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テレビってすごい
突然実家にあるテレビが壊れた。急に動かなくなったので驚いたが、いきなり動かなくなったのではなく、徐々に進む劣化に気づいていなかったのかもしれない。
2回の引っ越しを乗り越えてきた、かなり大きい液晶画面だった。
1回目の引っ越しの時にテレビが付かなくなった。ブルーレイの予備電源を使って番組を見る事はできていたので、そのままにしておいた。修理しようかとも考えたけど、修理費があまりにも高かったので、使えるうちはと取りやめになった。
そして今回、ブルーレイの方もついに壊れたようだ。電源をつけようとしても、コンセントをいじっても、うんともすんとも言わない。掃除を怠って溜まった埃がふわふわと泳ぐだけだった。
朝家を出る前や夜食事をする時にテレビは付いている家庭だった。
勝手に目に入る朝の占いや、高学歴の人達が私達の知らない世界の問題に一喜一憂する姿を見ることも無くなった。
リビングから音が無くなるとこんなにも静かだったのかと思っていたけれど、その生活にも慣れてきてしまった。
でもやっぱりテレビがあると安心するし、NHKとの関わりも無くなってしまう気分だし、毎日の天秤座の順位も知りたい。
スマホで調べるより、テレビで見る方が「うわあ、また9位かよ。」とかダメージを受けやすいと思う。アナウンサーの発言は重みが違う。
今はYouTubeが主流で、テレビの時代は終わったなんて言うけれど、何百万人とチャンネル数を持っているYouTuberでさえ視聴率にしてみると1%くらいになってしまう。
日本の番組はとりわけ特番が多い。季節の変わり目ごとにバラエティのスペシャル番組があるし、様々なアーティストが出演するライブ配信が毎週のように放送される。テレビ放送に力を入れている国だと思う。
以前アジアの異国で年越しを迎えたが、面白そうな番組は何一つやっていなかった。ドラマの再放送とニュースとサッカーの試合。結局ホテルの部屋で、知らないチームの知らない誰かに知らない審判が試合を中断しているところを見ながら新年を迎えた。
行く年来る年を見たいと初めて感じた。
テレビが当たり前に存在する生活をしてきたから、画面の大きさ以外にも、生活の中に常に影響を及ぼしていたのだろう。壊れてから気がついた。
テレビって、すごい。