進んで行く事を知っているだけ「蜘蛛の糸・杜子春・トロッコ 芥川龍之介」
蜘蛛の糸を読んだ事がなかったのでもったいないと思い読み始めた。通勤中に読んだ事と純文学であることから理解度が足りてないような気もする。今後は猫の手も借りたいという表現に加えて、「蜘蛛の糸にも縋りたい」という文学的言い回しを使っていきたい。
結局1ヶ月半かけて読み終えた。芥川賞というワードは耳馴染んでいるものの、その作品にしっかり触れた事はなかったかも。子ども向けの芥川作品を集めましたと書いていたが、本当か?と疑惑を持った、言葉の順応に時間がかかる。ともあれ桃太郎、白、三つの宝は幼くても内容が分かる戯曲だし、誰もが知っている昔話から良い意味で裏切られる感覚は小説の醍醐味であり文学に興味を持つきっかけになるだろう。単なる感想が書評のようになるのだから芥川の偉大さに屈服である。
・個人的に面白かった作品
杜子春
魔術
蜘蛛の糸
トロッコ
白
桃太郎
・なんだか良かったと思えた言葉
〜トロッコ〜
登り道の方がいい、何時までも押させてくれるから
〜三つの宝〜
我々の前には霧の奥からもっと広い世界が浮かんで来ます。
その世界に我々を待っているものは、苦しみかまたは楽しみか、我々は何も知りません。唯我々はその世界へ、勇ましい一隊の兵卒のように、進んで行く事を知っているだけです。
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