2億8千万kmの孤独

通信制高校サポート校も公立私立高も卒業式が終わりました。
今年は、保護者の参列無し、少人数に分けてなど、特に思い出に残る卒業式になりましたが、みんないろいろ乗り越えてこの日を迎えました。
生徒それぞれ、色んな思いを抱いているだろうけれど、これからが始まり。
いつでも相談しに来てね!との思いをこめました。

今年は形式上無くなりましたが、式で毎年どうもいただけないのは、卒業生の軌跡を流す映像のバックにかかる「お父さん」「お母さん」へのお礼の歌。これは結婚式向けの歌です。
全ての子達が、特にこのような通信制の学校に通うような経験をした子達は、みんなが両親共にいたり、良好な家族関係を築けているわけではありません。
家族が心の傷になっている子もいます。
共通なのは、祝うのは、一度はちょっとつまづいて踏みとどまったけれども、いろいろ乗り越えて「高校を卒業」できたことなのです。
新たな困難に向かう子もいます。
でも、本当によく頑張った!
このことは、これからの人生で大きな自信になるから、しんどい時も安心して笑って欲しいです。
とりあえず、「笑う」という行為によって、エストロゲンが出て快状態を作ることができるようなので、ゴルフやテニスのように、まずは形から入ってみてほしい(^。^)

一昨年小惑星「りゅうぐう」に到達したはやぶさ2号が予定より数ヶ月遅れて2回のタッチダウンに成功し、人工的にクレーターをつくりだすことにも成功しました。
観測結果から明らかになったことが続々と論文として発表され始めています。
5年ものひとりぼっちの長い旅と滞在。
想定外のことに対処しながら、二十億光年の孤独ならぬ、2億8千万kmの孤独のようにみえたけれど、長い長い旅路は、常に見守られていました。
そしてまた、今、多くの人に見守られながら地球への長い帰還の旅路にいます。

だから、どんなに孤独と感じていても、必ず誰かが見守ってくれている。
だから、いつもひとりじゃないことを覚えておいてほしいです。

万有引力とは
ひきあう孤独の力である
宇宙はひずんでいる
それ故みんなは求め合う
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした
(谷川俊太郎「20億光年の孤独」より)

卒業生達の、新しい船出に乾杯!

そして卒業後も、あともう少しの間、大学で必要になるであろうことを学びに来る子達にもエールを送ります。

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