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高校見学に見る「私立」と「公立」の明らかな違いは、マーケティングの観点からも興味深い

我が家には受験生がいる。
まあいろいろと親子の葛藤があり、今ではどちらかというと「放任」に近い状態だ。だから受験日が迫っているこの時期でも、のんびり過ごしている。

去年、PTAの行事で高校見学バスツアーの運営委員になった。過去2年間、このような行事が開催されていたことを全く知らず。改めて、うちには手紙が届いていないのだなと実感することとなった。(手紙が届かない傾向なのはうちだけではないようだが)

ツアーの日程は1日。公立3つと私立1つを回ったのだが、公立と私立はこうまで違うのかと驚いた。

公立はどこもある程度の倍率、想定内の説明会

公立はだいたい会議室に集まって進路担当教諭の話を聞き、学校内を見学、パンフレットをもらって帰るというパターン。

中には「うちは、将来何がやりたいか明確になっている生徒じゃないとついてこれません」と明言している学校もあった。県内でメキメキと受験倍率を上げている人気校だ。校舎は大学のように広くてかっこよく、ホームルームという概念がない学校である。カリキュラムも大学のように、自分の進路に合わせて組んでいく。特に芸術系が強い。

確かにこういう学校に通うには、自主性がありやりたいことがはっきりしていないと難しいだろう。人気すぎるせいか、高校見学も他校と一緒だった。そういう受け入れ方法にも慣れているのだろう。

私立はウェルカム感がすごい

一方、最後に行った私立は、綺麗な視聴覚室のような場所へ案内され、一人一人冷たいお茶とちょっとしたお菓子がついていた。この日は暑い日だったので、冷たいお茶があったのは非常に嬉しかった。

偏差値はそれほどでもないし、特別進学校でもなかったが、超ハイクラス高校の学長が転任してきて、今後数年で偏差値を10あげるとかいう構想を話していた。実現するかどうかはわからないが、説明を聞いてもっともワクワクしたのがこの私立だった。

学校行事にも力を入れていて、毎年お笑い芸人を呼んだり(保護者参加可)、学長企画のイベントが毎月行われていたり、授業料免除の制度も割と気軽に使えるという話もあった。

少子化で子供の獲得も大変になっている昨今、私立は学生の確保が死活問題に直結する。ものすごいウェルカム感を出してくるのは当然のことと言えるだろう。学長のプレゼンテーションも面白かったし、パンフレットも公立とは比べ物にならない立派なものだった。学食はないもの、オシャレなラウンジスペースがあったり、エレベーターも生徒使用可とのこと。(学校によってはエレベーターがあっても生徒使用不可のところもあり)

千葉の東京寄りに住んでいる私たちは、都内の私立も含めると受験できる学校が200ぐらいあるという。かならず本人が学校見学に行き、偏差値だけではなく校風も見て決めるよう進路指導の先生からのアドバイスがあった。

自分たちの時とは全然違うことに驚くとともに、地方の小さな都市で育った私としてはこれだけ選択肢があることを、とてもうらやましく思う。

とはいえ、肝心の本人がまったくそのメリットを享受するつもりがないことだけが残念であるが・・・。

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