ITストラテジスト試験午後Ⅰの解き方①
情報処理技術者試験の高度区分合格には午後Ⅱ論述(論文)試験対策が不可欠ですが、実は案外鬼門なのが午後Ⅰ記述試験。ここで躓くと、せっかく論文をうまく書けても採点さえしてもらえません。
今回、全5回に分けて「ITストラテジスト試験午後Ⅰの解き方例」をご紹介します。題材とする過去問は、令和6年度午後Ⅰ問1と使用します。
まず1回目は2つの「知っておくべきこと」をご紹介します。
まず知ること(問いの主旨)
実際に過去問に目を通す前に、まず知っておくことがあります。
それは、問題文に登場するA社は「市場を席巻していて放置していても毎年100兆円の利益が積みあがる」という設定では決してないということです。
一方で「何の目標もなく、強みもなく、借金まみれで自転車操業しながら倒産を辛うじて回避している」という設定でもありません。
多くの場合、「A社は〇〇〇な経営目標や戦略を持っている。△△△なサービスや製品で強みがあり、他社との比較や顧客からの指摘で◇◇◇な課題がある」と問題文に記載されており、「課題解決をしながら強みを生かして戦略を実行し、目標を達成する」というストーリーになっています。
このとき、問題文で挙げられている課題が最後まで放置されることは、ほぼありません。問題文で課題解決ストーリーが描かれない場合、設問で課題解決を問われる、そういう形式となります。
このことを意識しながら問題文、設問を読んでいくことが重要です。
次に知ること(問題文と設問の構成)
次に知ることは問題文と設問の構成です。
ITストラテジスト試験の問題文は、まず前文があり、次に4~5個程度の章に分かれています。各章には〔 〕で囲まれた見出しが付いており、見出しだけを順番に見ていけば大まかなストーリーが概観できます。
また設問では、「この章のことを問うよ」と、見出しを明示した上で問い掛けをしてくれます。つまり全部の問題文を読んでから設問を解くのではなく、1つめの章を読んで設問1を解く、2つめの章を読んで設問2を解く、ということが可能です。
今回は、ITストラテジスト試験午後Ⅰ問題を実際に解く前に知っておくべきこと2点をご紹介しました。