
【おじさん大学院生の挑戦3】大学院とは? 研究するとは?
そもそも大学院って何? って思われる方もいると思います。
かくいう僕も、まだ入学して半年。そんなに詳しいわけではありませんが、実はいざ大学院へ行こう!と思っても、なかなか理解が難しかったのを覚えています。
大学院とは、簡単に言うと大学の学部で学んだあと、さらに専門的な研究を行う教育機関という定義のようなものはありますが、それはそれとして、実際に何なのかはよくわからないですよね。
例えば修士課程と博士課程とは? 博士前期課程とも言ったりすることもありますね。
入ってから気づいたのですけど、修士はM(Master)だから、その一年生のことを「M1」と読ばれたり、自己紹介で使ったりしています。
また、これは大学院によって違うと思うけれど、僕のところではM1からゼミに所属します。つまり、入学前には所属ゼミが決まる(行きたいゼミ、指導教官は入学前から決める必要がある)のですが、入ったらすぐに博士課程=D(Doctor)の人たちがいて驚きました。
でも、同じくおじさんで別の大学院に行った友人は、M1のときにはゼミや指導教官を決めずに幅広く学び、M2に入るときに決めたとのこと。それまでは同期入学の人たちと交流しながら専門性を決めていった、とのことでした。
ここでお話したいのは入学前のこと。上記のように、入る前から主専攻は決めるとしても、指導教官まではわからないとか、そこまで具体的には決められない、というケースもあると思います。それは大学院の特性に合わせて受験すればよいと思うのですが、さまざまなケースがあるという状況を理解した上で、志望校がどのようなスタイルなのかを把握した上で受験対策をすることが肝要なのでしょう。
大学院受験のための予備校、というのもあるようです。これは、受験に必要な研究計画書の書き方指導や、語学試験対策、また面接対策などもしてくれるようです。「ようです」というのは、僕は受験することを決めて、実際に応募するまで1カ月ほどしかなく、誰かの指導を受けるほどの余裕はなかったからです(そもそも利用しようと思わなかったのですが)。
また、例えば大学院の事前説明会に参加したり、経験者がいればその人に聞くなどすれば、ある程度イメージはつけられるのではないかと思います。特に社会人の場合は、この説明会に参加することは重要だと思います。
私が受験前に最も知りたかったことは、講義スケジュールがどのようになるのかということ。一人の会社経営だとしても、仕事はありますから、仕事をしながら履修できるスケジュールとは具体的にどのようなものなのかが、なかなかイメージできませんでした。
実際、僕は入学する前は土曜日に多く履修するものだとばかり思っていたら、僕が入った大学院は社会人向けにも開かれているけれど、土曜日の講義はとても少なくて、実態は平日の夜にまとめて履修する形が中心でした。また、これは僕の大学時代にはなかったことなのですが、オンデマンド方式や、リアルタイムだけどもオンライン方式の講義もあります。そうした様々な形式の講義が存在することをもって、多様な立場の学生が学べる環境づくりが進んでいること、これは入学前にはあまり具体的に想起することができませんでした。それらは、きっと事前説明会などで詳しく聞くことができるのだと思います。
また、多くの大学院で入学前に「研究計画書」の提出が求められると思います。完全に仕上がっていなくても、入学後に路線変更する人もいると思いますが、多くは入学時にはある程度の方向性は定まっているのかと。恐らく、その準備が大変ですよね。
僕は、前々職、前職を通して、自らの関心領域は一貫して続いていて、さらに研究したい方向性もある程度固まっていました。受験準備の1カ月間で骨組みはすぐにできたのですが、研究をするのであるから、きちんとそれに向けた準備もしなければなりません。具体的には、ネットでの論文検索や、国会図書館などに通って既往研究論文を数多く読み込み、その上で自らの研究の独自性、新規性も意識しながら計画書を作成しなければなりません。
僕が仕事をしてきた職場には、大学教員もいれば、実際に働きながら大学院に通う人たちもいたので、ある程度の概要は理解してました。しかし、自分が実際に計画書を書くとなったら、それはそれは大変で、どこまで準備すればよいのか、何を書けばよいのか、なかなかまとまらなかったのを覚えています。
そうなのです。「研究」というものは、私たちの身近な生活からは少し離れた取り組みなのです。そこに新たに挑戦するときには、それなりの準備や覚悟が必要になってくる。また、それが本当に自分自身に必要なのかどうかが、入学前の計画書作りで試されているのかなと思ったりしました。
そこに楽しさを感じるのであれば、恐らく大学院受験に挑戦すること自体に喜びを感じられるのでしょうね。実は私は、その計画書作り自体は大変だったのですが、取り組んでいる間はとっても楽しかったのです(笑)。