【2022夏・熊本】子どもと新形コロナウィルスのホテル療養をしてきた話

2022年夏、小学2年生になった息子テツオは、初めて、1人で飛行機に乗り熊本の実家に帰省しました。祖父母や従姉妹と楽しい時間を過ごそうとしていた矢先、帰省3日目にして、テツオ、コロナ陽性の連絡が。。。
高齢の祖父母と一緒にいさせるのは心配なので、テツオを実家から引き上げさせ、私が一緒に熊本のホテルで療養することにしました。

勿論初めてのホテル療養。あまり情報もない。一度ホテルに入ったら一歩も外に出られない軟禁生活、その上差し入れが出来ないなど制限が厳しい。そして子供と2人。しかも、私はコロナ陰性。この過酷なホテル療養をどう乗り切ったかをレポートしたいと思います。

どこで感染したのかしら・・・


ホテル療養とは。

どんなホテルに滞在するのかどきどきです

新形コロナウィルス陽性者のうち、軽症と判断された患者はホテル療養ができます。
熊本市のホームページによると、下記のように書かれています。

新型コロナウイルス感染症と診断された方で、無症状または軽症の方のうち、医師の判断のもと宿泊施設での療養が望ましいと判断された方が宿泊療養をしていただきます

熊本市新型コロナウィルス感染症情報サイトより

軽症でも高齢者と同居している方などが対象になるのかと思います。
テツオの場合、帰省先に高齢者しかいませんでしたので、一刻も早く祖父母の元から離すべきだと考え、それにはホテル療養しかないと考えました。感染者が増えている中で、なかなか保健所も対応が追いつかないだろう状況で、無理を言ってホテルを調整してもらいました。

陽性の連絡を受けた翌日、私は急いで熊本に向かい、その日のうちに、保健所が指定するホテルに入りました。


参考サイト

熊本市新型コロナウィルス感染症情報サイト:

宿泊療養施設を利用される方へ(発行:熊本市保健所)
https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=33386&sub_id=48&flid=295921

ホテルはどんなところ?

どこのホテルに滞在するのかは、長期滞在する身としては、大変気になるところでしたが、他の療養者に対する配慮やプライバシーの観点から、教えてもらうことができませんでした。
保健所からのお迎えの車に乗って、ホテルに到着して初めてどこに滞在するのかが分かる仕組みでした。

とは言え、webサイトを検索すると今は色々情報が載っていますね。熊本市も、いくつかのホテルが、新形コロナウィルス発症者の宿泊療養施設として提供するので、臨時休業するとの発表をしていました。なので、なんとなく当たりはつけられるかもしれません。

ホテルまでの送迎

自宅からホテルまでは、保健所が手配した車で移動します。スタッフはドライバーさんだけで、荷物の出し入れ等は一切手伝ってくれません。感染拡大防止の観点から手伝ってはいけないことになっているのでしょう。
移動中、同意書を書かされました。「私陰性だけど、感染覚悟でホテル入ります」と言う内容。
(大体付き添いで入るお母さんは残念ながら感染してしまうそうです。)

車は、ホテルの裏口にひっそり停められます。
私は裏口とは知らず、車が停められた場所が、カプセルホテルとラブホのそばだったので、カプセルホテルかラブホに送り込まれるのかと思い、絶望感を味わいました。が、実際の滞在先のホテルは、やや古びれた印象の一般的なビジネスホテルでした。
ホテルに入るときも。裏口から入り、普段は荷物搬送用と思われる裏の汚い搬入用エレベーターでお部屋のある階まで上がります。

療養開始!ホテルの生活は?

ホテルの部屋

お部屋は一般的なビジネスホテルのツインルームでした。トイレ、洗面台、お風呂が一緒になっているユニットバスがついています。
お部屋は、21平米のようで(後で調べてみました)、2人で滞在するにはやや狭い印象です。
お部屋にあったものは、

・テレビ
・空気清浄機
・ドライヤー
・電子ケトル
・ハンガー
・ティッシュ
・アルコール消毒液
・コロコロ
・ハンドソープ
・シャンプー
・リンス
・ボディソープ

アメニティやタオル類は一切ありません。本当に最小限ですね。。。

廊下に準備してあったもの(共用のものや、必要なら取ってね、みたいな感じです)は下記の通りです。

・洗面器(使ったら共用部に戻さず部屋に置いておく)
・お風呂掃除用スポンジ(使い捨て)
・トイレブラシ(ブラシ部分が使い捨てになっているもの、コレです。ブラシの枝は、使ったら部屋に置いておく)
・紙コップ(使い捨て、包装されずに積まれている)←怖くて使えない
・歯ブラシ、カミソリ(個包装のもの)
・割り箸(個包装のもの)
・洗濯用洗剤(共用、使ったら戻す)
・ファブリーズ(共用、使ったら戻す)
・スリッパ
・ボックスティッシュ、トイレットペーパー、ごみ袋(なくなったら取りに行く)

食事について

こういうお弁当ばかりかとおもっていました

食事は、3食お弁当が用意されます。
滞在しているフロアのエレベーターホールに部屋番号が書かれたお弁当と飲み物が置かれいるので、案内にしたがって取りに行きます。
熊本では有名な「お弁当のヒライ」のお弁当が多く、いろんな種類のお弁当が提供されます。
前情報では、とにかく野菜が少ないから野菜スープ必須、と聞いていたのですが、煮物、おひたし、ポテトサラダ、お魚(サバが多かった)など、割と渋めな体に良さそうなおかずが多かった印象です。
朝はサンドイッチもありました。

ただ、渋めなおかずって、やはり子どもウケはしないですよね。テツオもあまり食べなかったので、持参したフルーツ、パン、インスタントのお味噌汁、ヨーグルトあたりが重宝しました。
小さな冷蔵庫があるので、ヨーグルトや簡単に食べられるフルーツは保存も安心です。(スプーンがなかったので持っていけばよかったと後悔)
ちなみに、テツオはわかめのお味噌汁が好きなのでカットわかめを持っていき、インスタントのお味噌汁にわかめ増量で出したら喜んでいました。お弁当では不足しがちな海藻が取れるのでおすすめです。

掃除、洗濯

おひさまの下に干したいなあ~

お部屋の中の掃除は自分でやらなければなりません。洗濯はホテルのコインランドリーは使えないので、自室で。
熊本市の提供する情報では、部屋で洗濯できる、ハンガーも用意している、洗剤もあるよ!と、書いてあって、(勝手に)不便なさそうに感じたのですが、、いや、たしかに書いてあることは嘘ではないものの、部屋の洗面台で洗濯するのは、ちょっと大変です。洗剤も共用なので気になる方は持参すると良いと思います。
また、当然脱水も出来ないので、乾きやすい、吸水速乾素材の洋服が便利です。
洗った洗濯物を干す道具は、ハンガーしかないので、小さめのピンチハンガーがあるといいなと思いました。
私は、何が何でも感染したくなかったので、共用の洗剤は使わず、自室にあるハンドソープやボディソープを使って洗いました。

お部屋にコロコロがあったので、週末にちょっと掃除をやってみましたが、ものすごいゴミが取れました。。このゴミの量から推測すると、しばらく掃除されてないのではないかと思いました。
トイレも、入って数日で黒い所謂「さぼったリング」があらわれました。
コロナの療養に使われるようになって、本格的な掃除は入ってないのだとおもいます。(あくまで個人的な推測です)

生活時間

一応、下記のように時間が決められていましたが、起床、就寝は自由です。
毎日朝晩、看護師さんから電話があり、熱と酸素濃度を伝えます。私の体調も確認してくれます。

7時 起床、検温、酸素濃度測定
8時30分 朝食
12時30分 昼食
17時 検温、酸素濃度測定
18時30分 夕食
21時 就寝

差し入れについて

熊本市からの案内によると、差し入れは原則禁止されています。
しかし、私はあまりにもWi-fiの環境が悪く、仕事に支障をきたす、という理由から、ポケットWi-fiの差し入れを認めてもらいました。
濃厚接触者でないものが、熊本市保健所に届け、保健所経由で滞在先のホテルに届けられるという仕組みです。(もしくは、郵送等で、保健所に送ることもできるそうです。)
私の場合、午後、母にお願いして保健所に届けてもらったところ、その日の夕方にはホテルに届きました。
また、子供は、提供されるお弁当がなかなか食べられないことも多いので、子供が食べられるものを差し入れてもらうこともできなくはないと聞きました。
ただし、爆発的に感染者が増えている今、保健所もホテルも少ない人数で対応いただいているのだと思うので、差し入れが増えてしまわないよう、我々も、差し入れは不可、と思っていた方がよいのだと思っています。

気をつけたこと

今回はテツオの付き添いで、陰性の私もホテルに入りました。私が感染してしまえば、感染した日から10日間、療養期間が伸びてしまいます。(絶対にやだ・・・)

なので何が何でもうつらないように、徹底して感染対策しました。
宿泊している他の療養者の方が行き来する廊下はもちろん、自室にも保菌者がいるので、常に気は許せません。
私は下記の事を気をつけていました。

・ホテルに入ったらすぐに、アルコールであらゆるところを消毒。(ドアノブ、電気のスイッチ、デスク、椅子、ハンガー等)
・お部屋の中でも必ずマスクをする。(私もテツオも)
・食事はテツオの近くで食べない。(テツオはデスクで、私はベットで別々の方向を向いて食べました。)
・テツオの食べ残しを処分した後は手洗い、アルコール消毒をする。
・食事の後はデスクをアルコールで拭く。
・トイレも毎回アルコールで拭いてから使う。
・廊下に食事をとりに行った後、ゴミを捨てに行った後は念入りに手洗い、消毒をする。
・ゴミ捨てに行く時はビニール手袋をする。
(ゴミ箱は他の療養者の方と共用です。自分が感染していればあまり気にしませんが、絶対移れない身としては、ゴミ箱は危険すぎる。。。)
・コンタクトはしない(粘膜からの感染を防ぐ)
・メガネをかける(コンタクトをしないので、必然的にかけるのですが、感染予防にもなると考えました)
・テツオの洗濯物を洗うときは、まずアルコールを吹きかけ、メガネ・マスクをする。
・しっかり寝ること
・適度な運動をすること(テツオとLEAN BODYを契約し、毎日ダンスエクササイズをしていました。)
・外部とコミニュケーションをとり、気分が沈まないようにして、免疫力アップにつなげる

持っていくと良いと思ったもの

すでにいくつか挙げましたが、熊本市の案内にはなかったものの、あるといいなと思ったものをまとめてみます。

・アルコール消毒液(お部屋に準備されていますが、トイレ用とお部屋用と二つあると便利)
・アルコールのウェットティッシュ(1パックでは足りなかったです。多めにあると安心)
・ビニール手袋(陰性の付き添いの方向け。ゴミ捨て行く時は是非使いたい。)
・紙コップ(剥き出しで共用廊下に置いてある紙コップは、さすがに感染が怖くて使えない)
・紙皿(もってきた食料を食べるときに使える)
・使い捨てスプーン
・洗濯用洗剤(柔軟剤入りがいい)
・ピンチハンガー
・マスク多め(陰性の付き添いの方向け。部屋でも常にマスク必須)
・食料(簡単に食べられる果物、フルーツ缶、ヨーグルト、インスタント味噌汁、カットわかめ、ジュース、お菓子、ティーバックやインスタントコーヒーなど、食欲がないなら、ゼリー飲料など)
・iPad、本、お絵かき帳など(子供の時間つぶし用、小学館のペーパークラフトブックはオススメ)
・Amazon fire stick(結局繋ぎ方が分からず使えなかったが、ホテルのテレビに繋げられたら良い)
・モバイルWi-Fi(特にお仕事される方は、ホテルのWi-Fiは使えないと思った方が良い。オンライン会議は壊滅的だった)
・PCのモニター(仕事するには必須だった)
・給水速乾素材の洋服、下着(洗濯してすぐ乾く)
・スリッパ(部屋用と廊下用と両方あっても良いのかも)
・薄手のタオル(乾きやすいタオルが便利。洗濯しないならたくさんあるに越した事ない)

あまり要らなかったもの

・洋服(夏でしたが、エアコンがきいているので、そんなに数がなくても大丈夫。)
・靴下(部屋では一度も履いてない)

さいごに

ホテル療養をすると決まったとき、何をもっていけばよいかなど、実体験に基づいた情報があまりなくて困ったので、これからホテル療養をされる方(特にご自身は陰性で、お子さんの付き添いをされる方)に少しでも有益な情報をお届けしたいと思って、このnoteをかいてみました。少しでも何か参考になれば幸いです。

わたし個人的なお話をすると、療養開始の日が1番辛かったです。先の見えない不安、こんなところに10日もという絶望、いろんな感情で自然と涙が出ました。でも、子供の前で泣くわけにはいかない。
そんな時、1人で抱え込まず、友達や家族に連絡をして、話を聞いてもらえた事がとても大きな助けになりました。(そして、数日たつと、軟禁生活も慣れてくる・・・)
また、幸いにも私にはやらなければならない仕事があったので、それも気分転換になりました。

それから、ホテルで毎日電話をかけてくれる看護師さんやスタッフの方、それから熊本市保健所の方は、皆さんとてもやさしく、親切な方ばかりでした。感染リスクを承知でこのお仕事に携わってくださっている中で、ここまで温かい対応をしてくださっていることに感謝しかありません。

これから療養する方々は、大変な思いをされると思いますが、このnoteに書いた事が何か一つでも、療養生活の不便さを解消し、無事に回復されることを願っております。


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