待ち合わせ、落ち合って喋る。
あまたのオタクがいる。Basspotのお客かと思ったら他の濃いパーティも同時開催するらしい。とにかく王将満タンのオタクみなバイブスが高くてやばい。初対面だけどあんまり気兼ねがない。音楽聴きすぎやしアニメ見すぎ。こんなストイックなひとびとが集まってるんやなともうぴりぴりする。その後guild。


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RAVEでした。暗い、熱い。休ませる気のない殺気立った楽曲がずっと流れる。とんでもなかったわ。ロックのコチコチDJからずばっとアニオタ選曲になったりEDMの古典からアニリミになったり。客は蒸しかえるフロアをうごうご対流している。客の動かし方にものすごいスキルがあるひとばかりで、娑婆いことしたら終わるみたいな気迫に頭をやられてしまった。ハードはあまり好んでは聴いてこなかったのだけどもうそんなのどうでもどうでもよくなって頭振りまくった。MCStoneさんやotobeatさんが手番の後もずっと客をあおっていたの最高だったな。なーどーぷさんの音大好きだった。daramiyaさんのVJモノクロの使い方がおかしいくらいうまい。そして全最後、部の熱気をがっちり抱えて大気圏脱出するみたいな爽快なSHITAさんの締めでもう呆然としてしまった。

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対戦お願いしますってこういうことやね・・・となった。昨年の京都アニメメメやyori̠_michiでも思ったけど関西のバイブス高すぎる。刺し違えそうな緊張の楽しさがある。来れてよかった。

始発の新幹線で帰って、家に歩く道中でも、興奮でしばらくカリカリしてた。あんな殺気浴びたあと労働できるわけないじゃん……。本当に真剣すぎるひとびとだった。

0508 平ハウス物語

最終日。疲労がすごい。ハンモックに吸い込まれて終わりそうになったけど…


このイベントは、まったく馴染みはなかったんだけど、山田尚子作品をクラブで語り合う・・・?という点で目を惹いた。あと百合蔵さんとかFradolさんとかの関西のひとびとをこっちで見られる機会はそうないし、ということで秋葉原に。

いや良かったです。素晴らしいファンイベントだった。いつもの熱気のある箱とは雰囲気が打って変わり、真ん中には対談用のいすが置かれ、VJスクリーンで各々の熱っぽいレポートプレゼンが展開される。良い語りが続いてあわててOneNoteにメモを溜めてった。


プレイも良かった。トライバル、テクノ、UK、ゴルい音まで、いろいろな音を山田尚子監督作品に紐づけて混ぜる。演奏まである。おわたにさんの熱いギターを、B.toriyamaさんのマシンライブを囲んだ。VJがまたミニマルでおかしくて切なくていいんだ……。

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トークセッションの中で特に印象深かったのは、「山田尚子監督はDJ/Vj的感覚を持った映画監督である」という言及だった。

リズと青い鳥を見て、わけわからなくなって、そのままいろいろな本を読み続けた、院試浪人のころのことを思い出していた。また、昨年の京都メトロの「鮮やかなダンス」がもう朦朧とするくらい良かったことも思い出していた。このふたつの時代の自分を、ファンの自主イベントの半分遊びのような手つきにしたって、とにかく接続されてしまった。MOGRAのとうもろこしハイを口に含んで、鼻に、映画館のポップコーンの香りが抜けた。こういうことがあるのか、と思った。

いろいろな思いや経歴が作品の一点で交差することって稀有だなと思った。

総括


☑音を聴く
☑服を買う
☑家具を買う
☑お酒を買う
☑珈琲を飲む
☑いろいろなところに行く

全部できたゴールデンウィークで良かった。

☑正気に戻らない

達成。いろんな人にものに会えたな。


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