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『日本歯科評論 増刊/歯内療法のレベルアップ! 最新マテリアル・ツールを活用した臨床テクニック』より―「序文」


『日本歯科評論 増刊/歯内療法のレベルアップ! 最新マテリアル・ツールを活用した臨床テクニック』を9月1日に発刊します! 「序文」をウェブ版として公開します.ぜひ,ご一読ください.(編集部)

健康を維持するためには,口腔の健康が重要であることは近年の研究でわかってきています.口腔内を清潔に保つことは必須ですが,歯を喪失しないようにしなければなりません.根尖病変があるから抜歯して補綴装置あるいはインプラントとする前に,歯を保存するための歯内療法学の知識,技術をわれわれ術者側が高めなければいけません.

このたび,『歯内療法のレベルアップ! 最新マテリアル・ツールを活用した臨床テクニック』を発刊することになりました.歯内療法はNiTiロータリーファイル,マイクロスコープ,MTAセメント,CBCTが開発されてから飛躍的に進化し,さらに現時点においてもさまざまな研究が進められています.それぞれのものが開発された当初より,改良が重ねられ,NiTiロータリーファイル,マイクロスコープ,MTAセメントについては,より使用しやすいものに改良され,CBCTについては,より精度の高い診断ができるようになってきました.

現在,日本の歯内療法のトップで活躍している先生方が,どのような機器,器材,ソフト等を使用して,患歯ならびに患者さんの健康の回復に努めているのか? 同じ根管治療を行うにも,術者によって術式や処置法に違いがあるのか? 根管治療を極めたいと考えている先生方にとっては,知りたいことが沢山あると思います.

患者さんは自分で自分の歯を治療することはできません.患者さんの主訴を問診や視診などからより詳細に正確に把握し,患者さんの患部の状態を説明するためには,マイクロスコープとその関連機器を使用して得られた情報,CBCTからの情報を術者が整理し,丁寧に患者さんに説明することが重要ではないでしょうか.

是非,この本から沢山の情報を得られることで,患者さんの口腔内の機能が保全され,健康ライフが続けられることへの手助けができれば幸いです.


2021年8月
編著者 辻本恭久


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