シベリア帰りのおっさんの話し(3)



 僕の小さい時、シベリア帰りの山崎努みたいなコワモテの顔のおっさんがピンクのマフラーをして家に来た。後でその叔父は色盲で、自分ではそれを灰色と思って買ってカッコよく首に巻いていたが、みんなから揶揄われていつもの偉そうな態度が少しはマシになったようにかんじた。
 店の人も言ってあげれば良いのに、なんせコワモテで身体も態度もデカく言えなかったよう。帰国してから企業し中国の人に恩返しのつもりでよく世話をしていたし(中国語は出来る)特に貧しかった当時の中国人が日本に来た時よく世話をしていたので、後になってたびたび中国に招待されて行っていた。お土産に山水画や漢文の書を貰って帰って来ていたが、白、黒の物ばかり頂いていたのは色盲だったためか今となってはわからない。

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