《成化十四年》についてガチに語ってみたら長く深くなった
華流ドラマに本格的に沼りだして巡り会った《成化十四年》という作品は、間違いなく出会えてよかった作品の1つと言えます。
よく「ジャッキー・チェンが監督した」という枕詞とともに紹介される作品ですが、そんな枕詞はいらないくらいおもしろいです。見はじめて数話でそのおもしろさにハマります。
コミカルな部分と、シリアスな謎解きの部分と緩急があり、テンポよくストーリーが進んでいきます。
シリアスな謎解きの部分と、コミカルな部分と緩急あっておもしろく、テンポもよいので全48話もあっという間です。
次々と事件が起こりその謎解きに奔走し、二転三転あるので見応えもあり、合間の飯テロや、唐泛隋州汪直の掛け合いも楽しい。
唐泛と隋州、そして冬児との3人暮らしのシーンはほのぼのとする。
唐泛は優秀だけど食べることへのこだわりが強く変わり者というキャラ設定もよい。
魅力的なキャラクターと、登場人物がそれぞれに背負ったものや、とりまく人たちとの関係性と、朝廷や皇帝が治める国全体の流れ、小義と大義とが織り交ざり、絡み合いながらストーリーは進んでいきます。
加えて様々な衣装や、各シーンで流れるBGMも秀逸で作品の完成度をあげています。
巧みに演じた演者さんたちによって登場人物に息が吹き込まれ、その世界観ができあがっていきます。
特に主演3人の演者さんはみんな魅力的です。
唐泛(とうはん)(唐润青)を演じるのは台湾出身の俳優である官鸿(グアンホン)。
隋州(ずいしゅう)(隋广川)を演じるのは台湾出身の俳優である傅孟柏 傅孟柏(フー・モンボー)。
汪植(おうしょく)(杨福)を演じるのは中国浙江省杭州出身で、俳優・歌手(元アイドルグループZERO-Gのメンバー)の刘耀元 劉耀元(リウ・ヤオユエン)。
隋州役の傅孟柏さんにジャッキー・チェン(成龙/成龍)老師がアクションシーンを指導(演出)している動画がありますが、作品中のアクションシーンは躍動感もあり見所の1つです。
隋州はお料理が上手で、グルメで食べる専門の唐泛に振る舞いますが実際はというと…
インタビュー動画で、「実際は(官鸿と傅孟柏)どっちが料理が上手?」と聞かれると、傅孟柏は料理はするが「官鸿が料理をするのを見たことがない。」と答え、官鸿はキャラと同じく料理は苦手の様子ww
これから料理を学びはじめるつもりと言う官鸿に、「うちで料理作ろう」という傅孟柏のお誘いにすかさず「絶対行く、絶対行く。絶対食べる。」と返し「その時は料理教えて」と甘え上手な官鸿くんww
そりゃ同性でも喜んで教えてしまいますよねwww
(※意訳です。)
BTS(舞台裏)のリモートの対談で、刘耀元が「官鸿はかっこいい!」と絶賛してたり、刘耀元が隋唐CP推しなの最高なのでは。
隋唐ふたりのシーンの撮影動画を見ながら、「撮影中はCP感はなかったけど、編集されて映像を見るとそう見えるよね」とか。あなたこっち側の人なの?www
ファン心理をわかっている刘耀元さんです。
ただ、「爆発とか事件の後に汪直はまっさきに唐泛は大丈夫か?と心配するのに、唐泛は汪直を気にかけることなく行っちゃうんだよね」とちょっと悲しそうなのも切なくていいwww
そんな3人の関係性が《成化十四年》の一番の見所と言えるかもしれませんね。
■主演の唐泛役を演じる官鸿
唐泛の中の人、官鸿(官鴻、グアンホン、KuanHong、DarrenChen)は台湾の俳優さんです。
1995年1月15日生まれの現在27歳。
日本の漫画『花より男子』が原作のドラマは台湾ドラマ《流星花園》(2001年)をはじめ、日本(2005年/2007年)や韓国(2009年)、中国本土(2009年2010年/2018年)、タイ(2021年)などでもドラマ化されています。
その中国版《流星花園(2018)》でF4の1人、花泽类(花澤類 ファーゼー・レイ)役で注目されるようになりました。
ちなみに、いま《苍兰诀》で人気の王鹤棣が道明寺を演じてます。いつかまた共演してほしいですね。
《成化十四年》では本格的な古装劇が初めてとのことで、当初戸惑いがあり撮影時も大変だったとか。
撮影終了後に自身のweiboで心境を吐露していてそれを見ると当時の苦労が伝わってきます。。
それを読むと、こんなに素晴らしい作品になった要因とも言える、魅力的な唐泛を演じてくれたことに感謝の念を抱くほどです。
4ヶ月間の撮影終了(クランクアップ)の4日後(投稿日2019-5-25)、
官鸿のWeibo(微博)@官鸿Kuanにそれは7枚の画像と共に長文で投稿されました。
台本の読み合わせの次の日、撮影のシーンを終えホテルに戻ると泣き崩れてしまったそう。
「でも、泣くのは、弱くて泣いたんじゃない、辛くて諦めたんじゃない。
頑固で、負けず嫌いで、自分にできないことはないと思っているからです。」(意訳)と当時の心境を振り返ります。
その時、本当に困って友人の俳優にどうすればいいか相談もしていたようです。
「5日間撮影現場を離れて、台本の勉強に明け暮れ、ネットで古装劇を見て回り、古装劇とは何かということを理解しようとしました。」
その後、撮影隊に戻り唐泛を演じることに全力を尽くした官鸿。
そんな混迷期に監督やスタッフ、会社の仲間がずっと励ましてくれたことが功を奏し、「その後、すべてが好転していきました。5日前の自分とは別人のような姿を見せるようになった」と語ります。
ただ、これは当時は自分では気づかず、後から仲間が教えてくれたそうです。
さらに続きます。
「私が才能のある人間でないことは分かっています。
でもここにいる以上
今は官鴻だけが唐泛を演じています。
私は最善を尽くします。
セリフを覚えて脚本を分析して唐泛のことをもっと深く理解する。
微信でも現場でも監督と脚本を議論します。
私たちの心血を注いで作りました。」
そんな想いで撮影に挑んでいたんだと思うと胸にくるものがあります。
俳優仲間についても言及されています。
俳優仲間からは学べることがあり、彼らと交流することが好きだと言う・
彼らとの交流や絆がなければ、はじめの時のままだったろうと振り返り、良い影響を受けたことがわかります。
4日前の打ち上げパーティーで監督、仕事仲間、俳優仲間が努力と変化をとても評価してくれて、
「この時私の目頭はまた濡れた😂 」と、感無量だったよう。
それを聞くだけで泣けてきますね。
そして、最後にこう締めくくります。
「この4ヶ月は素晴らしく、実り多いものでした。
同時に疲れもありました。
撮影は素晴らしいです。
その素晴らしさは、言葉では言い表せないほどです。
苦しいことも、嬉しいことも、笑いも、涙もたくさんありました。
涙で始まり、終始涙で終わりました😂。
人は前へ進んでいる。
でも初心は変わらない。
thats the most important of all
thanks for reading
Love Darren」
(※意訳です。)
この作品がいかに大変なものであったか、そして周りに支えられながら、影響を受けながら乗り越えていった経験が、その後の彼のキャリアに良い影響を与えていることでしょう。
そんなことも頭の片隅におきながら見ると、さらにこの作品が大切に思えてくるのではないでしょうか。
なお、投稿については意訳や途中省略した箇所もあるので気になるかたはWeibo(微博)で原文をご覧くださいね。
とにかくおもしろくて楽しい作品なので、ぜひ見てみてください。
今年の8月頃にAmazonプライム会員特典に追加されたので、今だと会員の方は全話見放題です。
撮影中の不調について本人の口から当時の心境を話してる動画もあります。
爱奇艺(IQIYI)のサイトやアプリでも日本語字幕付きで無料でご覧いただけます。
他にもHuluやGYAO!、Paravi(パラビ)、Rakuten TV、U-NEXT、dTVなどの各動画サービスで視聴可能かと思います。
各サービスで検索してみてください。
また、円盤で手元に置いておきたい方に朗報です。
ポニーキャニオンさんから「コンパクトDVD-BOXシリーズ第12弾」として2022年12月7日に「成化十四年~都に咲く秘密~」DVD-BOX1、2、3が発売されます。
各5,500円というお得な価格で購入できちゃいます。
ちなみに、通常版(コンプリートBOX or コレクターズBOX)のDVD-BOXは各19,800円(税込)程度で販売されていますので、いかにお得かがわかります。
ぜひチェックしてみてください。
原題 《成化十四年》
邦題 「成化十四年~都に咲く秘密~」
英題 The Sleuth of Ming Dynasty
全48話 2020年の中国大陸のテレビドラマ。古装劇。
製作総指揮:ジャッキー・チェン
原作:梦溪石の同名小説
爱奇艺(IQIYI)で2020年4月1日から放送開始
長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
《成化十四年》の世界にぜひ。