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ぼくの友だち
SE ノック
遙 「亜樹?起きてる?」
SE ガチャ
亜樹 「遙…」
遙 「ごはん、持ってきたよ」
亜樹 「っだから、ごはんなんて」
遙 「うん、わかってる。だからほら」
亜樹 「っ」
遙 「ちょっと痛かったけど」
亜樹 「切ったのか?」
遙 「うん、ちょっとだけ。だから少しだけでごめんね」
SE コップを受け取る
亜樹 「(のみほす)...はあ」
遙 「足りないよね?でも、やっぱり噛まれるのは怖いんだ…だから、ごめんね」
亜樹 「遙から血の匂いがする」
SE 衣擦れ
遙 「あ、たぶん、まだちょっと止血できてないみたいで」
亜樹 「舐めさせて」
遙 「え、でも」
亜樹 「舐めるだけだから、頼む」
遙 「本当にかまない?」
亜樹 「うん」
遙 「絶対だよ」
亜樹 「約束する」
SE 包帯をはずす
亜樹 「はっんはっ」
遙 「くすぐったいよ」
亜樹 「はあはあ」
遙 「亜樹?」
亜樹 「我慢できない…ごめん!ぐわっ」
遙 「ダメえ!」
亜樹 「っ…ぐっ…なんだ…これ…は…」
SE ドサっと倒れる
遙 「あぁあ、だからダメって言ったのに」
亜樹 「うっ…な…ぜ…」
遙 「ボクの皮膚は猛毒なんだ。だって、妖怪だからね」
亜樹「よう…か…い」
遙 「君とは友だちになれると思ったのに…残念だよ」
亜樹 「っ」
遙 「同族以外でボクの身体を齧ったものは、永遠に眠ることになる。あ、安心して、死にはしないから。ただ眠るだけ…永遠に」
亜樹 「うっ…そん…な」
遙 「いつか、その眠りを解いてくれる人に出会えるといいね」
亜樹 「遙…」
遙 「さようなら」
終