イリス13 下書き
プロローグ(またはデビル17こと黒江徹とその周囲について)
20世紀末期、各国の優秀な研究者を集めた施設超国家研究機関〈アウトフィット〉は冷戦終結後の混沌とした世界情勢を予測し、人類を導き統治する新人類を生み出した。
開発コード〈ディクタトール〉通称「Dシリーズ」。
遺伝子工学を始めとするバイオテクノロジーの粋を集めあらゆる制約や倫理的な制限を取り払って行われた研究と実験によりアウトフィットは、ついに完成にこぎつける。
不老不死にして常人の5倍の身体能力と人間を遥かに上回る知能、ヒト基動性物質を用いた対人洗脳能力を持つ超人。
さらに、これを支援するための個体として男女二組の人造人間、NovaシリーズとAngelシリーズを生み出した。
しかし、この計画は西側諸国とすでに崩壊間際だったソ連を中心とする東側の情報機関及び軍部に察知され、その本部及び主要研究施設は特殊部隊の攻撃を受け壊滅。
ノヴァとエンジェルは散り散りになってしまい、当時まだ胎児の状態だったDシリーズの完成体。D-17も失われたかに思われた。
研究員の一人だった女性が彼の代理母となり、子宮に匿って逃げ延びたのだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?