中小企業診断士が教える経営理念の考え方
ほとんどの企業に経営理念が存在しますが「そもそも経営理念って何?なんのためにあるの?」という人も多いハズです。
もちろん私も中小企業診断士になるまではそれくらいの認識でした。(笑)
ちなみに、中小企業診断士の勉強を始めて最初の科目「企業経営理論」でつまずくのが、企業活動の全体像を表した、経営理念を頂点としたピラミッドについてです。
経営理念とは
経営理念とは、その企業の存在意義を表したもので、その企業にとっての考え方の土台となるものです。
社是・ミッションなどの言葉で表現している企業もりますが、どの企業でもほぼ同義で使われています。
経営理念が必要とされている理由は主に3つあります。
1つ目が社員のモチベーションを高める目的です。
社員は何も考えずに労働するよりも、自分が信じられる・正しいと思える理念を持ちながら働くことでモチベーションが上がると考えられています。
上司から闇雲に「黙って売上あげろ!」と詰められて働くより、〇〇でお客様の△△を解決する!という意気込みで働くほうがやる気がでますよね?
ただ、あまりに経営理念を前面に出してモチベーションを上げさせようとする企業はブラック企業になりがちですけどね…
2つ目が意思決定の基準になることです。
企業活動は多くの意思決定の上に成り立っています。
メリット・デメリットだけで判断できない場面に遭遇した時に「どちらが経営理念に沿っている判断か?」という判断基準で意思決定しやすくなります。
3つ目は社員の仕事上の価値観の共有に役立ちます。
同じ理念を共有することで、価値観を共有できるので仕事上のコミュニケーションがとりやすくなります。
経営理念が単なるスローガンになっている企業の特徴
経営理念にはたくさんメリットがありますが、中には単なるスローガンとなってしまっている企業もあります。
なぜそうなってしまっているかと言うと「組織文化と経営理念がマッチしていない」ことが理由です。
経営理念はCEOや役員たちが定めるものですが、組織文化は社員一人一人から成り立つ醸成されるものです。
単なるスローガンとしないためには、経営陣が現場のことを理解し「社風にあったものを制定する」or「経営理念が根付くような指示を現場に落とす」ことが大切です。
経営理念の種類
企業の経営理念は企業の社会的使命・企業の事業領域・企業が将来目指す姿を示したビジョン・創業以来受け継がれる経営哲学など、様々な姿で表現されています。
経営理念には厳密な定義は存在しません。
ちなみに、経営理念を分類すると
・ミッション型
・ビジョン型
・事業領域(ドメイン)型
の3つに分けられます。
経営理念と経営方針(経営計画)の違い
経営理念と経営方針(経営計画)って似た名前でわかりにくいですよね。
その違いを簡単にまとめました。
経営理念は企業の考え方のすべての基礎となるものです。
そのため、抽象度が非常に高いです。
実際の企業理念をいくつか挙げてみます。
サントリーグループ
「水と生きる」
丸紅
「丸紅は、社是「正・新・和」の精神に則り、公正明朗な企業活動を通じ、経済・社会の発展、地球環境の保全に貢献する、誇りある企業グループを目指します。」
NTTコミュニケーションズ
「人と世界の可能性をひらくコミュニケーションを創造する。」
光通信
「すべての人に満足を…」
象印マホービン
「暮らしを創る」
マルハン
「私たちは社業を通じ、人々に生きる喜びと安らぎの場を提供し、心身のリフレッシュと明日への仕事の糧となることを念願し、幸せで希望に満ちた明るく楽しい社会づくりに貢献します。」
思いついた企業のものを調べてみましたが、どこの企業も抽象度が高めのものを設定していますね。
経営方針(経営計画)はピラミッドの一番下の階層にある具体的なものです。
「いつ・だれが・何をする」というとこまで落とし込み、社員一人一人が明日から何をすれば良いか理解できるレベルまで落とし込んでいる状態です。
ピラミッドの上は抽象度が高く、下にいくほど具体的になると覚えておきましょう。
参考
中小企業診断士が教える経営理念とは|資格GEEKS
働きながら中小企業診断士に独学でストレート合格するための方法|資格GEEKS
中小企業診断士を目指すあなたにオススメしたい厳選テキスト15選!|資格GEEKS
TACと診断士ゼミナールを経て中小企業診断士に合格するまでの話|資格GEEKS
診断士ゼミナールのガチレビューと口コミ・評判|資格GEEKS