見出し画像

少年隊プレゾン『5night's』を観た

お詫び:最後の文学フリマ東京39の配置図に誤りがありました!!すでに読んで下さった方、申し訳ありません。
修正して再びあげますので、もう少々お待ちください。

最初に

 私は東山紀之さんの後追いファンとして、【少年隊プレゾンほぼ全部観る】という目標の下、日々を過ごしております。「ほぼ」なのは、映像化していない年があるからです。それは残念ですがプレゾンBOXが手元にあるので、いつか、自分の感想をすべて残したいと思っています。
 鑑賞の順番は前後しますが、しっかりと文章に起こしたのは、『5night's』が最初。
 文学フリマ東京39で出す、アイドル評論新刊の試し読みも兼ねているので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです。

『5night's』感想文

 この作品は、オタク大好き、少年隊がバンパイアの設定!
 また、「若様」、王子のカッちゃんが中心の物語。家来のニッキヒガシと共に、人間界ニューヨークでカッちゃんの花嫁さがしをします。カッちゃんの母上には家を継いでほしいと迫られますが、5日間、満月の晩まで、3人で人間界を旅する。だから「5night's」なんですね。
 (ちなみに、この作品では「若様」以外の少年隊は下の名前で呼ばれていますが、便宜上、トニセン含むリアル愛称で書かせていただきます)
 この物語でもうひとつの軸になるのは、オカルト研究部のトニセン3人。偶然、バンパイアが写真に写らない証拠を見つけ、少年隊に近づくことを決めます。

 ストーリーには、少年隊3人が得意なことが披露される場面があります。
 ニッキはジャグリング。群衆の若者を魅了します。
 ヒガシは美術館巡り中、女性と恋に落ち、その様子がペアダンスで表されます。
 三者三様の恋物語が広がるあいだに、カッちゃんの歌声の披露がダントツで多い! 甘い歌声で恋模様が歌われ、該当担は嬉しいでしょうね。実際、私はRHYTHM鑑賞後にこの作品を観ましたが、カ虐(カッちゃんいじられの略)が多かった前者に比べて、心が軽く鑑賞できる感じ……。当時のおたくって、カ虐についてどう思っていたんでしょう。気になります。ちなみに私は、「いじり」のコミュニケーションが、あまり好きではない。悲しいから。

 ストーリーの話に戻ります。
 ニッキは、ジャグリング中に不良とけんかを起こし、それをもう一度トニセンに撮られます。やっぱり、写真に写っていない!
 ここで、出演者の片想い模様に踏み込んで紹介します。
 長野くん(ウィリー)は【シンディ】という女性に恋しています。相手には全く気づかれていない。ニッキとシンディは惹かれ合い、長野くんより一歩リード。
 カッちゃんは、イノッチ(ロバート)の母親【マーサ】を好きになります。
 トニセンは、少年隊の秘密を暴くために、長野くんのバースデーパーティーに少年隊を呼んだりします。
 やはり中心になるのは、カッちゃんの恋愛。マーサとの食事の場で勢いで告白するも、「からかっているのね!」と逆上されてしまいます。でも、改めて2回目に会うことを誘うと、マーサは承諾してくれます。
 一方、トニセンはニッキにさらに近づきます。バンパイアではないか試すために、にんにく責めをしたり、強い日光に当てるも、ニッキは全く弱りません。
 あ、大事なことを書き忘れていました。少年隊3人のエネルギー源は「若い女性の生気」! そのため女性を求める……。こんな疑似恋愛的おいしい設定。実際、客降りで若い女性を探したりします。
 ここまでで、トニセンでひとり影が薄い人物、坂本くん(ジェームス)に次はスポットライトが当たります。なんと坂本くんもシンディに惹かれている。ニッキ、長野くん、そして坂本くんに好かれているシンディ大人気。
 ヒガシが坂本くんの部屋に突然現れ、恋のアドバイスを告げます。どうして坂本くんの気持ちを見透かしたのだろう。ヒガシは恋愛に興味がないリアリストらしい台詞がありますが、一方で女性に本気になったり(前述のペアダンス)、物語的にぶれがあるキャラクターだなと……。
 坂本くんは「シンディは妹のようなもの」とごまかしますが、ヒガシは坂本くんに「シンディはカズキヨ(ニッキ)にくれてやれ」等、辛辣な意見を。なんかここらへん、やっぱりヒガシの台詞に矛盾があるのですが、坂本くんに「思ってるのになにもしないのは、思ってないのと同じ」と教えます。疑問はおいといて、台詞としては背中を押すような良い言葉ですね。
 次の場面は、少年隊がバンパイアとして生きる裏話みたいなもの。どうやら、ニッキはバンパイアに生まれ変わったとき、絶望したらしいです。どうしてバンパイアになったの? バンパイアになるにはどんな条件があるの? 詳しい描写はありませんでした。 知りたいー! ヒガシはバンパイア歴「300年ちょっと」。「いまの生活をもっと楽しめ」等、自分を肯定しているようです。ほんとに、過去を知りたすぎる。

 ここで、なんと長野くんが少年隊の滞在中のホテルの部屋に途中してきて、「シンディはどこだ!」と、ピストルの引き金を引く……! ごRANSHIN! 笑い事ではない! ホテルマンにもばれてるし。
 そんな騒動はストーリー上、無視されて(?)物語は難なく進み、カッちゃんとマーサの、教会での逢瀬です。カッちゃんは、マーサに「僕たちは人間ではない……バンパイアだ!」と大告白。ここで、バックダンサーの白いファンタジー生物が行き交う中でニッキヒガシがフライング。カッちゃんは「NIGHT WING」をメインボーカルで熱唱です。ここ、すごく良かった! 幻想的で俗世とはかけ離れていて、バンパイアが人間界に迫る場面でした。
 マーサは、「私やっぱり(イノッチの)母親なの」と、カッちゃんの告白を断りました。
 ニッキも両想いのシンディに「幸せになりなさい」と別れを告げる。
 イノッチは、ニッキに「なぜ自分たちを恐れない」と尋ねられ、「たまたま僕が人間で、あなたたちがバンパイアだった」と、3人の存在を肯定します。ここ、わりと深い台詞だと思っていて、もし少年隊3人がほんとうに人間だったら、また違う結末だったのか。でも、そもそも、100年単位で生きてきた3人が、人生の一部分で愛する人に会えたことが幸運なのか……。考え込んでしまいます。ニッキの「想い続けていれば、いつかは本物になる」という台詞も、恋が成就する未来を例えているような。前述のヒガシの台詞とちょっとリンクしますね。
 少年隊が去ったあと、トニセンが「1998年夏、俺の人生を変えた5日間」と良い感じに締めます。長野くんの人生は大丈夫だったのだろうか。それはさておき、トニセンの夏の思い出になって、よかったね。
   
 ここからは、後日談。もとの世界に戻った少年隊は、旅を振り返ります。ヒガシは相変わらず、「人間なんかに惑わされてはいけない」と、強い姿勢。しかし人間の女性に恋をしたこと、その女性が他のひとと手をつないで歩いているのが、いまいる場所から見えてあわてるのをいじられる。かわいい。ヒガシは比較的ストーリー上で影が薄かったので、お笑いで昇華されて助かる。
 カッちゃんは母上(声の出演)に「婚約式ですよ!」と迫られるも、「もう少し人間界を旅する!」ニッキも「若様そりゃいいや!」と3人でフライング。母上の「勘当でーす!」でオチ。ノリが平成でいいですね。
 
 本編後のショータイムは約20分。あれだけ劇に入り込んで、また歌って踊る時間があるのがすごい。ラストの「愛と沈黙」の間奏が美しく、印象的でした。

まとめ・文学フリマ東京39のお知らせ

 カッちゃんメインのお話が現在鑑賞済みのなかで新鮮だったこと、いじりがストーリーに影響なかったこと含め、おのおのの恋愛劇が大変素敵でした。ニッキとシンディが初対面でお互いピンときて惹かれ合ったのも、カッちゃんの紆余曲折ある恋愛と対照的でした。そしてヒガシはどんまい。
 もっとプレゾンを観るぞー!

 そして、お知らせ。
 私は2024/12/1(日)に東京ビッグサイトで開催される【文学フリマ東京39】に芸能アイドル評論ブースで出ます!
 サークル名【花とダイヤ】、ブース番号は【I(アイ)-57】です。
 今回の文章も収録した、『少年隊プレゾンほぼ全部観る』をテーマにした本を頒布する予定です。ヒガ担のゲストさん2名もいらっしゃいます!

 私のブースでは、他にも、前々回の文学フリマで出したヒガ担として旧ジャニーズ問題を追った本『かつての花』、メイドカフェでスタエンオタクのメイドさんとの交流などを記録した『アキバに帰る』を置いています。
 ぜひ興味を持っていただけたら、嬉しいです。
 よろしくお願いします!