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演劇に触れる_241117

2024.11.17.Sun.

忍野村民参加型ミュージカル「ピノッキオ」に裏方で参加してきた。

忍野村で参加型ファミリーミュージカルが始まったのは18年前=2006年だそう。

ちょうど同じ年、私の地元・宇治市でも劇団フジの参加型ファミリーミュージカルの事業が始まった(今はもうやっていないけど)。

当時小学4年生。

その時の作品がまさに「ピノッキオ」。
少年しかたくんが初めてもらった科白は今も台本にしっかり残っていて、

出演してくれた子どもたちとのお疲れ様会でも「あの科白が私の初めての科白だったんです」なんて話をしてきた。

* * *

今年、忍野村ではこの11月のミュージカルだけではなくて、夏にワークショップも催されている。

そっちは保護者の方が中心になって企画運営されたと聞いていて、
そこに劇団フジを呼んでいただいていることも嬉しいけれど、そんなことを差し置いても、
いち地方出身の身としては子どもたちのためにと
そうやって動いてくれる大人がいることが純粋に羨ましい。

中学校の国語の教科書に戯曲が掲載されたり、
企業研修の講師に俳優が呼ばれたり、
いわゆる「コミュニケーション」の訓練として演劇(ワークショップ)が活用されはじめてしばらく経けれど、

演じる経験・舞台を創る経験は確実に子どもたちの成長につながるし、
数ヶ月かけて歳の違う仲間たちと演劇を創ることが人格形成の一助になっているとは思う。

だから、子どもたちのために東京から劇団を呼んで、ワークショップを企画して、
参加型のファミリーミュージカルを18年続けて……
そういう大人たちがいることがすごいし、忍野の子どもたちが純粋に羨ましい。

今、劇団の事業とは関係なく地元・宇治でも子どもたちと関わらせてもらっているけど、
そこでは地元の文化や歴史(≒源氏物語)が前提にあって、

そう考えると公のお金でシンプルなファミリーミュージカルやワークショップを催すということがなかなか難しい現実もなんとなく感じることはあって。(地域ゆかりの歴史や文化を知ることは、それはそれでとっても意義深いことだけども!)

市町村の取り組みで、子どもたちと演劇を創っている事例は全国を見渡せばいくつもあるんだけれど、
それでもこのご時世、そう多くはないし、何年も続けるのだって並大抵のことではない。

だから、こうやって一緒にミュージカルを創った子どもたちが芸能の道に進まなくたって、演劇の世界に入ってこなくたってよくて、

いつか成長したあの子たちが、この体験を思い出してくれたら嬉しいし、
その時に忍野に育つことを誇りに思ってくれたらいいな、なんて。

そして、そんな子どもたちを見守る大人たちに、心からの敬意を。


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四方 京|SHIKATA Takashi
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