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一級総合無線通信士試験攻略 (テキスト/過去問)
概要
こちらのページでは、一級総合無線通信士を受験するに当たり、どのように勉強すればいいのか、どんなテキスト/過去問が有益なのかについて解説する。
なお、下記ページにて、一級総合無線通信士試験を取得するために必要な前提知識やざっくりとした各科目ごとの受験戦略についてまとめているので良ければこちらも参照してほしい。
また、それぞれの科目ごとの詳細な勉強方法については別記事にまとめる予定のため、よければそちらも参照されたい。
このページを三行でまとめると
残念ながら一般財団法人情報通信振興会が販売している過去問集は役に立たない場合が多い
過去問を通して自分で調べて勉強するしか無い
一級陸上無線技術士試験向けのテキストが次点で役に立つ
有益なテキスト/過去問
一級総合無線通信士試験を受験しようと思う人が Amazon や大型書店などを探してまず驚くことに、市販の過去問集やテキストが見つからないことである。
結論から言うと、一級陸上無線技術士向けに市販されている有益なテキストや過去問集はない。
これは卵が先か鶏が先かの議論にも若干なるのかもしれないが、受験者数が少なすぎることが要因であると思われる。
2022年度における一級総合無線通信士試験の受験者数は244人、そのうち実際に受験した人数は207人と極めて少ない。
例えば、どんどん受験者が減っていると言われている司法試験でさえ約3000人、多くの学生や会社員が受けるであろう TOEIC に至っては計230万人と、受験者数に大きな隔たりがあることがわかる。
出版社としても、受験者全員が購入するとしてもせいぜい200人しか購入しない試験のためにテキストや過去問集を作成しても利益は出ないどころかお大赤字だからであろう。
一般財団法人情報通信振興会が販売している過去問
色々調べた読者の方の中には、「いやいや、 一般財団法人情報通信振興会が過去問を販売しているじゃないか!」と言う方もいると思う。
検索すると、以下のように販売ページも見つかるし、プリント版ではあるものの過去問集が確かに販売されているようにみえる。
![](https://assets.st-note.com/img/1663613583920-u2hhId5cBL.png?width=1200)
これは、ある意味正しいのだが、残念ながら一般的な過去問集を買う人が期待する (というか、それが当たり前だと思う) 過去問集とは異なっている。
私も実際に 一般財団法人情報通信振興会から過去問を買って驚いたのだが、解答の解説が無いのである。6科目分含まれているとは言え、プリント版 (つまり、コピー機でコピーした A4 サイズの冊子)、それも2回分しか収録されていないのに3000円もするばかりか、解答解説が無いのである。
正確に書くと、無線工学の基礎、無線工学A、無線工学B については、最低限の "解答の指針" は確かに記載されている。
また、一部科目 (無線工学系3科目、及び、法規) については過去問の出題傾向の記載はあった。
しかし、逆に言うとそれだけである。
それ以外は、ウェブで一般公開されている過去問の問題と解答が印刷されているだけである。
購入者数が少ないため値段が高くなることについては理解はするが、さすがに解答解説が無いのには驚いた。
特に法規の問題は、間違った条文や条文解釈を選択する問題が頻出だが、具体的にどこが間違っているといった解説がなく、普通にウェブで公開されている正しい解答番号だけが記載されているのは辟易した。
また、法規はタイミングによっては法改正や省令改正が行われ、以前の問題の解答が変わったり不適切になることもあるが、それにも対応していないとのことだった。
(冒頭に「注意: 各設問に対する答は、出題時点での法令などに準拠して回答しております」と注意書きがあっただけ、まだましかもしれないが、それは単にウェブで一般公開されている解答をそのまま写しただけです、ということではないのか・・・)
後々気づいたことだが、たしかに販売ページには「解答の指針(無線工学)」との記載があるので、嘘はいってない。
これは、無線工学の科目にのみ、解答の指針を掲載しているが、詳細な解答解説はなく、かつ、無線工学以外の科目には解説すら無い、ということを意味しているのである。
一般財団法人情報通信振興会について思うこと
個人的には販売価格が高いことや解説が一部の科目しか無いことについては、どうしても購入者として期待できる人数が少ないことから仕方がないと思っている。
ただ、せめてページのサンプルを載せることや、無線工学以外の科目には解答解説がない (つまり、ネットで一般公開されている解答番号しか掲載されていない) ことを明記するなど、購入者の立場に販売ページの記載を期待する。
(もちろんそんなことをすれば購入者が 0 になるのでやらないのだろうが)
それ以外の有益なテキスト
完全に一級総合無線通信士試験向けではないが、一級陸上無線技術士試験向けのテキストが参考になる。
というか、それ以外では普通に無線工学系の学問書を買うくらいしか無い。
私の肌感覚だが、法規については4割程度は同じ条文が出題されるため、一級陸上無線技術士試験を受けたあとの記憶が残っている間に受験すると良いと思う。
ただ、一級陸上無線技術士では問われなかった海上局や緊急通信の手順 (例えば、MAYDAY を1回送ったあとに CQ を1回送り~)、各周波数ごとの利用目的等については条文を読み込んで覚えるか、過去問を通して覚えるしか無い。
過去問の入手方法
過去問については、以下の3サイトからダウンロードが可能。
日本無線協会 (試験運営元) は直近2回分 (1年分) のみウェブで公開しており、直近3年分については有償、かつ、書面での開示請求が必要になるが可能である。
Q. 過去に出題された問題は公開されていますか。また、それらの解答・解説などの情報は得られるのでしょうか。
A. 各資格の直近に行われた試験(全国統一実施の試験に限る。)の問題・解答は当協会のホームページの「最近の国家試験及び解答」に掲載しています(CBT方式の試験のものを除く)。
また、それ以前のものについては、3年間は保管していますので、Q7のAに準じて、書面により開示請求していただければ、情報を得ることができます。
なお、1資格1試験期の試験問題の枚数が15枚を超える場合(上級の通信士、技術士、第1級陸上特殊無線技士等)は、手数料300円に加え、1枚につき20円の追加料金がかかります。また、重さに応じた返信用の郵送料も必要になりますので、費用については事前にご相談ください。
電波受験界は直近6回分のみウェブからダウンロード可能であった。
前述の個人サイトには、大変ありがたいことに一部の年度のぬけもれがあるものの、2002年3月以降の約20年分の問題が公開されており、それも一括ダウンロードができるよう zip でまとめてくれている。
そのため、過去問はこちらの有志の方のサイトよりダウンロードするのが良いだろう。
正直、この有志の方が過去問を公開してくれていなければ試験勉強すらできない状況になったと思う。
ここに謝意を示したい。
なお、それぞれの科目ごとの詳細な勉強方法については別記事にまとめる予定のため、よければそちらのページも参照されたい。
まとめ
一級陸上無線技術士の試験と違い、過去問集やテキストがない。
また、受験科目も7科目と多く、勉強を開始する前に、どのように勉強をすればよいかについて悩んだり情報収集をしたりする時間がかかると思う。
このページの内容が少しでも勉強の参考になれば幸いである。
以下、蛇足。
安価、かつ、見やすい過去問集の作成方法
以下は、試験勉強とは直接関係ない、できるだけ安価に、かつ、見やすい過去問集をどう印刷するかを調べた結果である。
100円の有料ページにしているが、自宅や会社のコピー機を使う人は特に読む必要はなく、試験勉強とも直接関係はないので興味がある人だけ読んでいただければ幸甚である。
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