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正しい言葉を使う
仕事中大事にしていることのうち、5本の指に入ることだ。
最近出会った人について、この人は仕事でもプライベートでも「チャーミングな愛称をつける」のが好きな人なのだな、と気づいたときのことから始めたい。
たとえば、その人とは場末のスナックのような雰囲気を醸しているお店の隣の飲食店でランチして、そこがおいしかったから時々行くようになったのだけど、そこのお店に行く時は「場末、行きます?」が合言葉になったり。
仕事の時中の発言でも「私が遅刻してしまったミーティング」、「成果物リストの長い方・短い方」等々。
キャッチーな印象と物事を結び付けて考えているのだろうな、と思った。
休憩中にその人とおしゃべりをするのはとても好きなのだが、業務上の会話ではその人の名詞の呼称・愛称のようなものには少し気を付けるようにしている。
以前のプロジェクトで「正しい言葉・名称で意思疎通する」ことを口酸っぱく言われて、自身もそこを怠ったときに痛い目にあっているからだ。
「成果物リストの長い方・短い方」は、厳密にいうと
長い方が「納品文書の一覧」で、
短い方が「クライアント向けのA領域の作成物リスト」だったりする。
納品文書の一覧にはお客様が独自で作成する文書は書かれないし、A領域の作成物リストはお客様向けだから主要な文書名以外は載せない。
”長い方”、”短い方”みたいな呼び方をしていると、そうしたことが部外者に伝わらないし、自分自身がそうした定義を忘れ、定義があいまいなよくわからないリストに成り下がってしまうことがある。
口に出し続けていることは本当のことになるというのは、そういう意味でも正しい。
旦那が奥さんを「ママ」と呼ぶことが嘆かれることがあるが、子供への配慮からそのような言葉を使うこともあるだろう。
でも奥様は旦那様のママではないので、子供のいないシーンですら「厳密には正しくない愛称」を使っていると、いつか本当に夫婦関係は以前と違うものになってしまうのかもしれない。
本当にそうなってしまう前に、正しい言葉を使う心がけをする方が、あとでこじれたなにかを直す羽目になるより遥かにスマートだと思う。
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