日常がグレーすぎるので色いろ試してみた
「青いメガネをかけると不眠症が治る」とかなんとか書いてある本を読んで、嘘だろうと思いつつ、ついやってしまうのが私という生き物。
どうにも神経がたかぶって、寝つきに1時間もかかるような日が続いていたとき、そんな嘘みたいな文章をふと思い出してプチプラブルーレンズ眼鏡でだらだらしていたら5分で入眠できた。
日課のランニングがいつの間にかお散歩しかできなくなったのはなぜだろうと思っていたとき、「下半身のチャクラの色は赤です」なぞとこれまた嘘くさい文面を目にした私は、翌日、赤い靴(とちゃっかり靴下)を履いて外に出ていた。
信じられないほど足が前に進んで、気がついたらスキップ&ターンで喜びの転倒、最終的にはBPM160オーバーの坂道ダッシュを繰り返す始末。
少年のように走り抜けた私は、まさに赤い風。(嗚呼筋肉痛……)
何が言いたいのかというと、「色」が自身に与える影響はとてつもないということだ。
赤は興奮、青は鎮静。
緑はやすらぎ、黄色は元気。
そんなよく言われるイメージも、まんざら嘘ではなさそう……と、私は思う。
私のようにすぐ物事に影響を受けてしまうような人間は、素直にそれを認めてしまえばいい。そして、それを逆に利用してやるのだ。
私の場合、
朝イチで赤い服をとりあえず着ていると、信じられないくらい目覚めがよくなる。
青い服を着ていると、黙る。あるいは眠くなる。
紫の服を着ると落ち着く。緑や青のそれとは違う不思議な落ち着き。
黄色の服を着ると楽しくなってくる。
緑の服は、正直にいうとまだ試していない。
白は硬くて、黒は重い。
グレーこそ黙るようになるし、ピンクは他者を意識する。
服でなくても、スマホケースとかカバンとか、腕時計のバンドとか、靴下とか、自分が普段なら絶対に選ばない「色」を身につけてみて、どう感じるのかいろいろ試してみた。
結果、明らかに心持ちに変化が出てくる。
大人になっていけばいくほど、グレーとか白とか黒とか、いわゆる「落ち着き」のある色を選びがちだけれど、狂ったようにいろいろな色を試してみると、それらは「どっちつかず」の色でもあるような気さえしてくる。
日常に彩りを。
モノクロ映画がなんかつまんないのはわかるでしょう。
感覚が過敏だとか、影響を受けやすいだとか、そういったことをネガティブに考える必要はない。
耳が良すぎるなら美しい音楽もわかるし、よく見えるから彩りが楽しい。
「すき」や「きらい」を知ることはとっても大切だ。
そして、無理に「すき」になる必要もない。
年月を重ねて「すき」になることもあるかもしれない。
暗いところに居たり、黒いものに身を包んでいれば、心も閉ざしがちになる。
クローゼットを開けると、真っ黒な冬服ばかりがびっちりでため息が出た。
春よ、おかえり。
ピンクの服を着るおっさんの気持ちがわかってきたような気がする。
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