天皇賞・秋 全頭診断&馬体診断
S、A、B、Cの4段階評価です。名前順です。
全頭評価
C アブレイズ(13人気176倍)
メンバー的にやや劣勢か。距離は1800mがベストそうで2000mは少し長く、レース間隔も狭い。速い上がりは使えるので展開が向けば。
A イクイノックス(1人気2.4倍)
クラシックは2戦2着2回。東スポ杯2歳Sで見せた圧巻の末脚は非常に高い地力を感じさせる。府中の中距離が大得意なルメール騎手の継続騎乗もプラス。ダービー連対馬の成績が良いレースなのも好材料。
ただ、不安要素も多い。最も大きいのはダービー後に発覚した怪我である。相当ダメージがあったようで、そこは気になる。後ろから差す脚質で、前が残りやすくなるBコース替わりはマイナス。皐月賞は先行して最後差されたので、先行はしなさそう。個人的に距離も少し短い気がする。
怪我明けというのが大きく、このオッズでは非常に買いにくい。Bにするか迷ったが、地力は高く低めのAという評価。
C カデナ(14人気216倍)
メンバー的に流石に厳しいか。ローカル競馬場の1800mがベスト。高速馬場の府中で、年齢的にもきつい。
A カラテ(9人気48倍)
天皇賞秋は堅い決着が多いが、1角崩しの立役者候補筆頭この馬か。前走の新潟記念は57.5kgのトップハンデながらも快勝。
思い返せばエンジンのかかりが遅いこの馬にとってマイルは忙しく、1800〜2000mがベストか。前々走の安田記念は直線で伸びない内を通って13着は度外視。菅原騎手継続騎乗はもちろんプラス。斤量が0.5kgしか増えないのも好材料。
充実期に入った今、GⅠを取るならこの舞台しかない。
A シャフリヤール(3人気3.7倍)
昨年のダービー馬。地力は最上位で、2度の馬券外は不良馬場に泣いた神戸新聞杯、イギリスの重い馬場が合わなかった海外GⅠで度外視可能。
昨年のジャパンCはコントレイルとオーソリティという強い2頭に負けているが、直線でコントレイルとオーソリティが壁になっており、不利もあった。
先行して最後差すという脚質で、大崩れしにくいのが魅力的。Bコース替わりとも相性が良い。
ただ、海外帰り、ジャパンCの叩きであること、Cデム騎手の古馬GⅠ成績が悪いこと、と不安要素もかなり多い。血統面でも、ディープインパクト産駒の勝ち馬は過去に1頭しかいない。ここは相手までか。
B ジオグリフ(5人気12倍)
今年の皐月賞馬。地力は言うまでもなく高い。福永騎手継続騎乗はプラス。前走のダービーは距離が長かったので度外視。
この馬はピッチ走法で、小回りや重い馬場が得意なタイプで、府中よりかは中山などが合う。また、ノド鳴りも不安要素。地力は高いものの、ここは買いづらい。
S ジャックドール(2人気3.3倍)
札幌記念の勝ち馬。初GⅠ制覇はここか。
先行して押し切るスタイルなのでBコース替わりはプラス。デビューから2000mのみ走ってきた。速い上がりも使え、左回りの広いコースが合いそうで、秋の成績が良く、秋天はベスト舞台。
馬券外に飛んだ2戦については、プリンシパルSは中1週のきついローテ、大阪杯は逃げるもアフリカンゴールドにマークされ、厳しい展開だった。札幌記念では4番手を追走し、直線で差し切り勝ち。これがこの馬の本来の姿のはずだ。
今回は逃げ馬のパンサラッサ、バビットを追走し、直線で押し切りたい。
S ダノンベルーガ(4人気8.6倍)
皐月賞、ダービーともに4着。皐月賞は圧倒的外伸び馬場に泣き、ダービーは距離が長かったのと、仕上げすぎた感があった。府中は新馬戦、共同通信杯で強烈な末脚を使った。府中2000mは合う。
この馬の魅力は直線で切れる足を持ちつつも、中団につけられることであり、コース替わりはプラス。ダービーでは1人気だったが、近2走で馬券外に飛んでおり、ここは人気を落としそうで買いどころ。
C ノースブリッジ(12人気125倍)
前走の毎日王冠は出遅れが響き、5着。上がりは速かったものの、今回は斤量が2kg増の58kgで、クビ差だったポタジェとは逆転が起きる可能性が。メンバー的にもやや見劣りする。
先行できれば、Bコース替わりを活かして3着なら。
B バビット(11人気102倍)
前走のオールカマーは1年半の休み明けながら、クビ差4着。1〜3着馬は内を通った馬だったが、内伸び馬場というわけではなく、人気所は外を回しすぎて飛んだという感じで、評価して良い内容だった。
小回りで実績を出してきた馬で、直線の長い府中は未知数。ただ、距離はベストで、Bコース替わりで内前有利なトラックバイアスになれば一発ある。パンサラッサよりも出足は早く、枠順次第ではこの馬が逃げる可能性も。面白い1頭で、A評価よりのB評価。
B パンサラッサ(6人気19倍)
快速の逃げ馬。小回りのコースが合い、距離も1800mがベストで、府中2000mでは割引き。ドバイターフはワンターンのコースで勝利したものの、ハマった印象。最近は出足が遅く、枠次第ではバビットに逃げられる可能性があり、自分のペースで逃げられないと厳しい。また、秋天は逃げ馬の成績が悪いレースで差し決着が多い。
ただ、このレベルの逃げ馬は少なく、実績的に19倍つくなら美味しく、買う価値はある。(もっと人気しそうだが…)
逃げられれば、自分との戦いに持ち込み、頭で来る可能性も十分ある。A評価よりのB評価。
B ポタジェ(7人気40倍)
大阪杯の勝ち馬。宝塚記念は大外、毎日王冠はトップハンデだったので度外視。斤量が増えず、ローテ的にも毎日王冠でしっかり叩けているのは好印象。
ディープインパクト産駒が相性の悪いレースということ、右回りの方が走るというのがマイナス。実績の割にオッズがつきそうで、期待値は高い。
A マリアエレーナ(8人気42倍)
2000mは3-2-1-0と上々。前走の小倉記念は先行して押し切る衝撃的な圧勝だった。Bコース替わりなのは良く、上がり勝負になれば厳しいものの、パンサラッサが飛ばして早いペースになりそうで、高速決着は歓迎。
小倉記念の2.3.5着馬は次走でGⅡで好走しており、メンバーレベルはそこそこ高かった。このオッズなら。
C ユーバーレーベン(10人気81倍)
昨年のオークス馬。実績はパッとしないように見えるが、JCはレベルが高く、京都記念は先行策が失敗、ドバイSCは大きく負けていない。前走の札幌記念は流石に太り過ぎか。20kg近く絞る必要あり。
出遅れ癖のあるミルコ騎手の騎乗で、Bコース替わりはマイナス。斤量も増え、ここは買いづらい。
C レッドガラン(15人気319倍)
新潟大賞典の勝ち馬。57.5kgのトップハンデで勝ち切ったのは強かった。能力はあるが、年齢的に高速馬場の府中は厳しいか。
岩田康騎手であればまだ買えたが、横山和騎手のテン乗りは大きくマイナス。買いづらい。
馬体がよく見える馬
1位 ポタジェ
2位 ジャックドール
3位 イクイノックス
シャフリヤール、ダノンベルーガは太く見え、本番までに絞れるかがカギ。