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柔らかな人

先日学生時代の友人と出かけてきた。
月イチの定例女子会。
おいしいランチも楽しみだけれど、今回のメインは占い。

占い。
信じるとか信じない、ではなく、自分の足跡の確認のために利用することが多い。
特に手相は好き…変化するから。


離婚して何年かたった頃、横浜中華街で手相を診てもらった。
「自分が何をしたいかが決まってないでしょ。運命線が出てないよ」
と言われた。
その時はまさにそうだった。
子供を育て上げることだけを考えていて、自分の人生をどのように生きていくか、ということまで思いが及んでいなかった。

今、私の両手には頭脳線の下にしっかり運命線が刻まれている。
これは頑張っている証拠、と自分勝手に合点している。

手相と生年月日と名前で占うという占い師さん…(占い師さんという雰囲気ではないけれど…そもそも占い師さんの雰囲気ってなに???(笑))おしゃれで、柔和な笑顔と穏やかな声の持ち主だった。
第一印象は「柔らかな人」。
優しい声と水出しのデカフェアールグレイで、緊張気味だった心があっという間にほぐれてしまった。

前にもここで書いたが、七赤金星の娘夫婦と私にとって今年は表鬼門の厄らしい。
新しいことを始めるにはふさわしくない年とのことなのに、娘夫婦は結婚、転居をし、仕事にも変化を作った。

表鬼門の厄の話をしたら

「今までちょっと不安定で低調だったんじゃないかな。でも、今日から少しずつ運気が上がりますよ。表鬼門ということは気にしないで大丈夫」

たまたま訪れた日は8/8の立秋。
前日の8/7は夏から秋への節分。
2月の節分で運気が変わることは知っていたが、そうか、立秋の節分でも運気は変わるのか…と少しかしこくなった気分。

それにしても、本当にここのところ悪いことが続いていた。
母の病状悪化、娘の骨折、お婿君は置き引きに遭った。
私は車をぶつけ、仕事で考えられないような大ポカをやった。
あまりにも悪いことが続き、今月初めに北海道旅行に行く前にはお祓いまで行った。
母のことが心配だったから。

お祓いも気持ちがすっきりしてよかった。
やるだけのことはやった、と割り切ることができた。

でも、ここにきて私とお婿君が風邪をひいた。
今回の風邪はしつこい。
私が経理を請けている会社も何となく雲行きが危うい😓
うーん、やっぱり厄があるのかな?と不安に思うくらい…。

でも、そんな不安の数々を伝えないまま、柔らかな人は優しい笑顔で
「大丈夫ですよ。でも、ここ数カ月の頑張りがその先の結果につながりますよ」
と言った。

「そっか、大丈夫なのか」と肩の力が抜けた。
抜けた力と同じくらいは「もう少し頑張ろうかなー」と、やる気が出てきた。
現金だ…けれど、柔らかな人の優しい声の効果は想像以上に絶大だった。

ここのところ不安を感じていた仕事内容自体も

「今のことを続けていけば大丈夫。いつも応援してくれる人が現れるし、今の仕事向いているから」

と言われると「そかそか、大丈夫なんだ」とホッとして、何となくそんな気になってくる。

自分が持っている運と、少し気にした方がいい自分の性質についても説明をしてもらった。
いずれも納得できる内容。
少し離れたところで窓の外を眺めながら順番を待っていた友人が真剣にうなずいているのが少しおかしかった。

「占いなんて非科学的」
と思う方にはばかばかしいと思われるかもしれない。
しかし、自分としては常にベストまではいかなくともベターな選択をしながらここまできた、と思っている。
時には誰かに今の自分の立ち位置を教えてもらったり、次の道に進むヒントをもらえるのはとてもありがたいし、私には必要なことだ。

「手相はどんどん変わりますよ」
柔らかな彼女が最後にそっと教えてくれた。

「手相を診ているうちにも変わっていくの。前向きな気持ちになるから、それに応じて変わるのよ」

と。

私の友人も、たくさんの思いを語っていた。
彼女も今をターニングポイントにするかどうか悩んでいる。
それでも、帰る時には晴れやかな笑顔になっていた。
お互いにシワがひとつくらい薄くなったかな?
彼女が少しでも持っている荷物を軽くできたなら私も嬉しい。

今回、たくさん手渡された柔らかい言葉の中でとてもうれしかったのは、
「あなたにはお父さんがついてますよ」
の言葉。

そして、占いの後のランチの時に
「お父さんがついてるって言われてて、私もうれしくなった」
と友人が嬉しそうに言ってくれたこと。

柔らかな人の占い…
「定期的に行こうね」
と友人がまた笑った。

因みに…教えていただいたパスタやさん。
2回しか曲がらずにたどり着けるはずだったのに、二人でグルグルグルグル(笑)
グーグルマップまで起動させているのになかなかたどり着けず…。
「本当に方向音痴だよね…」
運ばれてきたパスタをフォークに絡めながら、顔を見合わせて笑った。
パスタは茹で加減もソースの塩加減も良く、スタッフさんのさりげない笑顔の対応もとても良かった。
上質の半日以上を過ごすことができた。


3カ月後、誕生日前に「柔らかな人」に会いに行こう。
その時に、また

「大丈夫」

という言葉をたくさん聞くことができるように日々をもう少し頑張ろう…。


心が迷子になる前に、道しるべをもらいに行こう…。





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