コンサートでの面白い想い出、その1
長年コンサートを色々な場所で行っていると様々な事が起こります。コンサート中にびっくりしたのは、立山高原ホテルと言う標高2140mのホテルで演奏してたら、前の席の方がゆらゆらしていて、「眠いのかな?」と思った瞬間にバタッと前に倒れてしまいました。「えっ!」と思って演奏をやめようとしたらスタッフが駆けつけて、起こしながら目配せしてきて「続けて下さい」と言う合図を送ってきます。
取りあえず続けて次の曲の解説をしていたら、後ろの列でも同じ症状の方がいて、同じように介抱してもらいお水を飲ませて貰ったりしてます。「?」のままコンサートは何とか終わり、スタッフに話を聞くと、空気が薄くてお酒を飲まれた方が、一時的な貧血のような状態になるそうです。ここではその後も4~5年コンサートをさせて貰いましたが、何回か有りました。自分ではこの症状に生ったことは無いのですが、重い持病でもない限りも一過性のもので、うたた寝しているようで気持ちよかったとその時の方は話してました。
逆に私が演奏中に一度だけずっこけた事もあります。
場所は忘れてしまいましたが、どこかの繁華街の商店街の真ん中に椅子と足台を置いて、ここで30分二回の演奏をお願いしますと言われました。
かなりの人混みで、私の演奏前から椅子に気が付かずぶつかる人もいて、大丈夫かな?と思いつつ演奏を始めました。
幸いに15人ぐらいの方々集まって熱心に聴いてくれてました。
三曲ほど弾いて、バリオスのフリア・フロリダを弾き始めた時です。お客様の一人が急に「危ない!」と言うので顔を上げた瞬間に私の左肩に衝撃が走り、左足の足台が外れて転びはしませんでしたが、王子様の求婚のポーズのようにひざまずきました。
よそ見をしていたおじ様が私にぶつかったのです(笑)
と言いますか、商店街の歩行者専用道路のど真ん中ですの仕方がありません。
幸いにギターは傷も付かず無事に演奏も終えましたが、年配の女性が終演後に近づいてきて「どうして、立派なクラシックの演奏家がこんな所で演奏会をしていたのですか?」
会釈して誤魔化しましたが、
「私が聞きたいてす!」と言いたかったですね(笑)
その後は拡声器を持った町内会の方が私の後ろに立って「え~只今この歩行者通路の真ん中でギター演奏を行っているので、気を付けてご通行ください!」って音がでかくてギターが聴こえなくなりました(泣)
他のも私は練馬区に住んでいるので県境はすぐなのですが、埼玉の東京都の県境にある公民館でコンサートを行いました。
打ち上げがあるので、バスで行きましたがうっかりして足台を忘れてしまいました。リハーサルの時に気が付いたので公民館の館長に「すみません、足台忘れてしまい、これでは演奏出来ないので何かありますか?」と話しかけたらニコニコしていた館長のお顔から笑顔が消えてすっとどこかへ行ってしまいました。「足台の代わりになるものを探しにってくれたのかな?」と思い込みケースに足を置いて練習していたら、館長が封筒を持ってきて
「永島先生、このようなやり方は今回だけですからね!」と口調がきつめです。何のことかさっぱりわからないで、中を見ると1万円札が一枚入っています。「ここ、これは何ですか?」と聞くと「演奏前に交通費の追加請求されたのはこの公民館では演歌の歌手以来で、とても残念なやり方ですね」「え!私が必要なのは足台で足代では無いのですが。」二人で顔を見合わせて笑ってしまいました。結局、行政のお金を一度出して頂いたので元に戻せないという事で、打ち上げで使わせて頂きました(笑)
その後ブロックのようなものに足を乗せて演奏は無事に終えましたが、打ち上げで公民館のスタッフが「永島さんが使用する足台をお札の高さにしたらいくらぐらい必要ですかね?」という変な質問をしてくるので、「私はわりと足台高めが好きなので500~600万円ぐらいですかね」と答えて皆で大盛り上がりでした。
しかし、こんな間違いが本当に起こるものですね。
懐かしい良い想い出です。