さやか との契約
さやか「そんな体になっちゃうのはいやだなぁ」
QB
「よく言われるよ。君たち人間はそうやって魂の在り方に拘る。つくづく厄介な感性だ」
「だって、それじゃあゾンビじゃん!生きた屍じゃん!!そんな体になったら恭介に会えないよ!!!」
さやか の言葉は最後のあたり泣きが入っていた。どうやら自分でまくし立てる内に、いろいろ想像してしまったらしい。
「そんなに嫌なら無理強いはしない。ただ、彼の腕を治したいなら僕と契約するのが確実だ」
それに、とキュゥべぇは付け加えた。
「君が魔法少女になる事でその少年と交際できなくなる、というのは僕らの感覚としては理解できないが少なくとも僕が知る限り、魔法少女でも結婚したり子供を産んだ事例は少なくないよ」
病院屋上
「契約すると言う事は説明した通り命をかけると言う事だ、文字通りね。それによって君の肉体から魂は引き抜かれ、ソウルジェムとなり君は戦いの運命を背負うことになる。それでいいのかな?」
「うん」
さやか は頷いた。その眼差しに迷い無し、
「では契約成立だ。美樹さやか、君の願いを叶えよう」そう言ってキュゥべぇは触手を彼女の胸に伸ばした。本能的に何をしようとしているか悟った さやか は覚悟を決めて目を閉じた。しかし、
「待て」キュゥべぇは途中で止めた。
目を開けると、こんどはキュゥべぇが真っ直ぐこちらを見据えて問いかけた。
「あくまで僕がする事は願いを叶えるだけだ、契約後、魔女との戦闘においてサポートはするが君が叶えたい願いが一体どのような結末をたどるかについては僕たちは一切感知しない。それでいいかね?」
「後悔なんてあるわけないよ!」
「経験から言わせてもらえば、その願いが結局めぐりめぐって不幸な結末として帰ってきた前例は枚挙に暇がない」
「そんなことない!私は恭介が弾くバイオリンが好きなんだ!バイオリンを弾いて、生き生きしてる恭介が好きなんだ!もう見たく無いんだよ!病室で自棄になって泣いてる恭介なんて!」
内心さやか は苛立っていた。
何なのコイツ?散々この前はせかしたと思ったら、今度はじらすような事言ってきて.......。