2024年54冊読んだ中で面白いと思った本ベスト3
2024年もあと少し、ということで今年読んだ本54冊の中で印象に残った、面白いと感じた本ベスト3を紹介していこうと思います。
2022年にもこれを書いたのですが、読み返すと当時の自分はこんなことを思っていたのかといい思い出としての振り返りになったので、今年もしてみようと思いました。
一昨年にこれをしたときに地面師を紹介していてなんだか「自分は世間より先に知っていたんだぞ、ふんふん」と思えたので嬉しかったです。
それでは早速紹介していきます。
第3位:トヨトミの世襲
世界一の自動車メーカーが基となって書かれた三部作の最後の本でもある今作は、ある程度の事実を基に書かれています。
タイトルにもある通り、世襲が今回のポイントで、それまでのトップだった方の次はどうするのか。
それに合わせて暗躍する重鎮の人々。
史実と事実などこまで本当なのか、と想像することも含めて読んでいて本当に面白かったです。
そして読みながらこれは実際にあったのかと調べながら読み進めていきました。
そうするとより一層面白く、そして今後のこの自動車メーカーの行末にも興味が出てきました。
恐らくメディア化をするとすればNetflixになると思いますが、地面師のときと違い、モデルとなる企業が主役なので難しいのかなと思います。
日曜劇場にも顔負けのしないボリューム感と重厚感があるので、ぜひ一度トヨトミ三部作に手を伸ばしてみてください。
第2位:松岡まどか、起業します
この本に関しては先ほども違い、期待値はそれほど高くない状態で買いました。
AIについて何か知れるかな、と軽い気持ちで買ったのですが、読み進めると想像以上のAIの可能性に本当に驚きました。
この本に関してもある程度モデルの会社があり、その会社を退職して起業し一年以内に時価総額10億円を目指すことになります。
そしてそれまでの過程としてふんだんにAIが出てくることになります。
恐らく来年には本格的に使えるようになる「AIエージェント」というものが主としてこの会社のサービスで、それはまるで近い将来のことを書いているようでした。
物語としての面白さと、こんなサービスを使ってみたいというワクワクの両輪がページのめくるペースを速めてくれました。
遠く感じていたAIが近くに感じたこと、そして使ってみたいと思えたこと、物語そのものが面白かったこと、それらが印象として強く残りました。
この本を書いている方がAIにものすごく精通している方で、だからこんなに詳しく書かれているのかと納得ができました。
chatgptくらいしか知らないという方もぜひ一度読んでみてください。
第1位:名前で呼ばれたこともなかったから
この本は恐らく3月くらいに読んだのですが、今年の読んだ本の感想のメモを全て見返すなかで、この本が一番読み終わった後の記憶が強く残っていました。
それほどまでに言葉の力を感じました。
この本は少年刑務所の受刑者による詩集第二弾で、少年刑務所の中で開かれる「社会性涵養プログラム」というもののなかで書かれた詩たちです。
貧困、育児放棄や虐待、発達障害によるいじめ、厳しすぎるしつけ。過酷な子ども時代を過ごし、犯罪に走った、走らざるを得なかった少年たちが、このプログラムを通して自分と向き合いそして出てきた言葉。
少ない言葉でこんなことが書けるのかと感心と嫉妬のような悔しさと、これは書けないという屈服のような敗北感を感じました。
ただそれでも最後に残るのは言葉の力の凄さ、感動でした。
タイトルの「名前で呼ばれたこともなかったから」も本の中に登場する言葉です。
自分が当たり前に享受していたこと。
そしてそれに気付いてなかったこと。
たくさんの気付きがこの本にはありました。
読んでよかったな、と心の底から思うことは面白いだけでは出てきません。
来年もこんな気持ちになれる本に出会えたら幸せだろうなと思います。
言葉の力の凄さを感じたい方はぜひ一度読んでみてください。
番外編:漫才過剰考察
M-1を2連覇、それも両方トップバッターでという偉業を成し遂げた令和ロマン・高比良くるまさんが書かれた一冊は、M-1優勝の影響もあり10万部を超えるベストセラーになりました。
僕のこの本を読み、それから高比良くるまさんのことを師匠と呼ぶことにしました。
僕も分析をするのが好きだったのですが、この本を読むと自分の分析と呼んでいたものの浅さに恥ずかしくなりました。
それほどまでに漫才に対しての分析、考察は多角的で深いものばかりでした。
特に漫才に対してのフィジカル論が個人的には印象的で、ただ清潔感を高めるではなく、ボケとして見られるように意識し、声が通りやすくなるようにボイストレーニングをしていたことには驚きを隠せませんでした。
そしてただ面白くなりたいだけではなく、お笑いをもっと広めたい、ニュアンスでしていたものを体系化したい。
この視座の高さはM-1連覇すら通過点だと思わざるを得ませんでした。
こんな人になりたい。
まさにロールモデルにすべき人だと感じました。
もはや番外編とは?と思うような熱量で書いてしまいましたが、大変に参考になりました。
さいごに
ここまで4冊紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
個人的な振り返りの一面が大きいですが、これから読む本の参考になれば幸いです。
来年も50冊以上、色んな種類の本を読んでいこうと思ってます。
タイパがもてはやされる時代ですが、時間がかかるからこそ得られる思考の深さに潜れる良さが読書にはあると思っています。
ただの知識を得るものではなく、そこに自分の価値観や思考がどう絡んで、新しい自分になれるか。
良い本に出会えたあとの自分が僕は大好きです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
来年もまた紹介したいと思います。