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自分史的なクリッピング史料

昨日はクリスマス。クリスマスソングと言えば・・・といった企画でよくTVで特集っぽいやつを組んでいるけど(一昨夜もやっていた)、自分はやはり山下達郎の " クリスマス・イブ " になっちゃうなぁ。シュガーベイブのCDも持っている。今の若い世代に山下達郎はどんな感じなんだろうか?  CMでもかなり有名になっているし、カバーする人も多いだろうから若い年代でも知っているんだろうと勝手に憶測しつつ、毎年クリスマスはやはり年の瀬を思い起こさせるイベント。そしてそれが終るといよいよ今年もあとわずかと思う。

ところが世間では、相変わらず物騒な事件やら、女医さん(研修医)の極めて不適切なSNSへの投稿があったり、そして兵庫県における百条委員会等々あげたらきりがない。世の中は常に揺らぎ動いている。その動きに追いつけないケースが多い。年齢のせいだろうか。とはいえ、来年以降の将来に期待を寄せる時期でもある。

2022年9月22日 日経 グローバルオピニオン ジャック・アタリ
30年後の課題解決、カギは個人に

仏・ミッテラン元大統領の特別顧問だった同氏によるオピニオン記事。
人類は太古から未来予測を試みてきたが、現代では科学的なアプローチによってその予測の正確性は飛躍的に向上しているんだとい旨のリード文で始まっている。そして2050年の世界人口、気候変動、自然環境はほぼ正確に予測できるものの、技術進歩の未来予測は不確実性が高まり、医療、宗教、地政学などの予測も不確実性が高まると。という前提で氏が自身の意見を披露するという構成で、次のパラグラフに移る。

まず気候。30年後、猛暑で居住が困難になる地域・国として南アジア、イラン、クウェート、オマーン、ソマリア、エジプト、エチオピアを挙げていて、ブラジル、メキシコも同様だと。そしてパキスタン、バングラデシュ、オランダ、英国は洪水の頻発で住めなくなるとしている。世界人口は97億人にもなり、インド、ナイジェリア、パキスタン、コンゴ、エチオピア、タンザニア、インドネシア等の国々は人口が倍増し、少子化、高齢化は進展し、6人に1人が65歳以上の高齢者になる。日本も当然、それ以上の高齢化が予想されている。

テクノロジーはどうか?
・クリーンな水素の製造
・核分裂
・量子コンピューター
・ごみのリサイクル
・温暖化ガスの削減
・ナノテクノロジー
といった分野で大きな進歩が見られるだろうと。これらの領域についてはよくメディアで目にするものばかり。当然必死になって研究が継続されていることは想像に難くない。

3つ目は医療。人工器官の開発や、メッセンジャーRNAなどの技術による治療法の開発といったことに加えて、食生活の改善や温暖な地域での暮らし、適度な運動などによって、平均寿命は100歳を超えるだろうとも。でも条件をクリアした場合と付されている。

4つ目は教育。デジタル技術の進展により、読み、書き、計算、プログラミングは学ぶ必要がなくなるとしている。ちょっと怖い。これによって、アフリカやインドでは伝統的な学校制度が崩壊し、富裕層の子弟向けの私立学校が増える。学校ではなく、インターネット、ホログラム、仮想空間などを経て、デジタル教育は急速に進展するという論。これもこれでちょっと想像が及ばない。総論は分かるけど、一体、これまで培ってきた基盤が崩壊して、新たな社会構造に生まれ変わってしまうんだろうか?と。

そして地政学と戦争。国家や社会集団間の不平等は拡大して、水などの不可欠な天然資源の利用に著しい格差が生じて緊張が高まる。ウクライナのような地域紛争や、台湾紛争、イラン、北朝鮮の生き残りをかけた行動が予想されると。中国も内政に専念せざるを得ず、軍事的な大きな賭けに出るかもしれないとも記している。世界政府がある訳ではないので、こうした流れを変えるような期待は持ち得ない。それでも地球規模の課題についてはコンセンサスに至らざるを得ないだろうと。このあたりの思考も総じて違和感もない予想の一つだとは思うけど・・・。

そして同氏は解決の目標設定は、世界というよりは、国、企業、個人のレベルに落とし込んだ方が容易だし、それぞれの主体による意思決定のスピードも担保されるから、将来への影響は大きいはずだし、全員一丸となって目標のクリアを目指せば、将来は明るくもなるのではないかと。

同氏の楽観的な結びはあくまで条件付であるということを認識しなければならないと後のコメント欄に記されている。健康や福祉、教育、環境など生命を守る領域の経済(「命の経済」)を強くする考え方だとまとめられてもいる。一丸となってと期待と楽観に見えるような結びも実は言外に危機感を感じて欲しいというメッセージなのだろう。生活基盤の消失予想や、教育格差の拡大など、世界の分断を助長する可能性も大きいということもリスク要因であることは間違いない。

新型コロナウィルス、ウクライナ侵攻など、目先の事象にとらわれることなく、長い目で見て、次の世代、その次の世代に何を残すのかなどを真剣に慎重に考える必要がある同氏の指摘は、一人ひとりに長期的な思考のきっかけを与えてくれたのだという理解が必要だろうと最後の最後でまとめられている。多分、こうした識者の論考は、少々新聞記事においてはものすごく大筋でまとめられているので、正直読めば当たり前だなぁと思うことばかりで、実はインパクト的には弱い気がする。それでも、世界の識者がどんなことを言っているのか?くらいは気にかけておきたいという気分でクリッピングしたんだと思う。総論理解、各論は別途ということだろうけど、こうした身近に感じられない課題をどのように考えればいいのかというきっかけにはなっている。




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