希う
いつだって感情を揺さぶってくる人だった。嬉しいも楽しいも、悔しいも悲しいも、辛いも苦しいも。そんなあなたは、自分の意思で希望を胸に新しい道に進むことを決めた。
あなたが私たちの前で笑うことができなくなった期間、私にはただ祈ることしかできなくて、想うことしかできなくて、太陽のような明るさだと思っていたあなたの笑顔がそうじゃないと気づいた時にはもう手遅れになりそうだった。戻ってきてくれたアンダラ福岡と数曲のみの参加だった東京ドームを経て休業することになった時には、もうこれでお別れなのかもしれないと何度も何度も後悔した。何かできることはなかったのか、ひとつでも何か変わっていればこんな未来はなかったんじゃないか、って。だから復帰してからの時間はボーナスステージみたいなもので、神様が「もう後悔するんじゃないよ」って私たちに時間をくれたんだと思う。
あなたは常に明るい太陽じゃなくて、明るくなることも暗くなることもできる月みたいな人だった。明るさで照らすことも、暗さで寄り添うこともできる、誰よりも人間くさい人だった。救わなきゃと思っていたあなたに何度も何度も救われてしまった。ここ1.2年は特にそうだったと思う。寄り添ってくれた、手を引いてくれた、振り返って名前を呼んでくれた、手を差し伸べてくれた、そして今、あなたは「着いてこい」と言わんばかりにその背中を私に見せてくれてる。
神様が後悔しないためにくれた時間のなかに私の後悔はひとつもない。今この瞬間にお別れになっても、ああすればよかったとかこうすればよかったとか思うことは全くない。そういう時間を一緒に過ごしてきたつもりだから。
希う。
奇跡を。
希望の方角へ向かうあなたの幸せを。
めいっぱいのありがとうを込めて。
希う。
2022.02.02