Windyアプリの MSM 対応と週末のコンディション展望
関東最北部のグランボレ中心の視点でみた、今週末のパラグライダーのフライトコンディション大局予想。
期間: 2024/06/08sat-2024/06/09sun
グランボレ所在地: 群馬県利根郡沼田市・みなかみ町
の前に、気象関連のニュースを~
Windy アプリが MSM に対応
朝起きておもむろに「Windy」のアプリを立ち上げたところ、Web 版につづいてアプリも気象庁のメソモデル予測モデル「MSM」に対応をしていました。
アップデートやリリースが安定しており流石の空の民はみなダイスキ「Windy」、スマホでみやすくなり素晴らしい〜!
友人の妖怪さんによると、Windy の創始者イヴォ・ルカチョヴィッチさんは、自身がパラグライダーをやってるIT系資産家で、下記で経緯が読めるとのこと。
Meteoblue に触発されたんだって。へぇぇ~。足尾界隈の方(というかソラピ関係者様)で、Meteoblue を使っている方を数名存じ上げているし、ソアリングフォーキャストや XC プランナーや、GPS バリオ等との連携機能で名前を見るもののやや難解でとっつきにくく Meteoblue には触手を伸ばしませんでしたが、そうなんですね。
あ、Windy はチェコ企業の運営で、英語ならまだしも、このサイトはチェコ語で書かれているので、もちろんブラウザ翻訳で読んでます。嘘、ちょっとカッコつけました。英語であってもブラウザ翻訳です。。。
妖怪さんによると「旧東側は壁が崩壊後、初期投資が少ないIT系(要するにプログラム:XCTrackも)開発者が多く、特にチェコは歴史的に工業国家でもあったという背景もある。」ということです。
Linux のリーナス・トーバルズさん(フィンランド)しかり IT 産業でも北欧や東欧出身の秀でた開発者が活躍をしていますが、「ソフト制作は、いわゆる納屋でPC一つで始められ、途上国の優秀な若者が競っています」(東欧を「途上国」と言っている訳ではなく、世界的な傾向として言っています)ということで、優秀な人材を輩出してソフトウェア産業に従事する立地的な素養があるのですね。
最近、6月後半の梅雨時期にアヌシーで XC フライトをする準備の一環で、日本で業務ルーティンとして行っている高層天気図に目を通してのソアリングコンディションの予測をする行為を「欧州でフライトする際にも同様におこなえないか?」ということで、欧州の高層天気図を入手できないかと調べており、ECMWF(ヨーロッパ中期気象予報センター)のサイトにたどり着いたところ、公的機関ににもかかわらず、数値予測アニメーションの充実ぶりにビックリしてしまいました。
ECMWF が公開する「Chart(チャート)」というサービスを見ると、日本のアウトドアスポーツ愛好家の間では著名な SCW や GPV どころではない、多種多様な数値予測アニメーションをみることができます。
500hPa 高度・過度解析図や、700hPa上昇流解析図等のおなじみの高層天気図を日時をスライドさせてアニメーション表示できるのみでなく、フライヤーには嬉しい 850hPa、700hPa、500hPa、300hPa、200hPa 各気圧高度での風向風速と温度や上層・中層・下層に分けて一見表示する雲量や、変わったところだと衛星写真の数値予測アニメーションを見ることができます。
日本の気象情報では、気象予報士さんが、各予想高層天気図を解釈しやすいようにオーバーレイ表示に自力で細工して、Twitter で公開している例をしばしば目にします。それらは、高層天気図の読み方を齧った素人が気象情報を咀嚼するにはとても有用な情報なのです。ECMWF の「Chart」には、そのようなオーバーレイ表示についても多種多様な既定の図があり、そのまま見ることができます。
しかも、それらのアニメーションはロケーションで「Eastern Asia」を選択すれば、ECMWF の全球予測モデルでの日本付近の数値予測アニメーションを見ることができます。また、アカウント登録をして「Dashborad」機能を使うと、自分が定期的にみる「Chart」のみをダッシュボードに張り付けて保存し、多種多様な「Chart」のなかから見やすく使うことができます。
気象庁の旧態依然とした白黒静止画のみの限られた高層天気図の公開とは大違いです…
まあ、気象庁の白黒の図は、これで読みやすさがあったり、自作でオーバーレイさせた画像からアニメーションを作成したり解説を文字で入れてくれる気象予報士さんの情報が、私をふくめ気象情報を解析する力が乏しい生半可な知識しか持たない素人に極めて有用な情報源であることに変わりませんけど。
経験上、オーストラリア政府の気象局が公開する、オーストラリアの数値予測アニメーションも洗礼されており、使いやすいです。
Interactive Weather and Wave Forecast Maps
ソアリングフォーキャストでよく使われる気象予測モデルで GFS の NOAA(アメリカ海洋大気庁)が本家サイトで公開する数値予測アニメーションは30年前のウェブサイトのような作りで極めて見ずらく(地域も北米だけ)、iCON の DWD(ドイツ気象庁)は数値予測アニメーション自体を公開していません。
国によって違いがあり、これをもって一気象庁がイケてないとは一概に言えませんので、あしからずです。
とはいえ、欧州のソフトウェア技術力恐るべし!
そして、ECMWF の数値予測アニメーションは色づかいまで洗礼されているように感じるのは、私だけではないような気がします。
今週末の大局コンディション予想(2024/06/08sat-2024/06/09sun)
ということで、今週末(2024/06/08sat-2024/06/09sun)の大局コンディション予想。
週末の土・日両日ともフライト可能です。
週明け当初の予報にあった、6/6頃九州上空で顕在化する(切離?)低気圧の東進がはやまり、6/8(土)朝には関東の南東に抜けて不明瞭化する予報となっています。
このため、当初 6/9(日)に期待されていた、関東の南東に抜けた弱い上空の低気圧が引き込む寒気移流で気温減率が良い大気が 6/8(土)に期待される予報となり、6/9(日)は次の気圧の谷が巻き込む暖気の影響で雲量が多くなる予報へと変わりました。
土日とも予想モデルによる予報のブレがある程度落ち着いてきており、ザックリ、大陸側の北西から接近する次の気圧の谷が巻き込む暖気の影響で上層の雲が張り出すのが 6/8(土)の何時頃どこまでとなるかに差異があるといった感になりつつあります。
なお、本予想のお取り扱いについては、こちらに記載した事項にご注意ください。
O 6/8(土)
GV では、トライアングル XC ができるソアラブルなコンディションに期待です。気になるのは、大陸側の北西から接近する次の気圧の谷の影響で張り出す雲の影響ですが、気象モデルによりやや異なるものの、いまの予報では概ねお昼頃からで、いずれのモデルでも上層雲と下層雲に限定されそうなので、日中ある程度以上の日射が期待でき、サーマルトップに期待してよいかと思います。
お手元に skew-t アプリがあり当日の GV の数値予測のプロットを確認できれば、上層で露点温度線と気温線が接するグラフ表示から、上層雲の発生と厚みの予測状況は確認いただけます。下層雲は積雲性の雲なので、全面に張り出す予報でない限りあまり気にしなくて大丈夫です。(気になる方は LCC を求めて推測をしてください)
なお、移動性高気圧の後縁を回り込み暖湿気が関東の西側を周り北側まで入る予報のため、この影響が大きくでると、現在のソアリングフォーキャストの予測とは全くくとなる期待ほどのコンディションとならない可能性があります。
また、一部大気が不安定になりすぎる予想もありますので、積乱雲と局地的な降雨には感度高めでお願いいたします。
日中ややエキスパート向けのコンディションかもしれませんが、朝と雲が張り切ってからの夕方はマイルド志向な方も楽しめるかと思います。
O 6/9(日)
雲量が多くなり、現状のソアリングフォーキャストほどサーマルトップが上がらない感覚ではありますが、一応下記に参考値としてスクリーンショットを貼っておきます。予想の結論は今しばらく待ちたくお願いいたします。
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