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『歯科業界ハンドブック』発行目的と反響 【小畑真先生×水野純治代表】

今春、日本歯科新聞社が発行した『2024年版 歯科業界ハンドブック』は、歯科医療従事者だけでなく、関連企業に勤務する人なども対象にした、「業界を網羅する初の参考書」として好評を得ています。

監 修=小畑真氏(歯科医師・弁護士)
発行者=水野純治(日本歯科新聞社社長とで、

本の発行目的や反響について話した、対談の内容を紹介します。

1. 歯科全体を網羅した「参考書」


水野 このたび小社で発行した『2024年版 歯科業界ハンドブック』は、3年越しの準備を経て世に出すことができました。

歯科医師などの医療従事者は言うまでもなく、関連企業や団体で働く人も含めたすべての歯科関係者のための入門書という趣旨で企画したものです。

特に、歯科メーカーやディーラーなど、歯科企業の役割まで含めて解説した書籍は初めてで、予想以上の反響の高さです。
「来年から、新入社員用の教科書に…」との声をいくつもいただいています。

小畑 たしかに歯科医師やスタッフ向けなど、それぞれの分野ごとの解説書は発行されていますが、「歯科業界全体を網羅的に理解できる本」というものはありませんでしたね。
それだけに、項目の取捨選択をしながらバランスを取るのは難しいと感じました。

2. 編集にあたり、業界中に協力をお願い


水野 たしかに項目を決めるのは大変でしたね。そもそも、読者にとって、「何を、どこまで記述するのが使いやすいか」という線引きが難しく、編集にあたり、各団体や企業などに内容の確認など、早い段階からご協力をお願いしました。

また、特に法的なルールに誤りがあったら大変と考え、歯科の法制度やルールに詳しい小畑先生に、監修をお願いした次第です。

法律的な解釈などに留まらず、各種統計についても、印刷ギリギリまで最新のデータを調べて指摘いただいたのは、本当にありがたかったです。

小畑 データにせよ、法制度にせよ、逐次変更されていくものですから、今後も、最新版に更新していく必要があると考えています。
そのときには、項目のバランスも、読者のニーズに合わせて最適化していきたいですね。

歯科業界は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士だけで成り立っているのではなく、関連企業や学校、団体の職員など多くの人が関わっています。それぞれ「歯科業界」へのとらえ方が違う面もある中、「歯科業界って何?」という問いに、的確に回答できる参考書が登場したことは意義深いと思います。

また、これから歯科関連の仕事につこうと思っている方そのご家族進路指導の先生などにも、歯科の全体像を理解できるハンドブックは有用と感じます。歯科全体のイメージアップにもつながるのではないでしょうか。

3. ベテランでも「基礎知識」があいまい⁉


水野 意外だったのは、ベテランの歯科医療従事者や、団体の役員などでも、基本的なルールが理解されていないなど、意外に歯科業界のコンセンサスが取れていないと感じる場面が多かったことです。

小畑 私も、歯科医師会の役員などから「知らないことも多かった」と言われたりしました。
法的に微妙なことを慣習的に続けてきた面もある歯科界では、間違った知識を「正しい」と信じている人も少なくないようです。

その意味で、「企業の新入社員向け」「歯科業界に参入したばかりの企業」などに限定されるものではなく、より幅広い読者が想定できると思います。

4. 待合室に置くのもアリ!


水野 本書の内容が十分とは言えないでしょうが、一つの判断基準ができたとは言えると思います。今後、データ、法律、解釈などの変更に合わせて更新するたび、さまざまな方たちと一緒に育てていく本にしたいです。

小畑 今後、歯科衛生士、歯科技工士の業務範囲の見直しなどの議論が進むと予想されます。こうした変化もいち早く取り入れて、歯科業界を網羅する参考書として成長できればと思います。

もう一つ、歯科業界に関する客観的なデータが掲載されることによるメリットとして、「平均」が分かるというのは大きいでしょう。
どうしても目立ちやすい成功例ばかりが注目されますが、例えば「平均のスタッフ数は4人、医業収入は4千万円くらい」と分かると、少しホッとするものではないでしょうか。

それだけでなく、歯科業界に関心のある患者さんも少なくないはずですから、待合室に置くのも面白いかもしれませんね。
歯科にかかわるさまざまな職種で、それぞれに本書とのかかわり方も作られていくのではないでしょうか。



■『歯科業界ハンドブック』の、詳しい目次を見るには…

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■日本歯科新聞社発行の、小畑先生著・監修の書籍は…
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