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可愛く伝えたい
明日ついに冬至ですね。
そのせいかここ何日かグッと寒さが厳しいです。
ふと思ったというか昔からですが、私は「可愛く伝える」ということが苦手です。
ここでいう「可愛い」とは何もぶりっ子するというわけではなく、裏表なく素直に思ったことを伝えられるということです。
私はどうしても「こんなこと言ったら失礼かな、相手を困らせるんじゃないか」という考えが先行し、なかなか言葉が出てこなくなって、ようやく絞り出した言葉は全く可愛げがないのです。
そんなある時、祖母を見ていて素敵だなと思う場面がありました。
それは、少し山のほうにある公園に芭蕉を見に行った時のこと。その公園では、細い遊歩道を歩きながら、小川沿いに咲く白い芭蕉たちを見ることができました。その遊歩道の途中、小さな東屋で笛だったかな?何か音楽を奏でている方がいたのです。その音楽は景色を楽しむ私たちを邪魔することなく、その場の雰囲気を心地よくしてくれるものでした。
その小鳥のさえずりのような音は、少し離れたところからも聞こえていて、いい音色だな〜と私は心の中で思っていました。
でも祖母は違いました。
先頭を楽しそうに歩く祖母は、そのペースを保ったまま、すれ違いざま音色の主に言ったのです。
「素敵な音色ですね」
たった一言、笑顔を添えて。
相手の方が、笑顔で軽く会釈すると、周囲には一気に暖かい空気がふわっと生まれました。
祖母とその音色の主は、恐らくお互い顔見知りではありません。初対面です。それでも気後れすることなく、素直に気持ちを言葉にして伝える様が、すごく可愛らしかったのです。
たぶん私のように思ってるだけで、言わなくても特にマイナスになることはありません。
でもあえて言葉にする、それも自然に。
その一言であったかいの輪が広がる。
なんて素敵なことなんだ!
私も祖母のように可愛い大人になりたい。
そんなことを思う日曜昼下がりでした。
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