知床リベンジ!/知床ネイチャーツーリズム EP 4 行こう!野付半島
北海道に旅行するなら1番やりたいことをやろう…それはシマフクロウと出逢うこと。昨年初めて訪れた知床の2日間の夜だけではシマフクロウとは出逢えなかった。ただ森の奥から聞こえる彼等の鳴き声は神聖すぎた。だから今年、2024年いまふたたび知床へ飛んだ。
知床リベンジ3日目は野付半島。去年、予備知識なしで訪れ、ラムサール条約地なのを知りテンションが上がってしまった場所。思いのほか楽しすぎたので今年も行こう!と相なった。朝陽や夕陽が撮りたいので泊まりにしたのに昨年同様、曇り空でガスってしまう。陽が出たらたいそう素晴らしいのだと言い聞かせながら…いや、想像しながら野付を歩いた。
さて、野付半島とは砂嘴(さし)である。日本最大の砂嘴。砂嘴とは沿岸流により運ばれた砂が堆積して形成されたくちばし形の地形。これが進行すると砂州になる。千葉の富津岬や静岡の大瀬崎も砂嘴に相当する。それぞれの形はずいぶんと違う印象だ。野付はだいぶ異形に見える。先端までの距離は28kmとかなり長い。想像して欲しい、自分の生活圏で30Kmと言ったら相当遠くまで行く事になりはしまいか。野付の名は下顎を意味するアイヌ語の「ノッケウ」に由来しているのは、形状がクジラの下顎っぽく見えるからだそうだ。やはり珍しい形をした半島だと言える。
野付半島と野付湾は、湿地の保全に関するラムサール条約に登録されている。ラムサール条約とは、「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」の通称である。水鳥を食物連鎖の頂点とする湿地の生態系を守る目的で1975年に発行された。締約国は、動植物、特に鳥類の生息にとって重要な水域等を指定し、指定地の適正な利用と保全について計画をまとめ、実施する責任を有する。例えば、日本では当該湿地等を国指定鳥獣保護区の特別保護地区(鳥獣保護法)や生息地等保護区の管理区域(種の保存法)、国立公園・国定公園の特別地域(自然公園法)に指定し、法令に基づいた保護・管理を行うという具合だ。また鳥類だけではなく、絶滅のおそれのある動植物が生育・生息していたり、その地域を代表とする湿地等も登録されたりする。まあ端的に野付半島に関して言えば貴重な水鳥の楽園ということだろう。
野付半島に着いてみると、昨年はアオサギに埋め尽くされていた印象があるが、今年はチラホラしかいない。1か月違うと状況もこんなにも違うのかと思う。そのせいか昨年見なかったタンチョウがすぅっと飛来した。早速撮影に向かう。レンタルした超超望遠レンズを取り出すが、次第に気温が上がりつつある湿地帯ではかげろうとなりタンチョウが歪む。話には聞いていたが本当に歪むものだと実感した。多少ワイド側に戻せばそれらが目立たなくなるのでその辺りで撮影してみたが、そもそも温められた空気で歪んでいるので何をしてもどうにもならない。
さて野付半島。そこかしこで小鳥が鳴いている。姿は見えないがとにかく鳴いているので生物量が多い感じがした。花も咲き始める時期でたくさんの花を見た。種類はわからないが帰って調べようと思うくらい。それほど咲いている。だから、本当は水辺など晴れて陽が入りそこに鹿がいればよい画になるはずなのだがいかんせん曇り空で画にならない。灯台まで行くが戻りネイチャーセンターに向かった。
野付半島ネイチャーセンターは野付半島を紹介する展示はもちろん、お土産販売や飲食店もある。前回は野付バーガー(ホタテバーガー)を食べたが今回は海鮮丼をいただいた。大抵こういう施設の食事はまあまあでしょうの所が多いがこの食堂は美味しい。他のメニューも気になるので次回も行きたいと思う。売店で野付半島野鳥図鑑なるものを見つけたので買ってみた。これであとで撮影した鳥がわかる。僕の好きなタイプの図鑑である。
翌日の朝、念のため起きてみたがやはり霧でガスっている。仕方なく準備を進め6時頃宿を出て半島に向かった。まあそういう画を撮るしか手はないので、ひと通り回って次の目的地へ向かうことにした。晴れていたらとてつもなくよい画が撮れるはずなのだが野付リベンジは果たせず。聞くところによれば冬の野付は良いらしい。そりゃそうだと思う。いつか冬の野付に行きたいものだ。
さて、今回の宿泊先は「野付のねつけ」という民宿。出来てまだ1年くらいの施設で、新しく、オーナーもとても気さくで話しやすい。何よりネイチャーセンターでガイドをしていたので夜の8時から野付半島のレクチャーをしてもらえる。野付の学びが深くなって良い。宿で食事の提供はないため、食べてくるか、持ち込んでロビーで食べる(部屋での食事は禁止されている)しかない。僕はプルケの館という宿泊施設で温泉に入りセイコーマートでおにぎりを買いロビーで話をしながら食べた。ぜひまた泊まろうと思う民宿である。
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