人生で一番最悪な、クリスマスエピソード。
子ども達が幼かった頃、私は、親からとサンタさんからのプレゼントを両方用意していた。ゲーム機などの、高価な物ではないけれど。
サンタさんからのプレゼントは、枕元の置いてみたり、「あー寝る前に鍵を開けておくの忘れてた」と、玄関の外にかけておいたりと、毎年、いろいろなパターンで渡していた。
努力の甲斐あって、子ども達はサンタさんを、長い間、信じていた。
三女が、小五の頃。
そろそろ、二つずつプレゼントを用意するのも面倒に思えてきた。
子ども達と、クリスマスプレゼントの話をしていると、三女が、まだ、サンタを信じているような雰囲気を出した。
小五にもなれば、友達から真実を知らされているはずだし、それに、上二人は数年前にはサンタさんがいないことに気付いたのだから、三女も本当は知っているはず。
そう思った私は三女に
「もう小五なんやし、サンタを信じるフリをするのはやめて。いるわけないんやから」
と、言ってしまった。
その時の三女の顔はいまも忘れられない。
心からショックを受け、大泣き。
二つ用意するより、一つ、少し良い物をあげた方が良いと思ってのことだったが、子どもの純粋さを踏みにじってしまった。
上の子達から「母さん、最悪」と責めに責められ……
上の子達が黙っていても、同級生から情報が入っているはずだと思っていたのに、子ども達の間に、信じている子には信じているままにしてあげようという、暗黙の了解があるのかもしれない。
長い間、あの日のことを、繰り返し反省していた。
今は、三女も大人になっている。
先月、あの時の話になった。
「あー、あれはショックやった」と笑っていた。
「あと、サンタさんのプレゼントが、ウクレレやった時もショックやった」
「えー!! ウクレレ嬉しくなかったの? それはショック……」
十数年越しに、反撃されてしまった。