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長野県民、長野市を観光する


事前〜往路

旅のきっかけ(長い前置き)

例年、年末年始は夫と義実家に滞在しているが、今回は別行動をし、私だけ長野県にある自分の実家に帰省することにした。
地元にはちょくちょく帰っているのだが、冬の帰省は恐らく7〜8年ぶりくらいだ。
名古屋と義実家(瀬戸内海の島🏝️)の気候に甘やかされ、 育った地の厳しい冬を忘れかけている自分に危機感を抱いたのだ。

別に身体が「冬」を忘れても、寒くないところで暮らしてさえいれば、生活する上で問題はない。
それでも、生命の危機を覚えるくらいの「刺すような寒さ」が私の精神世界や思考を育む大きな要素であったことは間違いなく、身体がそれを忘れることに自己同一性の危機に近いものを覚えた。

せっかくなので、ただ地元に帰るだけではなく、県内で訪れたことがない土地の観光もついでにしようと思い立った。
真っ先に思い浮かんだのが「長野市」だ。
修学旅行か何かで善光寺に行った記憶はあるが、自分の意志で「観光」をしたことはない。

長野県民なのに、と思われるかもしれないが、考えてみてほしい。
自分の住む県の県庁所在地に、わざわざ観光で訪れることはそうそう無い。
そして長野県はやたら広い。
北海道先輩・岩手・福島に次ぎ、全国第4位の面積を誇っている。
長野市がある県北部と、私が育った県南部とでは、気候も文化も土地的帰属意識も異なる。
同じ県だが「あそこは“よそさん“なんで…」という感じだ。

ひとまず善光寺に行くことにする。
牛に引かれて善光寺、私も引かれてみようじゃないか。
意図的に、下調べはあまりせずに行くことにした。
どうせ国内、しかも長野県内だ。

折しも、豊田市美術館を設計した建築家・谷口吉生氏が12月に死去し、そのニュースから、長野県立美術館の「東山魁夷館」が同じく谷口氏設計によるものだと知った。
このため、県立美術館は訪れたく思い、開館スケジュールだけは事前に確認したが、あいにく年末年始は休館だった。

旅の準備

いかんせん地元の寒さを忘れているため、どんな服装をしていけば良いのかわからない。
ひとまず頭皮を保護する「帽子」は必要だろうと考え、数週間前から物色をしていた。

学生時代は帽子は好きなアイテムの一つだったのだが、顔が変わったせいか「似合う」の美意識が鋭敏化したせいか、似合う冬もの帽子がなかなか見つからない。
一旦、オンセブンデイズの耳当て付きキャップで手を打った。

冬装備だ

しかしその一週間後、偶然訪れたAZULで、もっと似合うラメ入りファーベレー帽を見つけ、即買いした。

✨きらきら✨

これはとても気に入り、旅の前から通勤にも使っている。

旅コーデ

前述した通り、どこまで防寒対策をしていけば良いかわからないため、とりあえず「制服化」したこの冬のコーデをベースに、手持ちの「暖かいアウター」を全て重ねていくことにした。

  • AZULの帽子

  • マホロオギノのコート

  • ワークマンのフード付き長袖フリース

  • 薔薇柄ベロアブルゾン

  • バーバリーのスカーフ

  • タートルネックニット

  • キャミサロペット(これは春夏物)

  • 極暖インナー+貼るホッカイロ

  • 通常インナー

  • 裏起毛レギンス

  • 靴下(これは普通のもの)

  • かねまつのブーツ

特急しなの

名古屋から長野はJR東海の特急「ワイドビューしなの」で直通で行ける。
中津川を過ぎた辺りから山間の寒々しい風景が拡がりはじめ、木曽福島の辺りはすっかり雪景色だった。

白い…
白い!

これだよこれ、これで私は育ったんだよ、と、精神がシャキッと明瞭な輪郭を取り戻すのを感じながら、記念に車窓の風景を撮った。
ワイドビューしなのはその名の通り、窓が広く大きく作られていて、景観が見やすい。

夫に画像を送ったら「トンネルを抜けなくても…」とだけ返ってきた。
じゃかあしいわ。

長野駅着

駅ビルMIDORI

出発前に用意していた手袋を忘れてきたことに、車中で気づいた。
名古屋ではハンドウォーマーで事足りているが、恐らく長野の気温では、指がきちんと覆われた「手袋」でないと、指がかじかむ。
私が長野駅に着いてはじめにしたのは、商業施設での手袋探しだった。
リアル「手ぶくろを買いに」である🦊🧤

最初に訪れたのは、改札から直結している駅ビルMIDORI。
比較的若い層をターゲットにした低価格のブランドが多く入っている。
雰囲気としてはPARCOをイメージしてほしい。

アルクマちゃんのフォトスポット!!!📸📸📸

店頭にディスプレイされる商品やマネキンのスタイリングも、当然のことながら名古屋より「重装備」で、ボリュームのあるアウターや、雪雨に特化したブーツなどが目に入りやすく陳列されている。
肝心の手袋はといえば、既に冬本番で、お手頃な価格帯のショップでは既に売り切れていた。

長野市観光情報センター

半ば諦めて、動き始めることにした。
善光寺への行き方と、スーツケースを預ける手段を訊くため、駅内にある観光案内所(長野市観光情報センター)を訪れる。

長野駅から善光寺は徒歩30分程度、バスなら10分程度で190円。
門前を観光したりランチを食べたりしたいと伝えると、一つ手前の「花の小路」で降りるコースを提案された。そこだとバス代が160円らしい。

コインロッカーの場所を案内してもらい、空きがなかったらしなの鉄道の窓口で1日500円で預けられる、という情報を得る。ありがたい。

ながの東急

幸いコインロッカーに空きがあり、スーツケースを預けることができた。
思ったほど寒さが厳しくなかったため、ワークマンのフリースはロッカーに入れて置いていく。
スワンバッグを手に、バスターミナルに向かう。私のスワンバッグは日本で一番(もしかしたら世界で一番)過酷なお出かけに付き合わされている個体だと思う。
天気予報は終日雪だったが、このタイミングではほぼ止んでおり、ちらちら舞っているだけだった。

ふと、百貨店が目に入った。ながの東急だ。
なぜ長野で東急!? という感じだが、ローカル百貨店に東急が資本参加したらしい。へ〜。

おらが長野県の百貨店を見ておきたい好奇心があり、善光寺に行く前に冷やかしていくことにした。
1階の婦人小物売り場に入ると、手袋がワゴンセールで投げ売りされているのが目に入った。
そうか、百貨店という手があった!!!

さっそく惹かれる色合いのものをいくつか手に取り、鏡の前で合わせてみる。
ランバンオンブルーの鮮やかな赤のものが圧倒的に全身の印象が華やぎ、その場で購入した。2500円。
真っ赤なアイテムはいずれ欲しいなと思っていて、マフラーなど検討していたが、思わぬ形で手に入れることになった。

おりぼんが可愛い🎀
曇天を突き抜ける鮮やかさ

善光寺へ

バスで門前エリアに向かう。
長野駅から善光寺まではゆるやかな登り坂が続く。
道の途中に1998年長野オリンピックの痕跡がそこかしこにある。

ランチ:門前そば 藤木庵

善光寺最寄りのバス停の一つ手前、花の小路で降り、ランチの店を物色する。
Googleや食べログのレビューを見、門前そば 藤木庵に決めた。

蕎麦好きの夫のために、お品書きなどの画像を撮って送る。
店おすすめの「ごくらく蕎麦」にした。
通常のつゆと、とろろつゆ、くるみつゆの三種で楽しめる。
ものすごく美味しい!!! しかも並盛りで満腹になるくらいボリュームがある。
バクバク食べてしまった。
蕎麦茶も香ばしくて美味しい。
蕎麦湯でつゆを飲み干した。

門前通り

藤木庵を出ると、雪が本降りになっていた。
バッグから折り畳み傘を出し、差す。
買ったばかりの手袋をはめる。頼もしい温かさ。
重い曇天と雨混じりの重い雪。私の地元とずいぶん違う。

景観配慮されたスタバ

参拝

めっちゃ雪

雪の中、傘を差したまま頑張って自撮りしようとしている夫婦と、門の下で逆光と格闘しながら自撮りしようとしている夫婦とがいて、声を掛けて両方のシャッター係をさせてもらった。思い出に貢献できていると良い。
若いカップルは上手く撮れないことすら楽しそうだったので放っておいた。

線香の煙を浴び、本堂でお参りを済ませ、自分と友人用にお土産を買う。
境内にBEAMSがあり、覗いてみた。
えらくシュッとしたデザインの善光寺土産が売られている。
後から調べたら、地域共創型の出店プロジェクトなのだそうだ。
お守りなどの授与所も同じ建物内に併設されており、きらきらとまばゆかったし、屋内なので働く巫女さんたちも快適そうだった。

しゃれおつ

お茶:信州里の菓工房

道すがら目をつけていた、信州里の菓工房のイートインで「できたてモンブラン」を食べる。
モンブラン好きの夫に見せつけるため、これも画像を送る。
モンブランはかなり大きめ、栗ペーストたっぷりで、最後はコーヒーが足りなくなるくらいだった。
ろくに下調べをせずに来た割には、充実感のあるプチトリップになったな、と振り返りながら食べる。

注文を受けてから栗ペーストを絞って作ってくれるモンブラン🌰 大ボリュームでリアルに「山」🏔️

帰路

長野駅まではバスで戻った。

地元に帰る電車の発車時刻まで1時間程度あったため、この間にMIDORIをもう一周冷やかしてから、2階のお土産フロアで自分と夫、友人へのお土産を買った。
初めての土地でテンションが上がり、善光寺で5000円程、駅で10000円程、総額15000円ほどお土産を買い込んでしまった。買いすぎ。

長野駅から私の地元までの区間に、タイミングが良い特急電車が無かったため、普通電車で2時間掛けてまったり帰ることにした。
往路に乗った特急しなのは、名古屋からの乗客がほとんどだったし、気密性も高いので薄着の人も多くいたが、帰路の普通電車は流石に皆、モコモコのアウターを着込んでいた。
私もワークマンのフリースをマホロオギノのコートの下に着、丸っこいシルエットで帰った。

途中、停車時間があった姨捨駅の風景が真っ白で、思わず画像を撮ってしまったので残しておく。

おまけ:ご土地マンホール

出先でご当地のマンホールを撮影するのが趣味です。

りんごが可愛いね🍎
頼もしいね
冬季五輪だね、ボロッボロだね!
FEEL NAGANO…
りんごの彩色無しバージョン。歩道は彩色ありで車道は無しなのかな。

おわりに

関東や関西に行くときは現地のお友だちとお会いしたりするんですが、そういった予定がない「一人旅」は久しぶりだったので新鮮でした。
服に関して言えば、寒冷地に戻るとどうしても衣類に求めるものが「実用性」に寄るね。極端な話、したいファッションをするために住む場所を選ぶというのも「あり」なのかもしれない。

また何か折を作ってどこか行きたいな。日帰りじゃなくて泊まりでも良いね。
今度はご当地の美術館も訪れたいな。

ご高覧ありがとうございました。

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