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#中国

一極体制築いた習近平 毛沢東超えを狙う

一極体制築いた習近平 毛沢東超えを狙う

5年に一度の第20回中国共産党大会は、習近平総書記(国家主席)が予想通り異例の3期目に選ばれて10月22日に閉幕した。党最高指導部である政治局常務委員(現行7人)も習近平氏の側近や習派の人が多数派を占め、中国は今後、これまでの集団指導体制から習近平“一極体制”で国家運営を行なう可能性が強まった。また、習氏の悲願とされる中国と台湾の統一について「台湾の独立に断固反対し、中台統一へ武力行使を決して放棄

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中国は香港の将来をどうみているのか

中国は香港の将来をどうみているのか

 香港の返還25周年の記念式典が7月1日に行われ、習近平国家主席は「愛国者による香港統治を実現し、香港に繁栄と安定をもたらした」と自賛した。香港の憲法にあたる香港基本法は「一国二制度を変換から50年間は維持する」と明記し、今年は折り返しの25年目に当たったが、習指導部は香港国家安全基本法(国安法)や親中派だけが立候補できる選挙制度を導入、民主派の取り締まりを強化しており、民主派の市民からは「香港は

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香港つぶれた後、出現するか第二の金融都市

香港つぶれた後、出現するか第二の金融都市

香港政府トップの行政長官に7月1日から、警察出身で強硬派として知られる李家超(ジョン・リー)氏(64)が就任する。李氏は中国の習近平政権が唯一立候補を認めた人物で、警察出身者が行政長官に就任するのは1997年の香港返還後、初めてだった。

香港は中国政府の西側社会への“窓口”として自由な取引や生活、言論などがほぼ認められてきた特別な社会として存在し続けていた。

こうした中で李家超氏は習近平政権に

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台頭する中国式経済競争の脅威

台頭する中国式経済競争の脅威

民主主義が危機的状況になりつつある?ー 最近アメリカを中心に欧州などの民主国家から「民主主義が警戒すべき挑戦に直面している」という声が強まっている。

民主主義を危機に陥らせているのは、中国を中心とする“専制主義国家”だと指摘、岸田文雄首相も自由、民主主義、法の支配といった基本的価値を担う行動に対して有志国が一致して臨む必要がある、と主張し始めた。民主主義危機論はなぜ急速に国際社会の中心テーマにな

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二つの“新しい主義”の闘い

二つの“新しい主義”の闘い

 新しい資本主義と新しい社会主義――。

バイデン米大統領と中国共産党の習近平総書記の対立・論争は、どちらの思想・理念が豊かな社会を作る上で優れているか、という基本的問題に立ち返っているようだ。かつての資本主義と社会主義の対立は、20世紀末にソ連邦が崩壊したことで決着がついたようにみえた。

 しかし近年、大国・中国の習近平総書記が“新しい社会主義”の理念を声高にしゃべり、国民総生産(GDP)で日

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経済力競争軸の“米中”新時代に突入「2022年を占う!」国際政治

経済力競争軸の“米中”新時代に突入「2022年を占う!」国際政治

2022年の世界の動きを見る上で、最も気になる国は中国だろう。習近平総書記は、昨年7月の中国共産党結党100周年の演説以来、再三にわたり高圧的態度で中国を誇示し、中国の“強国路線”を強調してきた。

「我々をいじめ服従させ、奴隷にしようとする外国勢力を中国人民は決して許さない。妄想した者は14億人の中国人民が血と肉で築いてきた鋼の長城にぶつかり血を流すことになる」「教師づらした偉そうな説教は受け入

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厄介になる米中とのつきあい方



 アメリカのバイデン大統領は、このほど20年に及んだアフガニスタンの反政府武装テロ組織タリバンに勝利し、8月末にアメリカ軍を同地域から撤退させた。アフガニスタンは、中央アジア5ヵ国と隣接する地政学的な要衝の地に位置しているだけに撤退後に再びテロが拡大するのではないか、との懸念を持たれている。

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