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④-1留学やワーホリそれ自体に失敗した人たちの話。

実体験に一部脚色しています。

(注)この話は、『オーストラリアでテレビデビューした話。』と内容が同じです。マガジンにまとめるために、別タイトルで同じ内容の記事が2つになりました。

留学中やワーホリ中に起こった笑える失敗談ではなく、情報収集不足や準備不足により、笑えない失敗をした人たちの話です。

私は、ワーホリそのものに大失敗しました。帰国直後はショックのあまり、そのことを誰にも話したくありませんでしたが、数年経ち、何気なくそのことを話すと、何人かが、

「実は、私も留学していたことがあるけれど、失敗して……」
「ワーホリで散々な目に遭って、大好きな国が大嫌いな国になった。」
「留学やワーホリに行ったが、それが次の仕事につながらなかった。」

と他の人に言えなかったことを言い出しました。では、なぜ今まで他の人に言えなかったのでしょうか。

(1)親に大金を出してもらったため、失敗しましたと言えなかった。親の期待が大きければ尚更です。

(2)アルバイトをして大金を貯めて、語学スクールに行って、煩雑な手続きまでしたのに、自分で失敗したと認めたくなかった。

(3)帰国後、周りの人たちから羨望のまなざしで見られたり、当然外国語が喋られると思われるので、留学やワーホリに行ったことを隠すようになった。

私や他の人の失敗談から何かをつかみ取ってくれれば幸いです。

【ケース4-1】20代の女性。ワーホリビザで2ヶ月間、オーストラリアに滞在。

「とうとう到着した。」

パスポート取得、ワーホリビザ申請、どれもが生まれて初めての経験だった。煩雑な手続きに何度もつまずき、出国日まで間に合わないと焦ったくらいだった。

でも、今日からワーホリ生活が始まる!不安よりも期待が大きかった。

はやる気持ちをおさえつつ、次々と運ばれるベルトコンベヤー上の荷物を凝視していたが、私の荷物はなかなか出てこない。

流れてくる荷物はどんどん少なくなり、とうとうベルトコンベヤーは止まった。

(えっ⁉嘘でしょ⁉)

Lost Baggage

荷物が紛失してしまったのである。

(落ち着け落ち着け)

パニックになりそうになりながらも、紛失対応窓口に並ぶ人の列の最後尾についた。

他の人がスタッフに何と言ってるか聞いて、私も同じように言おうと決めた。

私の英語のレベルは、出国直前に合格した英検4級レベルである。

荷物の大きさ、形状、色、ホームステイ先の住所、電話番号を身ぶりや手ぶり、筆記で伝えた。ちゃんと通じているか自信はなかった。

(2ヶ月どうしよう)

私は茫然自失しながら、入国審査までたどり着いた。

入国審査のスタッフは、
「(入国審査に)来るのが遅いし、荷物も少ない。どうしたんだ!」
と聞いてきた。私の英語のレベルは英検4級だ。これからの会話のやり取りは、スタッフは恐らくそう言ってたであろうと想像して書いている。

私は半泣き状態で、
「Lost Baggage!!」
と言った。

スタッフは、
「それはお気の毒に。」
と同情してくれた。

機内に持ち込んだ小さなバッグを開けると言われた。

Lost Baggageのショックが大きすぎて、私の脳内はほとんどそのことで一杯だったのだが、実はこのとき、私はある普通でない状況に置かれていたのだ。

フサフサのファーみたいなのが付いた大きなマイク、まぶしすぎるライト、肩にかつがれた大きなカメラ。

テレビ局のクルー!

しかも、撮影されている被写体の中心にいるのは自分だった!!

(1)初めての海外。2ヶ月の滞在。航空券を節約するために、直行便ではなくタイ(バンコク)経由のチケットを購入しました。トランジットは安くなることがありますが(往復5万円くらい安かったと思う)、荷物の入れ替えが上手くいかないリスクもあることを忘れずに。

(2)紛失対応窓口、入国目的、入国審査の英会話くらいは、日本で勉強してきましょう。空港を出るのに時間がかかってしまいます。

(3)Lost Baggageに備えて、機内持ち込み用の荷物の中に、最低2~3日分の服や下着などを入れておきましょう。

(つづく)

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椎良麻喜|物書き(グルテンフリー/小説/エッセイ/写真)
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