20210306 退職して参入して
退職
朝バイト。これで最後の出勤をした。各種機械をバシバシしばいてお客さんをさばきながら、ようやく板についてきたこの飲食店スキルもこれから一生使うことはないんだな、とぼんやり思う。
退店するお客さんには「またお待ちしております」と声をかけるのが通例なんだけど、このセリフが奇妙に遊離する感覚をおぼえたのが印象的でした。自分がこの店で「またお待ちする」ことはもうないにもかかわらず、こう言う。だから主語はもう自分ではありえない、何かもっとぼんやりした複数形の一人称らしい。
別に今日が勤務最終日だからこういう状態におちいったわけではなくて、たぶん接客を教えられたあのときからずっと、無意識にこのような複数形主語で喋っていたんだろう、わたしが「お待ちしていた」ことはきょうに限らずこれまでほとんどなかったんだろうと思った。
同じく今年卒業する仲間と話す。彼、就活のとき年収ランキング上位企業から総当りでエントリーしたと語っていた彼(これは悪口ではありません!そういうことを率直に表明できるだけの根っこの人格の強さがあるので)によれば、まずこのポストに入って、こういう経験をして、こういう人たちと出会ってから、そうすると自分が望む役職や高収入に手が届くとのこと。ハァさすがだなと思いました。自分はどちらかといえばすでに好きなものを仕事にできてしまったふしがあるから、特に展望なくまあ仕事を嫌いにならないように頑張る、健康にやる、ぐらいしか目標はなかったから、shima_namiはどういうキャリアを目指してるの?と問われて結構戸惑ってしまったりした。就職してから先に目指す道のりというのが、そういえばずっーと欠如している。
控室に戻ったら花束なんかも貰ってしまっていて、あぁデジャブ、部活卒部のときの感覚を久しぶりに思い出した。ひと時代がぬるっと終わった。しかし長居をする時間はなく、急いで出る、なぜかと言うに今日はずっと楽しみだったJuke_Vox!
#Juke_Vox vol.14
大好きなパーティ!の3月開催回
前回のわたし
いや〜〜全員ハズれなく素晴らしかったです。自分が掘り出してきた好きな声の曲を紹介してくれるようなそういうミックスがあったり、ダンサブルに曲調をととのえてひたすら踊りにもってかれたり。曲を選んでつなぎかえる、ミックスを通じた表現ということが非常に分かり易く聞けたのがよかった。
たとえば、ほんだしさんが言われたような「水流」軸の声優楽曲MIX。水を追いかけていくことで人の世界や海の世界をちょっと俯瞰して見て行くようなそういうストーリー。で、しかもそういう予備知識なしに聞いている自分でもちゃんとストーリーを理解できていたのがすごいことだ。
はちゃめちゃに感動してしまった。これらの事はへたをするとひとりよがりだって思われかねないバランスの上にあると思う(実際わたしもmix遊びをしてみて、ふと冷静になるとこれ誰にも伝わんないわ…と気づいたりする)のですが、まず個々出演者の安定した技術力DJ力が担保されており、間違いなく聴き手を楽しませてくれるという信頼が土台にあるから、声優原曲オンリーのしばりがありつつもこんな豊かな幅広いプレイを観客全員でたのしめるんですよね。稀有だなあ。
加えて、今回はまたさらに違う楽しみかたができたと思います。
この一年ちょっとで音に揺れることの楽しさは半分中毒するほど味わってきたんだけど、
CLUB ASIAのスーさんがこのラジオで言っていたような、クラブで交流する醍醐味みたいなものにはまだピンときてない部分があった。もともとコミュが下手だしなあとはんぶん納得はんぶん諦めしつつあったんだけど。
果たして今回のパーティ。以前別の場でお会いした方、常々mixを聞かせてもらってるDJさん、FFのFFさん(共通フォロワー40人)、コンテンツのオタクさん、などなど会わせていただいた。あわてながらも本当にありがたかったです(直接クラブには関係ないけど、こんにちは!昨日のガールズラジオデイズ特別編耳元ティータイムやばくなかったですか?みみもとティータイムやばかったっす!から会話が始まるのめちゃくちゃ心地良いですね、しかも一度だけでなく何度もこの種の会話が発生している、ありがたい…)
日常生活一般での人とのつながりとは、また違った種の関係が展開されていて、今回はどうやらそこにかなり参入させていただいたようだな、と感じました。暗く煙ったフロアのなか、隣の人とはもしかしたら知り合いかもしれんしぜんぜん違うかもしれんくらいの距離感で、「誰々に会う」というよりも「みんなに会う」というような、ぼんやり広い複数形のかたちでうごめいてるようにみえる。しかしあたたかい複数形だ。バイトで客に「また(私達が)お待ちしております」というときに使う、逃げのような空っぽな複数形とは違うな、と直感する。このへんの自分の直感はちゃんと詰めておきたいんだけど。無推敲日記を許してください。
ともあれそういうぼやけた視界のなかで、よっしゃ話しかけてみたところで大音響と酔いとで要領を得なくって、なんとなく表情や身振りできこえないとこを雑に補完しちゃうみたいな、変にプリミティブなコミュニケーションをやれる(かもしれないし、もちろん暗いからぜんぜん見つからなくてやれないかもしれない)。ある方が言っていた、「会うなら会うでいい、会えなくてもまた別のパーティで会えるでしょくらいの距離感がある」という説明にもう深く頷きました。心地良い。
acacやエンタスのハロウィンでもこのへん言ってた。対他性をモデレートしてくれることや暗くて誰が誰かわからんこと。
人と交流せず一生揺れててもいい。音そっちのけでコンテンツ談義をしてもいい。うれしい場だな
これはその中でいただいた、石川県のとある温泉のアメニティです。良いタオルをもらい、お返しにお酒を奢らせてもらう、謎に原始的な物々交換が楽しい。ありがとうございました。