夏、ライブな日和。
世の中が帰省ラッシュにわく週末。
私はとあるバンド、アイドルのライブに参戦した。
どちらも初参戦ながらDVDでライブの雰囲気は心得ていた。その雰囲気が画面越しに見ても溢れるほどに良かったからこそ、生のライブには相当な期待感を持っていた。
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8.11@パシフィック横浜
街中がポケモンで溢れていたこの日、横浜には狼がいた。そう、MAN WITH A MISSIONである。
パンデミックで世界中が混乱に陥る少し前、私は母のススメで彼らの音楽に触れた。そしてそのどストレートな音楽性に、しっかり惚れてしまった。
さらに一見怖い見た目?とは裏腹にバラエティ能力もなぜか高い。謎に力の入った特典映像は、まるで「水曜どうでしょう」のような、シュールさと緩さがある。
緩急持ち合わせたずるい狼達。
そこもまた、いい。
そんな彼らの音楽で好きなところは、やはり真っ直ぐに心に刺さってくるところ。その熱い情熱といつまでも続く青春。決して責め立てるのではなく、力強い腕を優しく差し伸べてくれる、そんな柔らかさもあるところ。
ここ数年、ストップした世の中に人々が苦しみ、立ち止まっていた中、彼らは常に先陣きって歩いてくれた。それは、この曲によく表れていると私は思う。
守らなきゃいけない、その思いで私たちは全てを我慢し、苦しまなければならないような気がしていたけど、そうじゃない。進める、進んでいいんだと教えてくれた。
そんな彼らが、ついに目の前に。
幕が取り払われ、彼らがあらわれた時、心の底から身震いした。
低音がずしんと響き、刻むビートに体が動き、まさしく彼らの音楽を全身で感じられたことに興奮した私は、脇目もふらず、大きく手を振り飛び跳ねた。
楽しい!本当に楽しい!
やっぱり生で感じる音楽、最高だ…!
そして会場のボルテージが上がるにつれ、彼らの腕につかまり進んできた観客達の力が爆発し、それは大きな歌声になり会場中を包み込んだ。声の限り、叫んで叫んで、叫びまくった。
あっという間の2時間半。
ポケモン熱の高いみなとみらいも、この時間だけは一気に狼熱が沸騰していた。
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8.13@横浜アリーナ
ポケモンやら狼やら、人間ではないものに多く触れた2日後。私はまた横浜に来ていた。大阪出身のキラコテアイドル「なにわ男子」に会うために。
ちょうど一年ほど前、旦那さんの後輩から布教を受け、彼らのエネルギーとそのプロ意識の高さに、これまたしっかり惚れてしまった。
かっこいい、かわいい。これはもちろん、彼らの求められる大きな仕事だと思う。でもそれ以上に感じたのは、「いいものを作りたい」という作品作りに対する想い。「笑顔や幸せを届けたい」という願い。
まだ若いながら、ずいぶん年上の私より、大きな責任を十分理解し、しっかり背負っているその姿に、ステージに立つこと、そしてアイドルとして生きていくことの覚悟を感じた。
アイドルは、どうしてもメディアでチヤホヤされる分、私たち一般人からはやっかみの対象にもなりやすい。ニコニコしていればいい、楽そうだと見えてしまうこともある。でも、人前に立つというのは並大抵の覚悟ではない。しかもそれを生業に生きていくということは、その背景にどれだけのものがあるか…
そうした覚悟の上に立つ彼らは、一人一人どうありたいか、どういう存在でありたいか。デビュー前から心に抱えてきたものが、確かなものに変わったんだろうなということが、画面越しに見るたびにひしひしと伝わってきた。
彼らがこの先何を作り出し、表現し、その生き様を見せてくれるのか。その期待にどんどん惹かれるようになった。だから、見た目はもちろんだけど、彼らのアイドルとしての生き方をすごくかっこいいと思っているし、もっとかっこよくなった姿を見たいと思っている。
今回初めて生で見た彼らは、あまりにもキラキラしていた
「本当に実在しているの?」と疑ってしまいそうなくらい。
でも彼らは確かにそこにいて、全力で「幸せだ!」「楽しい!」という気持ちを届けてくれた。それはもう受け止め切れないくらいに。
楽曲はもちろん、メンバー自身が手がける舞台演出や衣装も大事な作品たちで、その一つ一つにきてくれた人たちにどう楽しんでもらおうか、どうしたら喜んでくれるかなという彼らの思いやりが、たっぷり詰まっていた。
マンウィズのライブのように、大声で叫んだり、飛び跳ねたりするようなライブではない。でも、彼らからの幸せのプレゼントを浴びるほどもらった幸せな2時間半だった。
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まるで正反対のライブ参戦は、こうして終わった。
語彙力なく端的に表したら、どちらもすごい良かった。
マンウィズは爆発力。
なにわ男子は幸せのシャワー。
でも、どちらもその根底にある熱い思いがあって。
ファンへの感謝と温かさを感じた。
こんないいライブに参戦させてもらえて。
なんて幸せなんだ、最高だ!!!
そう心で叫んで、このライブ日記の筆を置く。
また彼らのエネルギーに触れる機会がありますよう。
そんな未来の当選願いも込めて。