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年間50冊読む為の読書記録

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年間50冊読みたい。 主にInstagramへの記録がメイン 〜〜~~ 2020年:73冊 2021年:27冊 2022年:現在39冊(8/18時点) 2023年:24冊 202…
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#読書感想文

必ずしも希望の夜明けにならないとしても「夜が明ける 西加奈子」

必ずしも希望の夜明けにならないとしても「夜が明ける 西加奈子」

夜が明ける
西加奈子

読んでいる途中、人間の生物としての生々しさが文章からぞわぞわと伝わってくる。フィクションと忘れるほどの内容はだんだんと気持ち悪さを覚え、読み終わった後はアカデミー賞の洋画を観た喪失感を味わった。それはハッピーエンドで終わることのない終わりの見えない不幸と、不安を苦しみを一人で抱え続ける人間の強さと弱さが入り混じり、生への叫びが込められている作品だったからだ。

その炎は、きっと誰かを照らす。煌々と。熱く。「炎上する君 西加奈子」

その炎は、きっと誰かを照らす。煌々と。熱く。「炎上する君 西加奈子」

炎上する君
西加奈子

とりあえず読み終えた、先に年内に投稿しておこう。

2021年残り4分駆け込みで読了した作品。もっとしっかり読みたかったが致し方無し、やり切った満足感を味わいたかったので、、

フィクション、特にある風船の落下は架空話が強いと感じたけれど、人間生活の煩わしさとそこからの解放は誰しもが考えた事があるから、妙に納得した。自分がある種の悩みを抱えていても、その程度の事で悩んでいる

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わからないところがまた魅力「もぎりよ今夜もありがとう 片桐はいり」

わからないところがまた魅力「もぎりよ今夜もありがとう 片桐はいり」

もぎりよ今夜もありがとう
片桐はいり

友人から片桐はいりのエッセイを勧められたのが今年の頭。グアテマラの弟を読んでからだいぶ放置してしまった、、ごめんネ。(グアテマラの弟が1番面白いと聞いたはずなので許してくれるはず)

映画のもぎり、今ではなくなった職業?変わってしまったその魅力と片桐さんの生い立ち、映画お芝居との向き合い方が少しわかったような気がします。ものすごい技術的に凄いというより、好き

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生は虚無の中に沈む「ダンス・ダンス・ダンス 下 村上春樹」

生は虚無の中に沈む「ダンス・ダンス・ダンス 下 村上春樹」

ダンス・ダンス・ダンス 下
村上春樹

主人公の僕は様々な喪失と絶望の世界を通り抜けていく。相変わらずフラットな考えを持つ人間がいない村上ワールド。フラットではないと自覚しながらその歪みを受け入れて、なおかつフラットであるかのように過ごす登場人物が魅力的。側から見れば「変人、奇人」の簡単な一言で済まされてしまうのかもしれないけれども。人は死ぬしお金は無くなるし愛する人は変わる。全員が幸せになれない

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意味なんてもともとないんだ「ダンス・ダンス・ダンス 上 村上春樹」

意味なんてもともとないんだ「ダンス・ダンス・ダンス 上 村上春樹」

ダンス・ダンス・ダンス
村上春樹

 札幌の街から主人公である僕の物語が始まる。ホテルを舞台に物語が展開されてやがて東京へ。東京では警察、学生時代の同級生、娼婦といった奇妙な人間との出会いの中で、僕の物語が進む。

 久しぶりの村上春樹。羊をめぐる冒険に続く物語だけど、それを知らずに購入した。内容を知らずとも村上ワールドに入ればそんなものは関係なかった。やはり今作もなぜかモテる僕はすぐに女と関係を

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