忍殺TRPGソロリプレイ【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】エピローグ
◇前置き◇
ドーモ。しかなです。当記事はしかながニンジャスレイヤーTRPGのシナリオを遊んだ結果を元に作成したテキストカラテ(訳注:二次創作小説)となります。いわゆるリプレイだ。気楽に読めるよ。
そして続き物でもある! 前回のお話はこれです。
ドラゴン・ドージョーは陥落し、死神も倒れた。オロチ一行としてはもはやそれまでの話。だが……?
では行ってみよう。よろしくおねがいします。
◇ドージョー跡にて◇
周囲はもはや闇だけが広がる。否、赤黒の炎が視界を染めた。炎の中に映るのはかつての惨劇の記録。カタナを振り上げるニンジャの姿、その前に倒れる……
ニンジャスレイヤーはフジキド……
1. ケンジ 2.フユコ
1d2 → [2]
(……あなた! トチノキ!)
おお、ナムアミダブツ! 刃が夫へと振り下ろされる様から、ニンジャスレイヤー……フジキド・フユコは目を逸らすことができないのだ。情景は炎に焼かれ、消えていく。
次いで現れたのは、蹂躙されるドラゴン・ドージョーの情景であった。血の海に沈む門下生たち、骸めいたドラゴン・ゲンドーソーの姿。そして……連れ去られるドラゴン・ユカノ。フユコは血の涙を流す。己の不甲斐なさへ。
情景がまた炎に閉ざされる。代わりに生じたのは……己が身に宿る邪悪なニンジャソウルの気配であった。
(((グググ……なんたるブザマ。やはり早々に儂に身体を預けるべきであったぞ、フジキド)))
(黙れ、ナラク……!)
(((あのコワッパに宿るはカドゥル・ニンジャ。かつてはダイジャ・バイトとノロイを持って百を超えるニンジャを従えた……グググ……今のオヌシには荷が重い相手よ)))
(殺す)
(((然り、ニンジャ殺すべし! さあ、儂に身体を貸せ。あのコワッパを、そしてソウカイヤを! すべて殺し尽くしてくれる!)))
ナムアミダブツ。おお、ナムアミダブツ! 不定形の影は赤黒の濁流となり、血の涙を流すフユコを包み込もうと、
『ニンジャソウルに呑まれるなかれ』
(((グワーッ!?)))
影が歪む。フユコは愕然と顔を上げた。暗闇の中、ぽつんと佇む小柄な老人の姿があった。「ドラゴン・ゲンドーソー=サン」呟きが漏れる。
『手綱を握るのは己自身。……しかと心に刻むのだ。ニンジャスレイヤー=サン』
膝をつきかけた彼女を押し留め、ドラゴン・ゲンドーソーは微笑した。そしてローシ・ニンジャはニンジャスレイヤーをしかと見据える。
『ニンジャスレイヤー=サン。儂はもう長くはない。……故に、お前に託す』
(……ハイ、センセイ!)
ニンジャスレイヤーはただ頷いた。ドラゴン・ゲンドーソーの言葉に偽りなし。もはやこうして語りかけるのがやっとなのだと、彼女は本能的に理解した。疑問を投げかける時間すら惜しい。
……どれほどの時間が経ったか。インストラクションを終えたゲンドーソーはふっと姿を消した。風に吹かれたローソクの炎めいて唐突な消失であった。後には闇とニンジャスレイヤーだけが残される。その意識が現実へと引き戻される……!
◇◆◇◆◇
打ちつける雨の感覚に、ニンジャスレイヤーはカッと目を見開いた。「イヤーッ!」すぐさま身を起こした彼女は、すぐに無情に時を刻み続けるニューク起動装置を認識する!
もはや猶予はない。ニンジャスレイヤーはドラゴン・ゲンドーソーを探して……訝しむ。ドージョーのどこにも姿がないのだ。爆発四散? 否、ニンジャ第六感が否と告げている。
ドージョー内のシークレット・パスウェイが執拗に破壊されていることを認識したニンジャスレイヤーは、すぐさまドージョーの外へと駆け出す。土間に残されたもう一つの非常出口。死の間際にゲンドーソーが遺した活路。
(センセイ。私は未熟極まりないニンジャです。ですが……ありがとうございます)「イヤーッ!」
僅かばかりの感謝と弔いを終え、駆ける! 走れ! ニンジャスレイヤー! 走れ!
……後に残されたのはニューク起爆装置のみ。あるいは、ニンジャ第六感に優れた読者であれば目を見張ったやもしれぬ。ブラッドバスとなったドージョーに倒れる門下生の死体が二つ、姿を消していたことに。
時は刻一刻と進み……やがて……終わりを迎えた。
◆◇◆◇◆
……バンザイ・ニューク爆破範囲から遥かに遠かった安全地帯にて。ディスグレイスはヒカリ=サン・シンガク学園都市が光のドームに包まれる様を目に焼きつけた。ドラゴン・ドージョーごと、過去の遺物が焼き払われる様を。
「アッハハハハハハ! すっごーい!」
シャープキラーが朗らかに笑う。合流前までは神経質に貧乏ゆすりをしていたのが嘘のようだ。ディスグレイスは微笑した。あれほど長きに渡りアーツとミームを受け継いできたドージョーが今、灰塵と化した。なんたる冒涜か。彼女の心は震える。
『……ザザッ、ドーモ。こちらヘルカイト。無事ですか?』
「ドーモ。こちらディスグレイス。滞りなく避難済です。キールバック=サン、シャープキラー=サンも同様に」
『グッド。ザザッ……実際、今回の仕事はパーフェクトでした。憎たらしいほどにね』
「あら。死神にトドメを刺したシックスゲイツの英雄殿が、そのような嫉妬を?」
『お前たちの援護があってこそ。それを認めないほど私は驕っているつもりはありません。……ともあれ、オツカレサマデス。爆破完了後の調査については私が引き継ぎます。お前たちはドラゴン・ユカノを連れ、トコロザワ・ピラーに帰還なさい』
「ハイ、ヨロコンデー」
ピポッ。通信を終えたディスグレイスは振り返る。シャープキラーに横抱きにされ、眠るように気絶するドラゴン・ユカノを。
移動を宣言しようとしたそのとき、シャープキラーが先んじて動いた。ディスグレイスの元まで歩み寄り、唐突にユカノを押しつける。
「……ちょっと」
「アハハ! 少しくらい役得してもいいんじゃない? すっごい綺麗な人だから、近くで見てみるといいと思って」
ケラケラと笑うセーラー服の少女に渋面を作りつつ、ディスグレイスは素直に受け取った。バイオ触手でそれとなく固定しつつユカノの顔を覗き込む。まだあどけなさの残る美貌。ふと感じるノスタルジーめいた感情に、彼女は自分を訝しんだ。
と。
「ン、ンン……」
ユカノが腕の中で身じろぎし、呻きをあげる。弛緩しかけていた空気が一気に引き締まった。シャープキラーとキールバックがカラテを構えるその前で、ディスグレイスは目に光を湛える。少しでも暴れたらジツで鎮静化させる算段!
だが、ディスグレイスはすぐに訝しむこととなる。目覚めたユカノは暴れることなく、じっと自分を見上げてきたのだ。その表情に浮かぶ幼さに、ディスグレイスは落ち着かない気分を味わう。
「……ここは? ……あなたは?」
「え、エット?」
「……私。私はいったい……?」
思わぬ言葉に、ディスグレイスは思わずキールバックらと顔を見合わせた。
◇リザルトな◇
……翌日! トコロザワ・ピラー最上階!
「ムハハハハハ! ムッハハハハハハハハ!」
豪快に笑うラオモト・カンに、ディスグレイスはそっと胸を撫で下ろす。予定より帰還が遅れてしまったため、肝を冷やしていたのだが……どうやらヘルカイトが先んじて報告を済ませていたらしい。
この上なく上機嫌なラオモトは、平伏するディスグレイスを見下ろした。
「でかしたぞディスグレイス=サン! 貴様はまたも、儂の注文どおりの仕事をこなしたわけだ!」
「ヘルカイト=サンのお力添えあってこそです」
「実に奥ゆかしい! ともあれ、まずは貴様らの働きに報酬を持って応じてやるとしよう」
ラオモトが手を二度叩くと同時、控えていたオイランたちが漆塗りの重箱を差し出す。ディスグレイスはそれを丁重に受け取った。その重みが、中に詰まったコーベインであることは明らかだ。
リザルト:A+
【万札】150、【名声】+8 【余暇】6
その他収穫:
【万札】5
*赤漆塗りのヤリ*
*グレーター・マキモノ・オブ・シークレット・ニンジャアーツ* ×3
謎めいた平安時代の絵巻物
白黒の家族の写真
神秘的なニンジャハーブ
ニンジャピルの小袋
*業物の弓*
「アリガトゴザイマス。ラオモト=サン」
「ムッハハハハハ! これからも一層励むがいい! ……ところで」
ラオモトの声が低くなる。来たか。ディスグレイスは顔を上げた。何の話題が振られるか、手に取るようにわかった。
「ドラゴン・ユカノについてだ。ディスグレイス=サン。貴様もキールバック=サンの回収したあの絵巻物と写真は見ておるな」
「ハ。……正直なところ、わたくしも判断に迷っておりまして」
キールバックがドージョーより回収していた二点の物品は、ディスグレイスを大いに困惑させていた。それはラオモトも同じことだったのだろう。
絵巻物については平安時代に描かれたものであると推定されている。しかしその内容は難解であり、あの場で解読することはできなかった。現在、リー先生の元で研究が行われている。
それよりも衝撃的だったのは。
「あの写真。一人は間違いなく若きころのドラゴン・ゲンドーソーであろう。だがもう一人。貴様はどう考える?」
「…………わかりません。ただ、見れば見るほど、あれはドラゴン・ユカノその人だとしか思えぬのです」
馬鹿げた思考だ。同じ歳を重ねているのであれば、同一人物のはずがない。……もしドラゴン・ユカノその人がニンジャでないのであれば、の話だ。
ラオモトは顎に手を当て、沈思黙考し……思い出したようにディスグレイスを見やる。
「報告にもあったが、貴様の口から確かめたい。ドラゴン・ユカノが記憶喪失であるというのは誠か?」
「間違いなく。誤魔化しであれば我がジツで化けの皮を剥がせましょう。……どうにも、本当に記憶を失っているとしか」
然り。ドラゴン・ユカノが大人しくトコロザワ・ピラーまで同行したのはそのためだ。彼女はどうやらドージョーの……ディスグレイスらとのイクサを含めた一切の記憶を失ったらしいのである。
今、彼女はグレアリング・オロチ・ヤクザクランの事務所で待機している。逃げることはあるまい、とディスグレイスは確信していた。自分しか縋るものがないからだ。
ラオモトはさらに思案するそぶりを見せ、頷いた。
「フム……よし。ドラゴン・ユカノは信頼のおける者に預からせるとしよう」
「……左様で。では今すぐにここへ……」
「何を言っておるかディスグレイス=サン。貴様は自身を信頼のおけるニンジャと思っておらんのか?」
ディスグレイスは目を見開き、ラオモトを見上げる。ラオモトは楽しげに笑った。
「ドラゴン・ドージョーを滅ぼしたニンジャともなれば、ダークニンジャ=サンやゲイトキーパー=サンとも並ぶ実績と信頼があろう。よいかディスグレイス=サン。貴様はリー先生とともに、ドラゴン・ユカノの正体を探れ。そのためにはまず信頼を勝ち取るのだ……貴様ならば簡単であろう?」
「は……ハハーッ!」
ディスグレイスはただただ、平伏した。
◇カルマ・ロンダリング◇
ドゲザめいて低頭するディスグレイスをしばし眺めやっていたラオモトは、唐突に口を開く。
「そして、ディスグレイス=サン。ヘルカイト=サンと協力しニンジャスレイヤーを打ち倒したそうだな」
「……は。もはやニュークに呑まれ、跡形もなくなっているかと。仮に生きていたとしても……」
「しても、なんだ」
「……彼奴が狙うのはまずこのわたくし。ラオモト=サンの手を煩わせることにはなりますまい。もっとも、電算室の情報を与えておきましたので、先にキョートに向かうやもしれませんが……」
「ムッハッハッハッハ! ザイバツどもに不用意な投資のリスクを教えてやるというわけか!」
上機嫌に笑ったラオモトは、またも手を二度叩く。すると金髪オイランたちが大きなボードを掲げた。「オキナワ旅行」とショドーされたそれを、面食らうディスグレイスへと手渡す。
「見事な働きだ、ディスグレイス=サン。休暇がてら、これでヤクザの品格を学んでくるがいい」
「は、はあ。アリガトゴザイマス……」
「そしてキールバック=サン!」
「は、ハイ!」
背後へボードを置くディスグレイスをさて置き、ラオモトはキールバックへと視線を移す。背筋を伸ばす彼女へ、ラオモトは静かに口を開いた。
「貴様がローシ・ニンジャへトドメを刺したそうだな? ドラゴン・ユカノや門下生どもの目の前で」
「え、は、ハイ! がんばりました!」
「ムッハハハ! よいぞ! 貴様の無慈悲さは相変わらず儂を楽しませてくれる!」
「あ、アリガトゴザイマス!」
キールバックもまた恐れ入った様子で低頭。そしてラオモトは最後に……シャープキラーを見据えた。
「そしてシャープキラー=サン。ゲンドーソーにタケウチを撃ち込み、ドラゴン・ユカノをドージョーから運び出したと」
「ハイ! ……といっても、そのせいでニンジャスレイヤー=サンとは戦えませんでしたけど」
「フム。物足りんか」
わずかな語調の変化に、ディスグレイスは身を震わせて顔を上げる。ラオモトの顔に浮かぶのは怒りではなく、興味の色。しばしシャープキラーを見つめていた彼は、唐突に立ち上がった。
「貴様はネオサイタマのそこかしこに顔を出しているようだな、シャープキラー=サン。スカウトしたニンジャもかなりの数だとソニックブーム=サンから聞いておる」
「え? あ、ハイ」
シャープキラーが訝しんだ。ラオモトは頷き……彼女を手招きする。
「どれ、儂がひとつ稽古をつけてやろう」
ディスグレイス【DKK】10→0
[2,6] → 8 【名声】+2とオキナワ旅行券
キールバック【DKK】6→1
[5] → 【名声】+1
シャープキラー【DKK】7→0
[5] → 6 ラオモトとの組手
【名声】+1
◇◆◇◆◇
大変なことになった。正座し、膝の上で手を硬く握り締めながら、ディスグレイスはラオモトと対峙するシャープキラーを見つめる。ノダチを構えるその顔に、さすがに余裕は見られない。
ラオモト・カンはほとんど無造作だ。両手に名刀『ナンバン』と『カロウシ』を提げ、シャープキラーを見据えている。立ち昇るカラテのなんと凄まじいことか。ディスグレイスの背筋に冷や汗が流れた。
◆ラオモト・カン (種別:ニンジャ)
カラテ 17 体力 25
ニューロン 12 精神力 12
ワザマエ 14 脚力 6
ジツ 6 万札 200
◇装備や特記事項
装備:**ナンバン&カロウシ**によるカタナ二刀流(ゲーム上、カタナ装備のルールを全て使用できる)
スキル:『●連続攻撃3』、『●連射3』、『●時間差』、『●マルチターゲット』、
『連続側転不可』、『回転斬撃』、『突撃』、『ビッグ突撃』、『モズ・ダイブキック』、
『サソリ・ファイティング・スタイル』、『サソリ・キック』、『イタミ吸収の構え』、
『カラテミサイル(溜め撃ち)』、『イビルアイ』、『キネシス・ジツ(鎧着装)』
『サソリ・ファイティング・スタイル』:
カタナ二刀流装備時の近接攻撃ダメージが全て+1される。
このスキルはジツではなく、常時発動している。
『回転斬撃』:
攻撃フェイズの開始時、戦闘スタイルとして『回転斬撃』を宣言できる。
これは特殊な単発の『近接攻撃』であり、『連続攻撃』や『サツバツ!』は使用不可となる。
『回転斬撃』は【カラテ】もしくは【ワザマエ】で判定し、基本難易度はHARDである
(非移動時は『攻撃集中』によってNORMALにできる)。
成功すると、隣接している8マス全て(敵味方問わず)に対して自動的に1ダメージを与える
(『サソリ・ファイティング・スタイル』によるダメージ+1も適用される』)。
回避難易度はNORMAL。この攻撃に対する『カウンターカラテ』は発生しない。
「では行くぞ。イヤーッ!」
その巨体が揺らぎ、一瞬にしてシャープキラーのワン・インチ距離へ。そして繰り出される容赦なき連続斬撃!
「……イヤッ! イヤーッ!」
だがシャープキラーもさるもの、暴風雨めいたイアイの隙間へ飛び込むようにこれを回避! のみならず「イヤーッ!」ドウッ! サイバネ脚に組み込まれたブースターを吹かし軌道修正、反撃のケリ・キック!
「ほぉう! イヤーッ!」
ほとんどこれを虫でも払うかのように弾いたラオモトが感心の声をあげた。そこへ「イヤーッ!」シャープキラーのノダチ! 回転するほどの勢いの斬撃である!
「イヤーッ!」だがラオモトには届かぬ! 二刀を跳ね上げこれを弾き返した彼は、即座にイアイの構えをとった。「イヤーッ!」ブースター噴出によりシャープキラーは退避を、
「ムッハハハ! やや見切りがハヤイ! イヤーッ!」
その着地点へ回り込むようにラオモトは踏み込んだ。恐るべきリーチの踏み込み。間合いを狂わされたシャープキラーが目を向く。そこへ「イヤーッ!」本命のイアイが飛んだ!
「う……ウオオーッ!? イヤーッ!」
キアイで身体を捻り、シャープキラーはこの斬撃をも回避!「イヤーッ!」「イヤーッ!」反撃の回転斬撃は敢えなく弾き飛ばされる。反動で後ろに飛んだシャープキラーがようやく着地した。
「……っつー! ミネウチでも痛いなあ!」
「ムッハハハハハ! まだ元気があるようだな!」
強かに叩かれた脇腹をさするシャープキラーへ、ラオモトが獰猛な笑みを見せた。
1ターン目
ラオモト:移動後通常攻撃→シャープキラー
[1,2,4,6][1,2,2,3,5][2,3,4,5,6][1,1,3,5,6]
シャープキラー回避
[1,6,6][1,5,5][1,2,2][4,5,6] 【体力】8→6
カウンター二連!
ラオモト回避
[3,3,6][4,4,6]
シャープキラー:集中一掃
[1,1,1,1,2,2,3,4,4,6]
ラオモト回避
[1,2,2,3,3,3,4,4,5,5,6]
2ターン目
ラオモト:集中フェイント→シャープキラー
[1,1,5,6][2,5,5,6,6][1,2,2,3,4][1,3,5,5,6]
シャープキラー回避
【精神力】6→5
[1,6,6][自動成功][1,2,4][2,4,6]
シャープキラー:集中一掃
[1,2,2,3,3,3,4,4,5,6]
ラオモト回避
[1,4,4,4,5,5,6,6,6,6]
アトモスフィア:ハードモードな
「では少し本気を出してやるとしよう。イヤーッ!」
「エッ、まだ本気じゃ……ンアーッ!?」
恐るべき速度の踏み込み、そこから放たれるイアイ! かろうじてノダチの刃でこれを受けようとしたシャープキラーが吹き飛ばされる! なんたるニンジャ膂力か!
「い……イヤーッ!」
シャープキラーは着地と同時に駆け出し、空中に飛んでノダチを振るう! ドウ! ブースターを点火させネズミ花火めいて高速回転!
「イヤーッ!」
ラオモトは……飛んだ。その巨体に似合わぬ急上昇跳躍。はらはらと見守っていたディスグレイスは目を見張る。ラオモトはもはや高い天井すれすれまで飛び上がり……着地したシャープキラー目掛け「イヤーッ!」急降下!
「い、イヤーッ!?」
思わぬ奇襲にシャープキラーはワーム・ムーブメントで回避! ナムサン! これはモズ・ニンジャクランに伝わるカラテ奥義モズ・ダイブキック! ラオモトが全力を出していれば、今頃シャープキラーの胴体には風穴が開いていたことだろう!
「イヤーッ!」「ンアーッ!?」
ラオモトの猛攻はまだ終わらぬ! 嵐めいたミネウチ・イアイが容赦なくシャープキラーを打ち据えた。「アアッ」ディスグレイスは危うく立ち上がりそうになる己を抑える。あれはラオモトとシャープキラー二人の稽古であり、自分の立ち入る場所などない。
跳ね飛ばされたシャープキラーは……空中で刃を振り回して追撃を避け、着地と同時にノダチを青眼に構える。
「……ほう」
ラオモトが声を上げる。見てとったからだ。シャープキラーの目が、ヤバレカバレな……しかし、一矢報いようという反撃の意思を浮かべていることを。
3ターン目
ラオモト:強攻撃
[4,5,6,6][2,3,4,5,5][1.3.4,5,6][2,3,3,6,6]
シャープキラー回避
[5,6,6][4,5,5][1,2,2][3,5,6] 【体力】6→3
シャープキラー:集中一掃
[1,1,3,4,4,5,5,6,6,6]
ラオモト回避
[2,3,4,4,4,5,6,6][2,3,4,5,5,5,5,6,6]
4ターン目
ラオモト:モズ・ダイブキック
[1,1,1,1,1,2,2,2,2,2,2,2,3,4,4,4,4,6]
シャープキラー回避
[1.1,2,6]
ラオモト:フェイント斬撃
[1,2,5,5][1,1,4,5,5][1,2,2,3,4][1,1,3,5,6]
シャープキラー回避
[1,6][1,2][5,6] 【体力】3→1
シャープキラー:一掃
[1,2,2,3,4,5,5,5,6,6]
ラオモト回避
[1,2,2,4,5,5,6,6][3,3,3,4,4,5,5,6,6]
アトモスフィア:ウルトラハードな
空気が張り詰める。数分にも及ぶ睨み合いの末「「イヤーッ!」」両者は同時に踏み込んだ。銀の閃きが乱れ飛ぶ!
一瞬の沈黙。交錯した両者は背中合わせに立っていた。崩れ落ちたのは……シャープキラーだ。ラオモトはナンバンとカロウシを収めザンシンする。無傷!
ラオモト:集中フェイント
[1,5,6,6][1,2,4,4,6][1,2,3,4,5][1,3,4,5,6]
シャープキラー回避
[1,4,5,6][1,5][5,6][5,6] 【体力】1→0
終了!
シャープキラー【ニューロン】5→6
「……ムッハッハ! なかなかに骨と見所ののあるやつだ!」
「し……シャープキラー=サン!」
反射的に立ち上がったディスグレイスは、シャープキラーの元に駆け寄る! 気絶する彼女に深刻な傷がないことを認め、初めて安堵の息をついた。
……そして、ラオモトの視線に気づく。冷や汗が流れた。彼女はゆっくりと立ち上がり、勢いよく頭を下げる!
「も……申し訳ございません! いてもたってもいられず……!」
「ムッハハハハハ! 親心よな! よい。今日の儂は機嫌が良い故許す。用は済んだ。退室してよいぞ!」
「ハハーッ!」
ディスグレイスは慌ててシャープキラーを抱え上げ、そそくさと退室! キールバックも心配そうにその後を追い……出口前でラオモトに奥ゆかしく一礼し、姿を消した。
ラオモトは浮かべていた笑みを消し、ナンバンとカロウシをオイランに預けるとどっかと腰を下ろした。そして思案する。ドラゴン・ドージョー亡き今、対処すべきはザイバツとアマクダリ・セクトなる謎めいたニンジャ組織。さて、彼奴らをどうしたものか。
重金属酸性雨の音を聞きながら、ラオモト・カンはしばし物思いに沈むのだった。
◇???◇
……元ヒカリ=サン・シンガク学園都市。ニュークに吹き飛ばされた荒野の一角、簡素な墓の前で手をあわせるニンジャが二人。若い少年と少女。いずれもが血でまだらに染まった白いニンジャ装束を着用していた。
「……大丈夫かな、ニンジャスレイヤー=サンは」
「仕方ないよ。一緒には戦えないもの」
彼方を見やる少年に、少女が諦めたように呟く。センチピートなるソウカイニンジャに襲撃されていた二人を救った赤黒のニンジャは、遠方からスリケン狙撃を行うニンジャを殺しにこの場を去っていた。少年は少女を見やる。
「……行くか、グラム=サン」
「そうだね。ドラゴネット=サン」
彼らは再び墓に手をあわせる。ドラゴン・ゲンドーソーの眠る墓に。そして丁重にオジギした彼らは、静かに去っていった。
【ブルタル・オロチ・ヴァーサス・アングリー・ドラゴン】終わり
◇あとがき◇
本編通りにはならなかったので、思い切った改変を入れることにした。まあしかなバースはこんな感じにケイオスになるよ、という感じだ。
ニンジャスレイヤー(ベーシック版)も、次回以降はチャドーを習得したプラグイン版となって現れるだろう。もしくは最後の謎めいた二人が……? まあそこはおいおいだ。
ディスグレイスもついに【名声】が30を超え、ダークニンジャやゲイトキーパーと並んで重用される立場となった。とはいえ成長限界に近いので、今後は裏方(ソロシナリオとかそんなだ)に回るだろう。余暇については別記事として執筆予定。
ともあれ。ここまで読んでくださった皆様方、ありがとうございました! 気が向いたらまたやるよ!
→余暇編はここから