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「歯科医院デザインの失敗」3つの予防法 【開業 編】

こんにちは。日本歯科新聞社です!

歯科医院の取材先で、院長からよく聞く後悔の声があります。

「医院設計・建築で失敗した!」
「こんなはずじゃなかった!」

ということです。本当によく聞きます!

考えてみれば、一番お金をかけるところですから、ダメージが大きいのも無理はありません。

そこで、開業で失敗しないための5つのポイントをご紹介してみます。

1. 医院のテーマを明確にする

まずはこれから開業する医院のテーマを決めます。
「医院にテーマって必要?」「よくわからない」という先生も多いのですが、これは今後の経営の方向性を決めていく上でも大事な項目となっています。

では、実際にテーマとはどんなふうに決めるといいのでしょうか。

・得意な治療は何?
・これからどんな患者さんとお付き合いしたい?

上記のように、自分自身にいろんな質問をしてみましょう。
キーワードを書き出してみるのもいいですね。

【キーワード例】
高齢者、小児、妊婦、親子、義歯、外科、歯周病、予防、アレルギー、
痛くない、早い、保険中心、最先端、温かみ、など

そして、そのキーワードから「自分らしくないもの」「やりたくないもの」を消していきます。

「儲かると聞いたから」などの理由で小児歯科にしてしまい、「実は子どもが苦手なので、毎日の診療が苦痛」と後悔している先生もいらっしゃるので、ここは本当に大事なポイントです!

一方で、
「高齢者の治療が苦手なので、あえてエレベーターがない2Fのテナントにした。希望通り、若い患者さんが多い」という先生も。
イメージを具体的に書き出しておけば、設計会社、歯科商店、コンサルタントなど、開業にかかわる周囲の方たちと共有することができます。

2. 他院の見学に行く

医院のテーマが決まったら、参考になりそうな医院を探して、見学をお願いしてみましょう。

その際、大事なのは、院長の許可を取った上で、スタッフにも話を聞くことです。案外、現場のことは、院長が知らなかったりするからです。

受付、カウンセリングスペースなど、そのエリアに詳しいスタッフに聞くと、よりリアルな情報が得られます。

勤務医の段階から、勤務先の「使いやすいところ」「使いにくいところ」をチェックしておくのもお勧めです。

3. 知識を学ぶ

特に多い失敗要因は「他人任せにしてしまった」ということです。

例えば、設計会社、歯科商店、コンサルタントのアドバイスを、すべて鵜呑みにしてしまったというケースが多いのです。

「自分に合った医院は、自分で考える!」と覚悟した上で、周囲からのアドバイスをもらっている先生は、後悔が少ないようです。

知識の身に着け方をいくつかご紹介します。

① セミナーに出たり、周囲に相談したりする

開業やリニューアルにかかわるセミナーに参加してみましょう。
参加費が無料の場合、主催者寄りの情報も含まれていますが、有益な情報も盛り込まれているものです。

また、大学の先輩など、なるべく利害関係のない人の話を聞くのもお勧めです。

② 建築・設計の専門家に話を聞く

専門家に話を聞くときには、なるべく複数の人に話を聞きましょう。
設計士との「相性」の違いも見えてきます。

③ 医院デザイン関係の本を読む

歯学専門書店「シエン社」(水道橋)の店舗で、歯科出版社の本を一度に見ることができます。
https://www.shien.co.jp/act/s.do?k=&f=&c1id=13&c2id=47

日本歯科新聞社出版の書籍は、医院デザイン関連が充実していますので、
ぜひチェックしてみてくださいね


まとめ

自分に合った患者さんが集まる医院づくりの成功のポイントは4つ。

・自分らしさ
・現場を知ること
・自分事という意識
・相性が合う施工会社とお付き合いする

実りあるスタートをお祈りいたします!




この記事を書いた人
水野麻由子【日本歯科新聞社制作局】
制作局ディレクター、歯科出版アドバイザー。歯科医院経営・総合情報誌『アポロニア21』の企画・編集に25年以上携わり、経営書を中心に50冊以上の書籍を企画・取材・編集。
ヒトの「肩書」と「顔」がなかなか覚えられないが、才能は忘れない。ヒト、モノ、会社などの「ここがすごい!」という光っているところを見出すのが得意かも。
〔主な担当書籍〕
『歯科医院デザインCatalog』シリーズ
『「歯科プロサポーター」24人に聞いた・よくある経営の悩みと解決法』
『歯科医院のラクわかり経営学』
『100円グッズから始める 歯科医院の整理・収納アイデア集』
『事例に学ぶ・歯科法律トラブルの傾向と対策』
『歯科医院のためのTHE指導・監査』
『食べる・飲むメカニズム』


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