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【おじさん大学院生の挑戦1】大学院、入学しました

はじめまして。51歳のおじさんです。
この春、大学院に入りました。学び直しとも言えるし、研究のため、とも言えます。仕事に活かせるとも思うし、今後の可能性を広げるためでもあります。入学した理由はたくさんありますが、ひとつ挙げるとすると、自分の価値を上げるため、ブランディングです。

大学院への入学は約10年前から検討していました。でも、会社員として仕事をしながらだとなかなか難しい。夜間や土曜日に開校している大学院を探してチェックはしていたものの、確実に講義に出られるかどうかわからず、諦めていました。
また、本当に大学院で学ぶことが自分にとって必要なのか、単なる自己満足なのではないか、とも思っていました。大学院には安くない学費が必要です。また、多くの時間を講義と論文執筆にかけなければなりません。少し興味がある程度で進学してよいのか。僕は大学院で何を学びたいのか。徹底的に考え抜いた上で結論を出さなければならないと思っていたら、数年が経っていました。

その転機になったのが仕事の変化でした。元々勤めていたシンクタンクから、6年前に中小企業向けのコンサルティング事業を行う会社に転職。その後、コンテンツ制作や業務改善支援などを行う会社を起業しました。がむしゃらに仕事をし続けて2年が過ぎたころ、ふと「今なら大学院に行けるかもしれない」と思うようになりました。仕事、生活、家族、そして大学院。自分に関わるさまざまな要素を踏まえつつ、将来目指したい姿、挑戦したい領域、関心のあるテーマ、何よりオリジナルの生き方をしていくために必要な要素は何か。「挑戦するなら今だ!」と思うに至りました。

進学を決めたのは2023年8月の頭でした。そこから、自分が研究したい領域を扱う大学院を改めて探しました。過去に目星を付けていた大学院に加え、関連領域を広げて、より幅広く候補を挙げていきました。その中で、自分が学びたい研究科、師事したい先生がいるところを探していきます。
また、私は一人とはいえ、会社を経営しています。仕事をしながら学べるところに限ると、選択肢は一気に減りました。
そして志望校は1つに絞られました。ここはかつて、10年前に僕が行きたいと思った大学院でした。僕の志望はこの大学院の研究科、そこだけになりました。受験日程を調べるとあと1ヶ月しかありません。必要な書類や、研究計画書の準備などを進めて急いで応募すると、書類の1次、面接の2次を通過し、合格することができました。

受験までは勢いで突っ走ってきてしまいましたが、ふと、50歳のおじさんが挑戦できるものなのか、不安がよぎったのも事実です。加えて、生活のために仕事は継続しなければなりません。その両立をどのように図っていけばよいのか。
しかし、そんな悩みを吹き飛ばす勢いで、新しいことへの挑戦や、価値創造への期待が上回りました。どうにかなる。いや、どうにかする。10年来の思いを実現するために、ここはもう突き進むしかない。そんな気持ちを抱きながら、2024年4月、大学院に入学しました。

入学してから約半年、ここまでは無我夢中でやってきました。もちろん仕事優先。一人の会社だから仕事量は調整しながらですが、両立はなかなか大変でした。ただ、そんな中で大学院での学びのペースが掴めてきた感覚もあります。また、頭の中は知識量はもちろんですが、客観的な思考、研究手法や情報整理のフレーム構築など、常に新しい刺激に包まれています。リアルの仕事世界での動き方と、まるでデジタルツインの中にいるような(デジタルではないけど)別世界で研究しているような、2つの世界を行ったり来たりしているような感覚です。これって、僕が当初想像していた大学院の世界とは違って、とにかく新世界を生きている感覚なのです。

それは、僕が研究しようと思っている領域が、リアルの社会に根付いた課題だからかもしれません。その領域に関して学ぼうとするとき、これまではネットや本の中の情報から学ぶことが多かったのに対し、大学院では専門性の高い講義や先行研究など、これまでの日常生活では触れたことのない世界との出会いがあったからかもしれません。また、社会人学生だからこそ持ちうる気づきやアイデアもあります。毎日がこんな価値創造の場になっているような、そんな感覚です。

僕は、この大学院での学びについて、書いてみたいと思いました。まだまだ大学院へ進学する人は少数派で、僕も入る前はあまりの情報の少なさに戸惑い、困惑しました。でも、自分なりに切り開くコツを掴んでからは面白くてたまらない体験へと変化しています。
もちろん、研究領域や大学院によって、研究のスタイルや講義の特長は違うでしょう。また、僕もまだ入学して半年。修士を終えるまであと1年半あります。ここでは50歳で大学院に入学したおじさんの、リアルタイムの研究日記と、学生生活での率直な感想をお話してきたく思っています。そして、大学院へ入学することを検討しつつ、よくわからないという人がいたら、少しでも参考になれば幸いです。

では、「おじさん大学院生の挑戦―駆け出し研究者が見て・聞いて・考えたこと—」、始めます。


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