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あ、ハッピーニューイヤー!!

正月である。昨夜は甥っ子姪っ子たちとマリオパーティーで大はしゃぎの鹿田である。なんともパーティーゲームというやつは幼心を思い出し、大層楽しい。また正月や大晦日にやるボードゲームって、なんかいいよね。

鹿田です、よろしくね。

とまあそんな感じで昨夜はゲーム三昧の夜を過ごし、0時を過ぎてからは友達とオンラインでまたマリオパーティを開き、大差で負け、涙で枕を濡らした元旦であった。

朝目覚めれば程よい二日酔いとともに、冷え込んだ部屋の空間は一歩も鹿田を外に出そうとしない。こたつむりならぬふとんつむりと化した鹿田は再び新年早々両の人差し指のみを布団の縁より突き出し、白旗の代わりに鼻を噛んだティシュを誰へともなくふらふら降るのであった。

しかし正月。家には怪獣が住んでいる。怪獣は再び安眠に戻ろうとした鹿田の部屋を「どんどん」と叩く。しかも3匹だ。いくら布団の縁から指を出し白旗をふろうが、それは無残にも怪獣によって引き裂かれた。

「おきろー!鹿田!げーむやっつぉー!」

鹿田は成すすべもなく下界へ連れ去られ、なくなくトランプをシャッフルするのである。まあしかし、もともとが”かるい”鹿田である。あっという間にゲームに熱狂し、甥っ子姪っ子をさておいて、人一番はしゃぐのである。こうなってはもう誰もとめられない。しぶしぶひとり甥っ子の遊ぶ携帯ゲームを見つけては「おれにやらせろ」と取り上げる。甥っ子が泣き叫ぼうが構わない。ゲームの虜になった鹿田は無敵である。そうして正月は過ぎていく。新年がこようがまったくもって、鹿田は成長しないのである。

めでたしめでたし。正月に於いてめでたいことほど素敵なものはない。みんなめでたくなりたくて、神社にお参りに行ったり、豪華なおせちを食べるのである。しかし、周りの白い目をしらずに一人ではしゃぐ大の大人鹿田ほど目出度いものはない。みんな、今年の幸せにありつきたいのならば、鹿田を拝むことこそが近道である。この思考すら目出度い。目出度いのループである。鯛も恐れおののき調理されたことにも気づかず歩いて海に戻るくらいだ。鯛が靴を履けば退屈である。正月の鹿田に退屈など入る余地はない。よって鯛が海に帰るのは至極当然であるのだ。

愛でたいほど目出度い正月の鹿田であるが、こんな景気のいいことはつかの間である。冬の正月に鹿田が陽気でいられる理由は一つ。こたつとトイレの往復だけですべての用が済むからである。正月休み明けの鹿田の絶望はそれに反比例しとてつもない。きっと正月休みが明けた暁には、現実逃避し再び布団にこもり、ふとんつむりとなっては冬ぶとんの殻にこもる。鹿田は今年も冬が嫌いである、大嫌いである。これだけは決して変わることのないアイディンティティーの構築材料である。それは夏が好きであることの裏返しであるのだから。


適当を適当たらしむ鹿田である。そして多少頭に残る二日酔いが面倒なので、今日はここで終わる。


あ、ハッピーニューイヤー!!


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