イリス13(マギレコ×デビル17)

本作は豪屋大介氏のライトノベル「デビル17」とのクロスオーバー。

作中に登場した、私設多国籍研究機関〈アウトフィット〉が作り出した不死身の人造人間として擬人化QB達が登場。

"Another World"と違って無数に存在するわけではなく一人一人が意思を持っており、彼らは不死身の肉体とインキュベーターとして願いを叶える能力を持ちながら様々な形で魔法少女と関わっていく。

登場人物

 I《インキュベータ―/イムペラートル》シリーズ(人型インキュベーター)

 かつて各国の諜報機関と軍の特殊部隊により壊滅した施設研究機関《アウトフィット》がD(ディクタトル)シリーズに次いで開発した人造人間。

 インキュベーターのDNAを組み込まれておりテレパシー(インキュベーターおよび魔法少女限定)や少女の願いをかなえ魔法少女の力与える能力を持つ。

 アウトフィットがD(ディクタトル)シリーズの完成寸前に、魔法少女とインキュベーターの存在を知り、それを利用すべく生み出された存在だがDNA情報を完成させた直後にアウトフィットが壊滅し世界中に散ったその残党の手で生み出された。

 もともとはディクタトル”D”の願望実現装置として生み出され、洗脳能力を持って魔法少女の素質を持つ少女を洗脳、支配しそれによってディクタトルに都合の良い願いをかなえさせ、更にそうして生まれた魔法少女による親衛隊の組織が当初のコンセプトだった。

 実際、支配エリアの《総督》としての役割を求められており”I”はIncubator”と”Imperator"(軍司令官)のダブルネーミングである。

 しかし、肝心のアウトフィットが壊滅しこの時にDシリーズも喪われたと考えられたことで、急遽コンセプトを変更してDシリーズの後継機として産み出された。

 Dシリーズの支援用に開発された者であるが、同様の用途を持つN(ノヴァ)シリーズとA(エンジェル)シリーズより1ランク上の存在。その能力はDシリーズに限りなく近く、特にヒト基動物質やナノマシンを用いた対人洗脳能力などはDシリーズとほぼ同じものを備えている。

  Dシリーズから受け継いだ能力

 身体能力も高く、魔法少女の動きに追随することが可能。

 知力記憶力共に高く、一度見た聞いたものは決して忘れず事前に勉強復讐をせずとも全国統一模試で全国ランク30位以内には入れる。

 遺伝子に冗長性もあり、Dシリーズ同様に様々な危機的状況を経て能力が進化していく。

 致命傷に至る攻撃(クレイモア対人地雷の至近爆発など)を受けても死なず傷が瞬時に回復する。

 苦痛のすべてを快楽に置き換えて堪えることが出来、自由を奪われ激しい拷問を受けても絶えることが出来る。



研究施設の人工子宮で生み出された者もいれば代理母によって生まれた者もおり、現在確認されている個体はNo13、No.9、No.7の3人。

白乃ユウ

 主人公。

 みなしごで顔を知らない遠い親戚から生活費を送ってもらい生きていた。特に取り柄もなく、背も低く運動は苦手。ミリタリーとサブカルチャーに関するオタク趣味あり。

 上記の趣味のせいもあり、同級生にバカにされることもあり、面白くない日々を過ごしていた。

(劇中の動き)

神子柴久兵衛→蛭子九兵衛

 時女静香と行動を共にする実験体No.9。

 コードはI-09。

 壊滅寸前に陥ったアウトフィットが神子柴に身柄を預け、彼女の養子として育てられる。

 実は、神子柴の下に居た舞人の一人を代理母にして生まれた。

 時女本家の娘 静香とは幼なじみ、肉体年齢は彼女より5歳年上。

 時女静香とは元々許嫁の中でお互いの関係も良好。特に、彼女に対する思いは強く、強烈な独占欲がある。静香を傷つける者は育ての親である神子柴であっても容赦しない。

 神子柴の死後は自分の正体を知り、更には巫たちを救うために神浜を目指す。

名前も改名し、神子柴久兵衛から蛭子九兵衛に改めた(異形の神と言うことから〈蛭子〉、自分が9番目に作られた個体ということで〈九兵衛〉)。

 肉体年齢は19歳。危機的な状況に陥ることで身体の湯力の強化や新しい能力に目覚める体質により、 様との戦いで重傷を負ったことで老化遺伝子が消滅。年を取らなくなる。

 Iシリーズの中では最年長のこともあり落ち着いた物腰で、常に冷静沈着。時女一族の理念に従い〈日ノ本〉のために戦うことは否定しないが内心は静香や巫の事を第一に考えており国に対する帰属意識や郷土愛はもちろん〈大義〉も無い。あくまでも静香たちの意向を尊重し彼女の示す〈大義〉に従っている。

(過去)

 キュゥべぇと人の合の子というべき外見になるはずが産まれた当時は普通の赤ん坊だったので、それから5年しても外見が変化せず神子柴から川に突き落とされる。しかし、溺れる途中で生じた恐怖とストレスから覚醒。肉体の変異が始まり、髪と肌が白くなり瞳も紅いものに変化し、更には尻尾が生え耳も獣の物になった。身体能力も強化される。

 殺したと思ったが生還した上に、姿も変わっていたのでこの時初めて神子柴は彼が普通の子供ではないという事に気付いた。神子柴は彼に名前と神子柴の姓を与え、そして彼にも少女の願いをかなえる力があったことも分かると、彼を里の〈現人神〉に据えた。

 

 

 里においては神官 神子柴の子、そして久兵衛様と人の合いの子。半神半人として崇拝の対象となる。

 

実は神子柴、自身の地位を盤石にするために将来は静香と結婚させるつもりだった(許嫁)。

 静香とは幼少期から好意を寄せ合う中であり、19歳を迎えた現在では完全に異性と認識しその思いも強く、独占欲とすらなっている。

 肝心の静香も周囲の心配を他所に悪くは思ってないらしく、「神様のお嫁さんなら光栄だわ!」とまんざらでもない様子。本人曰く最初に巫になってから一目惚れだったとのこと。

 しかし、里にやって来た少女、ちはる が新たに巫となったことで事態が一変。静香が里の真相と巫の最期に気付いたことで神子柴が予定を変え静香を謀殺しようとしたことから、里親である神子柴に不信感を抱き「自分から静香を奪おうとした」という怒りと巫の末路を知り静香と行動を共にする。その際に神子柴の屋敷に隠されていた入手経路不明の64式小銃を手に入れ悪鬼の子分(使い魔)と戦い。静香たちと共に神子柴に使役されたと魔女(この時は「悪鬼」と呼称)と対決し勝利する。

 その後、捕らえた神子柴から真相を聞き出そうとするも怒りに任せて殺害してしまう(頭を掴んで畳に叩き付けたところ卵みたいに割れた)。

 その後、神子柴の自室を捜索し自分の出生に関する資料を見つけ自分の正体を知り愕然とする。

 特に自分の能力に関する項目では、他者を支配し隷属させるためヒト基動物質により強引に相手から好意を引き出すことができることを知り。静香が自分に向けてくれている好意すら「実は作り物ではないか?」と思うようになり、自己嫌悪と罪悪感にさいなまれる。

登場人物

暁美ほむら
 この時間軸で、白乃ユウを助けたことで彼女の長い旅の運命も変わる。
 初めての「友達」となった鹿目まどか と別に彼は初めて自分を慕い、憧れてくれる人間となった。本来それらは、ループの中で巴マミや美樹さやかのような人間に向けられてきたものであるため自分がそのような立場になったことに戸惑う。
 ユウとの出会いは彼女に「まどか」以外の人間への関心を抱かせることになる。魔女から彼を助けた1週間後、彼がキュゥべぇを擬人化したような外見になったのを見て警戒。しかし、彼の中身は依然と同じ気弱な少年のままであり、彼の観察と彼がインキュベーターの力を悪用しないように彼の面倒を見ようとする。あわよくば まどか を救うために彼を利用しようとも考えるが、この頃はまだ、周囲に対しても諦観しておらず非情にもなり切れないため結局彼に世話を焼いてしまうことになる。

武器

『デビル17』とのクロスオーバーなので、劇中では様々な銃器が登場する。

 魔法少女と違い直接的な攻撃手段を持たないIシリーズの他、魔力の節約のために魔法少女たちも銃を使う場合がある。

 64式小銃

 自衛隊制式の自動小銃。陸上自衛隊ではほとんどが退役し、後方部隊でっも89式に置き換えられつつあるが海上・航空自衛隊では艦艇の自衛用や基地の防衛用に現役である。日本人の体格に合わせて反動を減らすため装薬を減装した64式普通弾を使用する。

 時女の里で育ったインキュベーター・イムペラートル I-09こと神子柴久兵衛および、旭を始めとする時女一族の巫たちが使用。

 主に自衛隊を始めとする公的機関にのみ配備されている銃であり輸出はもちろんのこと民間への販売はされていないため、神子柴がどのような経緯でこの小銃を入手したかは不明であるが、(後に神子柴のパソコンから防衛省の官僚とのやり取りが見つかったことから、廃棄予定の装備に紛れ込ませて報酬代わりに現物をもらったのではないか?と推測される)彼女が巫の願いを売る際に築いた政界財界、そして官僚とのコネクションを利用したことは明確であり、時女一族と神子柴に関わる暗部をうかがわせる。上記の通り専用弾を使用するため、銃弾の補給に難があったもののDシリーズ唯一の生き残りであるD-17こと黒江徹がひきいる人造人間たちの組織《エンジェル》と合流後は同組織のガンスミス モリガンの手によりチューンされ通常の.308(7.62mm×51)弾およびSTANGマガジンの使用が可能となる。

 MP-5SD6


 9mmパラベラム弾を使用する日本警察を含む世界各国の特殊部隊で使用されているサブマシンガンのサイレンサー標準装備モデル。 エンジェル他、マギア・ユニオン、暁美ほむら、時女一族で使用。 エンジェルの標準装備の一つだったが、より強力なMP-7およびP90への更新が行われることとなりその内余った在庫がIシリーズが傘下に置く魔法少女グループに与えられた。

 9mmパラベラム弾は〈魔女〉相手には威力不足だったものの、プロミスト・ブラッドやネオ・マギウスと言った対立する魔法少女グループ、そしてD-17=黒江徹と敵対する"NEO"や各国諜報機関の刺客との戦闘では威力を発揮。サイレンサーによって銃声を軽減されたことで魔法少女たちの市街地での戦闘を隠密に行うことに貢献した。

始まり(第1部編)

 見滝原に住む少年 赤木ユウ(13)ー見滝原中学1年生は来る日も来る日も奇妙な夢に悩まされていた。自分が見知らぬ少女と交わっている夢、ある時は銃を手に謎の怪物と戦っている夢。夢の中で自分はアルビノのような白い肌に髪、そして赤い眼。さらに、腰からは尻尾、耳は獣のようになり付け根からは触手が生えていた。

 異形の姿になった自分と、謎の少女、怪物。夢の内容をスクールカウンセラーに相談するも「思春期特有の心の乱れ」として宥められてしまう。

「本当にこれでいいのだろうか?」そう思いながらの帰り道、気付けば見知らぬ異空間にいたかと思うと、謎の怪物の群れに襲われてしまう。絶体絶命の中、凄まじいストレス下で突然頭がクリアになったかと思うと襲い来る怪物たちの攻撃を次々と躱して見せた。

 どうしてこんなに体が軽い?どうしてこんな状況で冷静に居られる?

 自分の疑問に答えが出る前に、一人の少女に助けられる。三つ編みに赤いフレームの眼鏡。おとなしそうな印象の彼女は左手に装着した小楯から銃”デザート・イーグル”を取り出すとそれで応戦し始めた。しかし、逆襲されそれを取り落としてしまう。ユウは咄嗟にそれを拾った。初めて手にしたはずなのに使い方は迷わなかった。

 それを使いダブル・タップならぬトリプル・タップで怪物の親玉の弱点を正確に狙いこれを倒して見せた。

 怪物がユウの銃撃によって消え、やがて周囲の景観が元に戻り始めると、自分を助けてくれた少女の姿も元に戻っていた。

 二つのおさげを紫のリボンで止めて、赤いフレームの眼鏡をかけた少女は自分の通う見滝原中学の制服を着た女子生徒。

「あなた!大丈夫?怪我は無い?」

駆け寄ってきた彼女はたどたどしい口調で名乗った。

「わ、私は暁美ほむら.....。あなたと同じ見滝原中学校の2年生です。魔法少女をしています。ク、クラスのみんなには内緒だよ!」


 衝撃的な出会いから翌日。登校したユウは、休み時間を利用して ほむら の教室を訪ねた。改めてお礼を言いたいという理由を自分にこぎつけてきたものの、本当はただ彼女んじ合いたかっただけだった。それが非常識だと分かっていても。

 少子高齢化の進む現在、学校の教室の定員など小中高を問わず、30人前後である。そんなところに入ればいやでも目立つ。

 しかし、教室の先輩たちは彼を無視してすぐに自分もしくは自分たちのことに戻ってしまった。たまに「あれ、他の学園の子だよね....」「1年生かな?」といった小声が散らほちらほら聞こえるだけだった。

 2,3人程度のグループで、昨日見たドラマや動画配信サイトの動画、ブラウザゲームなど他愛のないことを厚く語り合っていた。

 一人の者は自習をしていたり、読書や中には担任に預けなかったのかスマートフォンを片手に親指を動かしている者がいた。

 それほど広くない教室で、ほむらはすぐに見つかった。

 彼女は机に座りノートに何かを書いていた。彼女がペンを走らせているノートの隣にもう一冊別のノートがあった。写しているらしい。

 彼女の机にはもう一人女子生徒が手をついていた。背丈は自分と同じくらいで、髪は暁美先輩よりも短いが左右を紅いリボンでくくっている。もう一冊のノートの持ち主なのだろうか?二人とも集中しているらしく、入ってきた自分に気付いていない様子だった。

 声を掛けたら迷惑かな?と、一瞬思ったが彼女に声をかけたいという欲求の方が勝った。

「暁美先輩!!」

彼女は気づいて顔を上げた。もう一人の生徒も気づいたようだ。

ほむらは立ち上がった。

「あ!昨日のっ」

まどか「知り合い?」

ほむら「うん、昨日.....助けたの」

この時は知る由もなかったが、途切れたところで「魔女から」と魔法少女の能力の一つであるテレパシーで話していたらしい。

まどか「そうなんだ!」

この人、暁美先輩の事情を知ってるんだろうか?


暁美先輩と一緒にいた まどか先輩(なぜか彼女だけは名前で呼んだ) も魔法少女だったと知ったその放課後、帰宅途中に不良によるある犯罪現場を目撃してしまったユウ。逃げようとしたものの捕まってしまう。


(杏子と遭遇)

「ほむら先輩、時間を止めて!」

「え!?は、はい!!」

ほむらは盾に手を突っ込んだ/盾に仕込まれた無数の歯車が逆回転/砂時計が反転/同時に彼女の周囲の世界が動画の「一時停止」のような状態に。

逃げようとした使い魔/目の前に現れた赤い魔法少女=佐倉杏子/彼女と対峙する さやか/弓を握りしめて心配そうに様子を見ている まどか/自分に時間を止めるように言ったユウも険しい表情のまま止まった。



 


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