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20211112 京都(1) 鮮やか

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労をみっちり。退勤、いつもの帰宅ルートに背を向け、そのまま下り新幹線に飛び乗りました。
自由席は自分みたいなスーツ姿の人々で埋まってる。苦労して着席。

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名古屋から京都までは30分ほどなので、慌てて買った駅弁を、また慌てて掻き込むことになる。ビールと鶏飯はそんなに合わないことが判明。いかにも週末に家に戻る単身赴任者みたいな格好だなと思った。道中はずっとこのプレイリストを巡回していました。


ちょうどPop virusが流れる頃に京都着。

京都から奈良線、東福寺から京阪電車で地下にもぐり、終点出町柳で降ろされる。23時、沁みるほど寒い。車がぽつぽつ行き交う音だけが聞こえる、いや、よく聞けば、駅のあたりでももう鴨川の水音がする。

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出町柳からぐるっとめぐり、鴨川デルタの付け根を歩く。街灯はごく少なくて、道路工事の明かりだけが無機質なイルミネーションみたいなことになっている。デルタの先端は暗くて水面との境目も見定まらない。

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糺の森、河合神社、とてつもなく暗い。オリオンが驚くほど明るい。

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河合神社から鴨川の右岸を賀茂大橋まで下って、下流からデルタの先端を見やる。さっきは気づかなかったけど、この暗いのに、何人か人が佇んでるらしい。飛び石みたいなこともしているようだけど足元大丈夫なのだろうか。またひたすら風が冷たいのに。

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高校の修学旅行で、この下鴨のエリアにはいちど来ていました。やっぱり糺の森をあるいて、下鴨神社にお参りしてて、なぜなら当時ちょうど森見登美彦作品を読み始めてたからですね。班の自由行動ルートに無理言ってねじ込んだ。彼らの怠惰な熱心な京都学生生活に心から憧れていたファンでした。
大学の生活を想像するしかなかった当時、いつか行きたい地点として、ずっと憧れ続けていたし、大学を卒業したのに、いつか行きたい地点として、いまだに憧れている。
蜃気楼みたいなかっこうになっているらしい。

出町柳折返しの電車に乗るつもりが、時間を逃してしまった。隙間が空くので、寒いけど、目的地まで歩いてしまうことにする。コンビニのカレーまんで腹を温める。

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鴨川左岸を下りながら、なんだかいかにも深夜帰宅の恰好だなとおもう。京都に生活しているならば、こんな時間にここを歩いていることもあっただろう、と想像する。大通りに直行してひたすら暗い路地が口を開けてる。いちいち覗き込みはせずに歩き過ぎるけど、通り過ぎるたび、路地の奥で暮らす人々の知らない生活のにおいを嗅ぎ取るような気がする。

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そういう路地の一本。観光向けの顔もない深夜、なんだか狐とか狸とか居そうだなと思う。

地雷原のように、歩くごとに高校当時の感情というか、当時の想像力がまるごと湧き出る。京都の大学生になりたかった感情、もちろんそれはそうなんだけど、一言でいいきれないのが厄介で。

大学生になれるかもしれないし浪人するかもしれない、京都にいるかもしれないし東京にいるかもしれない、数年後の己の生活が見通せなくて、とりあえずひたすら想像してひたすら勉強するしかなかった時期があった、これを鮮明に思い出したのです。
大学生になり、東京に行き、数十年間勤める先に落ち着いた今のわたしが鴨川を歩くことでトリガーされたのが何だか変ですが。現在の、すべて決まってしまった・見通せてしまった後の、そういう時点の自分の姿を、高校当時無意識に想像していたのかもしれない。

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京都には行かず、東京に行って、そこそこ頑張り、かなり怠慢し、いくつかの趣味を増やし、なんだか就職してすごろく上がり。修学旅行のとき思い描いていた大学生活とは全然隔たっている、いや案外近い、悪くなかったじゃんという気もする、当時の感情を永久に追体験させられ、当時の視点で自己採点されながら、ふらふら歩くというか歩かされつづけた。どの時点の自分がどの地点を歩いているのか混乱する。頭を抱えそうになる。ますます風が寒い。

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神宮丸太町駅前に着いていた。地下駅への下り階段、踊り場に入り口があって、京都メトロに到着です。

鮮やかなダンス


2020年のステイホーム、DJ配信たちにお世話になり続けだったのですが、鮮やかなダンスもそのとても大きなひとつでした。

案外鮮やかなダンスの感想とか書いてなかったのを後悔しています。代わりに同主催のスパオタについて書いていました。

現場にいきがちになってしまった最近だけど、めいめいの場所で音楽で跳ねる楽しみっていうとこの方の配信に勝るものはそうない気がする。画面内で踊ってるオーガナイザーを眺めて・同じように笑顔になるのが楽しい。踊りやめてパソコンいじってるな、とおもった瞬間、まさにその手元からわたしのツイートへのふぁぼが飛んできたりする。感情も時間もすごい精度で同期している感じがある。しかも可視化されてるから旨い。

当時こう書いていたように、配信パーティでどう楽しませるかさまざまな工夫をやってくれていて、今回は現場なわけだけども、これら工夫がちゃんと下地になっているのだと客の身でもはっきりわかったのが良かった。
たとえばTwitchコメントを眺められるモニターを置いて、初心者でも気兼ねなく遊べるようインストラクションをして、飽きない告知を打って、ドアとドリンクそれぞれの電子決済対応を事前にお知らせして(これは本当にうれしいね)。まあ本当にインターネットでふらり配信に迷い込むくらいの気持ちで楽しめるように配慮されている。

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そして雰囲気がしっかり統一されているから、なめらかに一晩踊らされてしまったね……。際限なくお酒を飲んでしまった。おかげで記憶がごった煮になって、個別の思い出というより、まとまった嬉しさの気分が残っています。

知り合い(知った顔)はもちろん、知り合い(初対面)とも出会って話ができたのが何より嬉しかった。藤田ゆきのさんの話とか、ラジオ「春野杏・依田奈津の『期待しないでください…。』」の話とかをできたのは覚えています。
こういう緩い出会い方ができる暗い空間というのは本当に良い。アニメとか映画のことを語り合うためには声のとおりが悪いけど、ここでエンカウントできてうれしいよね〜って気分はばりばり伝わる。ていうかみんながそういう気分を滲ませつつ音に揺れとる。

しかし、

Listen to ᴅᴀɪᴋᴜ ɪɴᴅᴜsᴛʀɪᴇs // 裏世界BOOTLEG by marumaru ◯◯ on #SoundCloud

これのイントロ聴こえた瞬間駆け出してお話中断してしまったけど……。音の解像度で気が狂うかと思った。

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音に揺れたり手を叩いたりしながら、京都に来ていたら、まったく違う人間になっていただろう、研究とか頑張ってたかもしれんし逆に何かちゃらちゃらしてたかもしれん、もしかしたらアニメすら観てなかったかもしれんしもっとゴツいオタクに仕上がってたかもしれん、けど、でもいろいろめぐって2021年11月のこの京都メトロには来ていたんではないか、来ててほしいな、と想像したり、希望する。
暗い中、時折VJの閃光で照らされるこのフロアのどこか、暗い群衆になったおたくたちの中に、別の世界線の自分がいるような気がして、ぼうっとしながら何度も見渡した。のは覚えている。本当に見渡したんだ。

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最後はなんかめっちゃ感極まって誰かと何かを話し合った気がするのだけど、なにを訴えていたのか、訴えられていたのか、思い出せないね。


暗い明け方を帰って、牛丼を食べて、カプセルホテルに吸い込まれて昏倒。

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三条大橋ですかね。千鳥足だったけど、この朝日は覚えてます。

いろいろ見返してると、2019年11月、秋葉原mograのめざパ周年回に行ってたのが初クラブだったらしい。
ほぼちょうど2年でこういう重要なパーティに来れた、いや奇遇なことだなと思うところです。

ガの人を聴きにいってたんだけど、いやこのメンツ、すごかったな…

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