自分史的なクリッピング史料
年末年始は特番、比較的最近の映画などが地上波で放映されるなど、お腹一杯になるほどTVの前に釘付けになった人も多いかもしれない。さすがに自分の年齢になると、紅白歌合戦も観ないし、かといって物凄い勢いで読書する訳でもない。それでもお気に入りのスターたちはいる。ちょっと渋いところでは高倉健さん。今日は高倉健さんにまつわる記事を。
2023年11月23日 朝日 高倉健さん 手帳に刻んだ「訓」
衣装部屋の引き出しから見つかる
2014年に亡くなった高倉健さん。今年で10年という時間が流れたことになる。高倉さんの演技はヤクザ・任侠ものよりも、後半の方での活躍に目がいったのではないか。その時からのファンだ。きっかけは「ブラック・レイン」。あの時の刑事役がなんとも神々しく見えた。
さてこの記事では、高倉健さんのパートナーである小田貴月さんが遺品整理した時に見つけた一冊の手帳のこと。そこには高倉健さんの秘めたる思いが刻まれていた・・・と冒頭で始まる。プライベート空間であったため、生前には立ち入ることはなかったらしい。
見つけたのは使い込んだエルメスの手帳。使い込んだというのが、また高齢のおっさんには響くものなのだ。エルメスか・・・・・(ちょっと手が出ないかも)。メモは1976年、高倉健さんが45歳で東映を退社した当時のメモだったと小田さんは推測している。「訓」と題して・・・。
「訓」は15にも及ぶ。
1 Coolになれ!
きらびやかな世界にいた人だからこそ、周りにちやほやするする人がい
るからだろうか・・・。
2 俺についてこい
Coolな上に下を引っ張る感が上に立つものの使命のような文言。
3 一度黒い腹をみせた奴は許すな!
一度でも不義理をなしたものは許すなとは、今の政治の世界や競争心満
載の現代社会では、勝手に許すという文化もあるような・・・。
4 平等の精神
自分の背中をみせながらも、上下間では平等の精神が必要と言っている
のではないのか・・・。
5 責任者になるな。印鑑を押すな。
安易に覚悟なき者は、トップに立つべきではない・・・と解釈。
6 マフィアの様にドライに! 或る時は。
或る意味では怖いほどの冷徹さを持つことも必要という教訓か。
7 外資銀行の借入れが有利。
曲解すると、護送船団方式から、自己中心且つ保守的な邦銀を信用する
なとでも言いたいのだろうか。それとも実践的なアドバイスかも。
8 人事権の確保。
これはチームビルディングにおいてイニシアティブが持てなければいい
作品などできないということなのか・・・。企業組織内でも色々な人が
いる。今では多様性などと言って時には美化されてしまいがち。またあ
る意味では好き嫌いなどが極端になったり。これらを戒めているような
気もする。
9 ミスした人間への責任をはっきり!
なあなあにせず、ミスの所在をはっきりさせることで、成長につなげる
ためなのか。或いは上に立つ者は、その覚悟を持てということか。
10 将来によって現在を規定する。
かっこいい!! そんな風に言ってみたい。
11 何時も笑って死ねる様に!
笑って死ねるだろうか・・・、不安。
12 人生GAME. Cool. 情熱、ファイト。
自分自身を鼓舞する時には割り切り(覚悟)と、そして情熱を持って。
13 十年先の計画を立てて!
本当にそうすべきだったと反省の日々・・・。
14 品行悪くとも品性を保て!
生きていく上で品性こそ最も重要な要素だ。品性は備わっているだろう
か?
15 どんな役をやっても人間性の悪い役をやるな。
与えられた職務があるとすれば、どんなに嫌でも人間性を損なうなよう
な悪を心に抱えるな!ということか。
小田さんは、「揺るぐなよ」と高倉健さんが自分自身に語りかけているのだろうと。なかなか自分の思いを言葉にして、ましてや「訓」と手帳に書き記すことができるだけでも凄いし羨ましい。
高倉健さんは与えられた配役に「運がよかった」とも語るなど、「訓」を精進の証にし、「運の良さ」を謙虚に受け止めたとも記している。何とも言えない、漢(おとこ)の背負うものを言葉に可視化した高倉健さん。そんな人の生きざまってやはり格好いいと思った。
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