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ピントが合っているものを花と呼ぶことにする
#お花のある暮らしはじめました pic.twitter.com/GVvANrPASB
— 鹿 (@shikakun) February 24, 2019
人間がなにを考えているのかもわからないのに花のことがわかるはずない pic.twitter.com/ISfJtlYFm4
— 鹿 (@shikakun) March 7, 2019
現金や信書を送ることはできないが花は送れるゆうパケット #flower_is pic.twitter.com/m4WviHU6VH
— 鹿 (@shikakun) March 10, 2019
FLOWERは、花を売っているのではなく「部屋に花を飾るくらい心に余裕のあるわたし」を売っているんだ #flower_is pic.twitter.com/Z7UsNcjAnU
— 鹿 (@shikakun) March 13, 2019
部屋のなかに自分のほかに生きているものがあることに慣れてきた #flower_is pic.twitter.com/6Sr5KZyEtZ
— 鹿 (@shikakun) March 24, 2019
FLOWERをはじめてから、花ではないものが見えるようになった #flower_is pic.twitter.com/2ISZUMvd7a
— 鹿 (@shikakun) April 8, 2019
生と死が1と0ではないことを教えてくれる花 #flower_is pic.twitter.com/Y4S6EBKdGP
— 鹿 (@shikakun) April 22, 2019
ピントが合っているものを花と呼ぶことにする #flower_is pic.twitter.com/xgupKej2fx
— 鹿 (@shikakun) May 6, 2019
たまにじぶんがほんとうに自由なのか確認するために真夜中に花とか飾ることある #flower_is pic.twitter.com/984iE5YXXH
— 鹿 (@shikakun) May 21, 2019
新しい部屋には展示スペースがあったのでFLOWERで届いた花を飾った #flower_is pic.twitter.com/WQEtIqoxcv
— 鹿 (@shikakun) June 22, 2019
この部屋にいることがだんだんふつうのことになっていく #flower_is pic.twitter.com/KqjYU10A4w
— 鹿 (@shikakun) June 30, 2019
花の定位置ここになった #flower_is pic.twitter.com/WRxhtALpwR
— 鹿 (@shikakun) July 15, 2019
観賞用の鷹の爪というものがあるらしい #flower_is pic.twitter.com/HIAkT0Dfoe
— 鹿 (@shikakun) August 25, 2019
嘘は水色 #flower_is pic.twitter.com/cBKruYLWJM
— 鹿 (@shikakun) September 11, 2019
この部屋で生きているものたちのなかでいちばん元気な花 #flower_is pic.twitter.com/cGP34TQ7bF
— 鹿 (@shikakun) September 23, 2019
花はF2.8で撮るのがじぶんの見えかたにいちばん近い #flower_is pic.twitter.com/cgFwwEnFcR
— 鹿 (@shikakun) October 20, 2019
水だけで美しいのに花まで飾る #flower_is pic.twitter.com/iiQvFG4pEX
— 鹿 (@shikakun) November 17, 2019
FLOWER という iPhone のアプリがある。アプリを起動すると、2 種類の小さな花束が表示されて、どちらかを選べる。選んだことも忘れたころ、会社から帰ると郵便受けに花が届いている。箱を開けて、花瓶の水に栄養剤を溶かし、花を飾る。2 週間ほど経って、花に元気がなくなってくると、アプリでまた新しい花が選べるようになっている。たったそれだけのことなのに、たったそれだけのことによって、僕は部屋に花を飾るようになった。
花を買うには技術がいる。まず、花屋に入る技術が。それから、花を選ぶ技術も。誰も教えてくれないのに身につけなくてはならない技術が、この世界には多すぎる。これは、どうやって花を手に入れるのかという話ではなく、アクセシビリティと人権の話だ。どんなにささやかなことでも、できない人がいる。そのことを、想像できるかどうか。
カメラには、レンズの焦点距離、光の量、そしてピントをあわせる変数がある。変数の値を決めることは、なにを見るのかを決めること。だから、ファインダーから見つめる被写体の像は、見ることそのものを自覚的にさせてくれる。写したものよりも、写さなかったことのほうがリアル。ぼやけてかたちがはっきりしなくても、ある部屋で、ある夜に、たしかに咲いていた。その花を、僕だけが見ていた。
これは、2019 Advent Calendar 2019 の 5 日目の記事でした。昨日は kzys さん、明日は bastei さんです。