パニック! インベーダー
出会いはいつも唐突だ。
宇宙から落ちてきた金属質の球体は、隕石のごとく屋根をぶち破り、にもかかわらず周囲へ衝撃など発生させることなく『着陸』した。
驚愕の視線の中、球体の一部にぽっかりと穴が開き、そこからなんとも名状しがたい体色の軟体生物が這い出してくる。
その目と思しき器官が最寄りの人間に向けられる。次の瞬間、軟体生物は一瞬にして伸び上がり、絡み合い、人間そっくりの二足歩行形態へ変形した。
ぽかんと口を開ける一同の脳裏に、無機質な声が響いた。
『あー……ハロー。テレパシーで失敬。口調には目を瞑れ。言語は逐次きみたちの脳から洗っている。はじめまして、地球の皆様方……』
あからさまに宇宙から来たそれは、ぐるりと周囲を見渡し、表情を歪めてみせた。
『……ええと、今取り込み中?』
最寄りの菅田警官は重々しく頷く。彼は同時に、この銀行強盗取り押さえの現場に乗り込んできた異物をどうすべきか考えはじめた。
【続く】