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昔の男:未来の経理候補にしてくる人③

「いらっしゃいませ~」

開いた扉から現れたのは、彼だった。約1年ぶりの再会。
彼も、すこし驚いた様子だったが、席へ案内した。

喧嘩別れのようなものだったから、気まずくてあんまり話さなかった。
店長はそんなわたしたちの関係を知らないので、いつも通り休憩に抜け、
彼と私は店内にふたりになった。

「このあと、飲みに行かへん?」

彼が誘ってきた。
どういうつもりなんだろうと不思議に思ったが、まあいいかと誘いにのった。

仕事おわり、お店のエリアから少し離れて、居酒屋へ。

「今日、入ってると思わへんかったわ」

「こっち帰ってきてたん?」

「うん、最近。」

「…あのときはごめん。でも好きやってん。ほんまは別れたくなかった。」

「あたしも好きになってたよ。でも連絡もロクにくれへんかったやん。」

「いっぱいいっぱいやってん。でも俺は、結婚まで考えてた。」

( びっくり ) 

「俺がこっちに帰ってきて、会社継ぐときには、経理を任せたいと思ってた。」

「???」

「一緒にやっていけると思うねん。やり直さへん?」

「?????」

ナニイッテルノカワカラナイ。笑

遠距離中、ないがしろにされて、その後のアクションもなくて、突然の再会からの勝手に未来の経理候補にされた挙句の、未来の約束…



せんやろ!!!
喜ぶとでも思ったか!!!

呆れすぎて、丁重にお断りしました。

友達に戻れるかなって思ったんやけどな~。
彼は今、経理候補の嫁は見つかったんでしょうか。


おしまい。





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