劇中の魔法少女システム及びQB擬人化の原因

「魔女が生まれる直後、呪いと魂が分離することで魔法少女が人間に戻る」このシステムはまどかとキュゥべぇとの妥協の産物であった。

 ことは、ほむら が本作で最後のループを実行した時間軸に巻き戻る。

 満身創痍の ほむら の前に立つ まどか。

 ここまでは原作通りであるが まどか の願いは次のようなものだった。

『世界を私の思うように書き換えて欲しい』

 ここで まどか とキュゥべぇの間で短い沈黙が流れる。実は早々テレパシーにより無言で会話していた。会話というよりもむしろ互いの意志や想い描くイメージを交換していたらしい。

 この時、当初まどか は「魔女たちが産まれた瞬間、人間に元に戻るように」と願った。しかし、宇宙の寿命を延ばすという理由や事情があることもありキュゥべぇは簡単に納得するわけにもいかず、キュゥべぇの意志と事情はテレパシーで介していることから まどか にも伝わりまどかもこれを認めざる負えなかった。また、これと同時に、キュゥべぇたちに人間の肉体と魔法少女を援ける使命が与えられるようにした。

 これは、多くの魔法少女(ジャンヌ・ダルクなど)が窮地の中で最期を迎えていたこともあり、何とかそれらを救うためでもあった。

 キュゥべぇ はこれを まどか が自分たちに罰を与えようとしたのか(一種の報復)と考えたが、実際は 人の姿を与えたのはそうすることで彼らが人の心を理解する(感情が芽生える)と思ったからであり、またキュゥべぇに魔法少女を援ける使命を科したのは「魔法少女に寄り添う存在になってもらうため」である。

 いわば、キュゥべぇに本当の意味で「魔法少女の御供」になってもらい、彼らとの共存と和解を願った物であった。

 彼女の心のどこかに、「理想とする魔法少女その御供」の姿があったのかもしれない。

 彼女がキュゥべぇとの共存を考えたのは単なるやさしさだけではなく、人類の進化の歴史においてインキュベーターたちの存在が不可欠であったと認めざる負えなかったというのもある。

 ただし、こうした複雑に絡み合った思いや意図もあり、結果として新しく誕生した宇宙における魔法少女-魔女システムの問題やインキュベーターの自種族本位な行動基準(自分たちに従いシステムを尊重する魔法少女を援ける一方で、敵意を露にしシステムを破壊しようとする人間や魔法少女には容赦しない)や中途半端な人間性(自分の種族の存続と生存を重視するが人間は二の次)を持たせるという歪な世界を構築してしまった。

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